【レビュー】もう試した?『Jaunt VR』によるスマフォでお手軽VR体験 ゾンビムービーや「The North Face」によるクライム擬似体験など
VR元年と呼ばれる2016年、先の講演ではGoogleがVRプラットフォームを公開するなど、ますます業界関係者の熱が帯びてきている。ただし、現在公開されているものの多くは、高性能なPCと高価なヘッドセットの組み合わせであったりPSVRがまだ未発売であることなど、興味があってもなかなか体感ができていない読者も多いのではないだろうか。
今回は手元にあるスマートフォンと、アプリを使用してすぐにでもできるVR体験として、Jaunt社のCinematic Virtual Reallity『JauntVR』を使用した体験をレポートしていく。
■『JauntVR』でお手軽VR体験
この『ESCAPE THE LIVING DEAD』では、ゲーム開始と共に、周囲に銃声とサイレンが鳴り響き、すでに逼迫した事態であることが体感できる。劇中では出演者が自分越しに銃撃を行った際に後ろを見ると、ゾンビが倒れていたり、同じ視点だけ見ていると、いつの間にかにゾンビに囲まれ、乗っている車の運転手が餌食になっているなど、その時の自分の視点次第で同じコンテンツでも変わってくるため、繰り返し楽しめるようになっている。
■今後の展望
『ESCAPE THE LIVING DEAD』では、先にお伝えした通り、自分の視点によって同じ時間であっても体感するシーンが異なってくることや、「abcNEWS」のネパールの震災取材のムービーでは、取材する側が一方的に設定した構図だけではなく、その時に周辺がどうなっていたか、インタラクティブに見渡すことができるといった新しい可能性も見出せた。
ただし現在の機器の制約の問題やその情報量の多さゆえに、長時間再生しつづけるといった点では疲れを感じたことは確かだ。ニュースがインタラクティブすぎても、慣れの問題ではあるかは現時点では断言できないが、長時間になると身体の疲れがはっきりとわかるので、すべてのニュースが取って代わることなく、また同じ視点から2時間ものの長編映画の公開などは現時点では厳しいだろう。
また日本国内には質の高い海外ドラマが多く入ってきているせいで、それらと比較すると『ESCAPE THE LIVING DEAD』では粗さを感じるシーンもあった。しかしながら、これらは今後のVR機器の普及状況やVR制作環境に伴って改善されていくだろう。今後も同社のコンテンツも含めて、エンターテイメント業界のみならず、様々なジャンルへの期待込め、機器を買い漁りながらVR業界を注視していくつもりだ。
(編集部:和田和也)
■JauntVR