セガサミーHD、16年3月期は営業益0.7%増の176億円に…パッケージゲームやアミューズメント機器、映像・玩具が貢献、一方、遊技機・スマホゲームは苦戦

セガサミーホールディングス<6460>は、5月13日、2016年3月期の連結決算を発表し、売上高3479億円(前の期比5.1%減)、営業利益176億円(同0.7%増)、経常利益164億円(同2.8%減)、最終利益53億円(前の期113億円の赤字)となった。

 


5%減収となったものの、営業利益は前年比でわずかながらプラスとなった。遊技機事業は2ケタの減収減益となったが、パッケージゲームやアミューズメント機器分野、映像・玩具分野の収益性改善が進んだことが主な要因だった。セグメント別の状況は以下のとおり。

 
(1)遊技機事業:売上高1334億円(同12.7%減)、営業利益215億円(同16.4%減)

パチスロ遊技機については、『パチスロ 鬼武者3 時空天翔』など実績あるタイトルのシリーズ機の販売は堅調であったものの、それ以外のタイトルについては低調に推移した。

パチンコ遊技機は、オリジナルIP『ぱちんこCR神獣王2』や、新枠『闘神』とともに新規演出やギミックを搭載し従来の「北斗の拳」シリーズにはない新境地を開拓した『ぱちんこCR真・北斗無双』など堅調に推移したタイトルがある一方、遊技機事業における構造改革に伴う一時的な影響や、『ぱちんこCR北斗の拳6シリーズ』の反動減があった。


 
(2)エンタテインメントコンテンツ事業:売上高1997億円(同0.5%減)、営業利益36億円(同57.1倍)

構造改革施策の効果により、パッケージゲーム分野、アミューズメント機器分野、映像・玩具分野の収益性改善が進んだ。

デジタルゲーム分野では、『ファンタシースターオンライン2』をはじめ、『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』、『ぷよぷよ!!クエスト』、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』などの主力タイトルが堅調だったが、アジア向け『Football Manager Online』の韓国展開や一部のスマートデバイス向けタイトルが当初想定していた評価を受けることができなかったことから、それらのゲームタイトルに関連する資産の価値を見直したほか、新作タイトルの増加に伴う広告宣伝費などの費用が増加した。なお、デジタルゲーム分野における国内配信タイトル数(無料プレイ型)は2016年3月末時点で49本となった。

パッケージゲーム分野では、欧州を中心に10年に渡り熱狂的なファンを獲得し続けている「FootballManager」シリーズの最新作『Football Manager 2016』等を販売したものの、販売本数は前期を下回る922万本となった。一方で、タイトルの絞り込みによる主力タイトルの販売に注力した結果、収益性を改善した。

また、アミューズメント機器分野では、新作メダルプッシャー機『バベルのメダルタワー』や全国のゲームセンターで好評稼働中の音楽ゲーム『maimai』の開発チームが手掛けた、新しいプレイ感を楽しむことが出来る新作音楽ゲーム『CHUNITHM』の販売が好調だった。

アミューズメント施設分野は、既存のゲームセンター業態におけるプライズ等の運営強化により、国内既存店舗の売上高は前期比で103.1%と好調に推移した。映像・玩具分野は、TVシリーズとしては30年ぶりの新作となる『ルパン三世』の番組販売が好調に推移したほか、劇場版『名探偵コナン 業火の向日葵(ひまわり)』がシリーズ最高の興行収入を記録。また、玩具は『アンパンマン』シリーズや『ディズニーキャラクターマジカルポッド』などを中心に販売した。


 
■2017年3月期の見通し

続く2017年3月期は、売上高3800億円(前期比9.2%増)、営業利益200億円(同13.5%増)、経常利益200億円(同21.9%増)、最終利益100億円(同86.2%増)を見込む。

 
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
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