【レビュー】ポケモンとHEROZが組んだ異色のタッグ作『ポケモンコマスター』を紹介 人気IPを用いつつも中身は本格派の戦略対戦ボードゲーム


昨年くらいからストアランキングで好調を維持するIPタイトルの比率が増えてきた。直近6月1日のApp Storeの売上ランキング(ゲームカテゴリー)で見ると、トップ10圏内には「Fate」「アイドルマスター」「ディズニー」「ONE PIECE」「ドラゴンクエスト」とずらりと有力IPが並んでいる。

そんなIPの中でも世界的な知名度を持つ「ポケットモンスター」のポケモンと、『将棋ウォーズ』などに採用されている世界最高峰の人工知能(AI)をコア技術としてもつHEROZのタッグにより誕生した異色のゲームが『ポケモンコマスター』だ。


■「ポケモン」使った本格派の戦略対戦ボードゲーム 手動で考えながらのプレイに楽しさ


本作は、ポケモンのフィギュアを使って戦う戦略対戦ボードゲーム。プレイヤーは、沢山の異なる特徴をもつポケモンフィギュアを集めて組み合わせ、自分だけのデッキを作って戦っていく。自分と相手が交互にフィギュアを動かして、先に相手陣地のゴールにたどり着くのが目的となる。

ゲームでは、ストーリーに沿ってCPUとのデュエルを行っていく通常クエストが話の中心となるが、ラウンジで対人戦となるデュエルを楽しむこともできる。対人戦は、ラウンジチケットを使って同じくらいの強さのプレイヤーとデュエルする「ランクマッチ」と、ラウンジチケットを消費せずに近くにいるプレイヤーやニックネーム検索したプレイヤーとデュエルができる「ルームマッチ」の種類がある。
 
 

ゲームのコアの部分となるデュエルは、ターン制で相手の本拠地を落とすことを目指すボードゲームとなっている。相手の動きをブロックしつつ、相手の本拠地を狙うのは結構な頭脳戦が要求される。
 

コマとなるポケモンは動けるマスの数が異なったり、それぞれ異なる“ワザ”を持っている。ポケモンは相手のポケモンと隣り合うと攻撃を仕掛けることができ、この技で対決することになる。“ワザ”はルーレットの形で選択されるため、勝敗は運の要素が強く、必ずしも計算通りに戦局が進まないため、作戦を修正しつつ、次の手を考えていかなければいけないのが面白さだろう。
 
 

なお、CPUとの対戦モードではAIを使うことができるため、初心者でも簡単にプレイすることは可能だ。ただし、思考をすることなく、AIボタンを押すだけのいわゆる“ポチゲー”のようになってしまうため、手動で考えながらプレイする方が筆者としては楽しく感じられた。

それと、序盤からプレイしていて感じたこととしては、コマとなるポケモンがやや入手しづらいように感じられた。そのため、デッキを何パターンも組んで相手に合わせた戦略を取るといった要素はかなりやり込む、もしくは当初に大きく課金しないと難しいかもしれない。
 

また、コマとなるポケモンのレベルもやや上がりづらいように感じられた。そのため、「ポケモン」という有力IPを使いつつもキャラゲーとして入ってきたライトなユーザーはゲームに入り込みづらい可能性もありそうだ。
 


■楽しむためのとっつきやすさなど課題は大きいが、今後の改善に期待


個人的な感想としては、戦略対戦ボードゲームとしての出来は非常に高いのではないかと思う。課題となるのは戦略を広げるための準備を行うのが大変なことで、ここは改善の余地が大きいのではないだろうか。

なお、本作は5月31日にアップデートを行い、新要素として新しい“ワザ”が追加されたほか、一部フィギュアパラメータなどのバランス調整、通常クエストの難易度見直しなどが行われた。今後も本作の魅力を楽しみやすくなるように、さらに遊びやすく改善が進むことに期待したい。
 
(編集部:柴田正之)


■『ポケモンコマスター』

 

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HEROZ株式会社
http://heroz.co.jp/

会社情報

会社名
HEROZ株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役Co-CEO 林 隆弘/代表取締役Co-CEO 髙橋 知裕
決算期
4月
直近業績
売上高48億4100万円、営業利益4億5100万円、経常利益3億6800万円、最終損益:11億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4382
企業データを見る
株式会社ポケモン
https://corporate.pokemon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ポケモン
設立
1998年4月
代表者
代表取締役社長 石原 恒和/代表取締役 宇都宮 崇人
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