【レビュー】クローバーラボの新作『WANDER CROWN』をご紹介 連携技の爽快感と安心して楽しめるシステムが魅力のコマンドバトルRPG



昨今のアプリ市場では、アプリの開発規模が大きくなるとともに、リリース延期・遅延のアナウンスがとみに目立ってきた。同時に、それは新作リリースが減少し、かつてのように大量にリリースされたアプリマーケットで「埋もれる」リスクが減り、新作が出ればとりあえずユーザーに手にとってもらえる状況でもある。実際、一部業界関係者からは、ユーザーの目は厳しいものの、IPタイトルだけでなく、オリジナルタイトルもしっかり作りこめば、市場が成熟化しつつあるなかでもきちんと評価される、との声も聞かれる。

2016年にリリースされたオリジナルタイトルのヒット事例として、『サムライライジング』や『ドラゴンプロジェクト』、『グリムノーツ』、『ラストピリオド』、『クリスタル オブ リユニオン』、『ワールドクロスサーガ』などがある。もちろん提供会社によるブランド力などの影響も大きいのだが、いずれもノンIPタイトルながらアプリストアのランキングでTOP50に入った実績を持つ。今回、これから活躍が期待されるタイトルとして、クローバーラボの新作RPG『WANDER CROWN ~七つの大陸と忘れられた島国~』を紹介したい。

本作は、『ゆるドラシル』や『マゼラニカ クロニクル』に続く、クローバーラボの最新作となるファンタジーRPGだ。世界から忘れられた島に住んでいた主人公が個性豊かなキャラクターたちとともに、7つの大陸を冒険し、世界を襲う災厄に立ち向かうという内容となっている。10万人を超えるユーザーが事前登録を行い、リリースからわずか1日で15万ダウンロードを突破したという。

さて、そんな幸先のスタートとなった本作だが、ゲームの流れは、冒険を一緒にするキャラクターの収集・育成とパーティ編成を行いながら、クエストに挑戦しストーリーを進めていく、というものだ。ゲームのメインコンテンツは、やはりモンスターとのバトルを行い、ストーリーを進めていく「クエスト」になるだろう。

クエストは、ストーリーを進めるメインクエスト、限定クエスト、キャラクタークエストがあるが、メインクエストでは1つのエリアに3つのステージがあり、全てクリアするとストーリーが進行するとともに次のエリアに移動できるようになる。ステージには、複数回のバトルを行う必要があり、すべての敵を倒すことができればクリアだ。
 
▲ストーリーは、キャラクター同士の掛け合いで進行する。


本作で使われているバトルシステムは、日本でもポピュラーなターン制のコマンドバトルだ。ターンごとに攻撃やガード、技(スキル)などを選択してモンスターを倒していく。ここでユニークなのは、キャラクター同士の連携技だ。2体以上のユニットが同じターゲットを相手に特定のコマンドを選ぶと通常よりも強力な技を発揮してくれ、バトルを有利にすすめることができる。
 
▲キャラクターごとにコマンドとターゲットと選択する。ユニットと敵の属性の相性も重要になる。


▲連携技の発動シーン。


この発動条件は、プレイしながら探していくのがいいだろう。記者が確認できたのは、主人公が「ソードドライブ」、「伝説の執事ゼーユング」が「なみのり」を選択すると連携技が出るくらいで、パーティの組み合わせなども試行錯誤する楽しみもある。連携技が出る際は、ターゲット選択時に「!」のマークが出るので組み合わせをメモしておきたい。

また、移動中など何らかの事情でコマンドバトルの操作ができないという場合、オートバトルを選択するのもいいだろう。攻撃重視の「全力」、体力回復やガードも行う「慎重」、技を一切使わない「技禁止」の3種類から選択できる。バトルスピードも調整可能で、最大3倍速まで選べる。オートバトルと合わせるとサクサクとゲームが進行する。
 
▲キャラクエストでは、個別のキャラクターのストーリーが楽しめる。親密度が上がっていくと、ストーリーが解放されていく。キャラクエストを1話クリアすると、キャラクターユニットの基礎ステータスが強化されるメリットも。

 
▲限定クエストでは、進化素材などが手に入る曜日クエストが楽しめるようだ。まだリリースから間もないため実装されていないが、期間限定のクエストもこちらから選択できるという。

 
▲パーティは、5人編成で行う。ユニットの合計コストが、レベルごとに設定された上限コストの範囲内になるようにする。主人公の強さは正直、微妙なのだがコストが0なのでついつい動員することになる。冒険には、さらに他のプレイヤーのユニットが借りられる。


キャラクターの育成については、銀貨を使ってレベルを上げていく「強化」のほか、進化素材と銀貨を使ってレアリティを上げ、見た目やコマンドを変化させる「進化」、そして、同名ユニット同士で合成することでパラメーターを上げる「限界突破」で行う。進化と限界突破は、「クレスタエリア」の5と6をクリアするとアンロックされるとのこと。
 
▲キャラクターには最大3個まで「結晶」を身につけることができる。ステータスが上がる効果があり、同じシリーズを3つつけるとボーナス効果も。結晶はレア度があるだけでなく、レベルの概念もあり銀貨を使うことで上げることもできる。ちなみに、結晶は、クエストなどで入手できるようだ。

 
▲ゲーム開始時のチュートリアルで引けるレアガチャは何度も引き直し可能。つまり、「リセマラ」を行う必要がない。


ゲームの基本となるシステムは手堅く作り、安心して遊べるようにしつつも、複数キャラによる「連携技」や、ユニットとの絆を深めて解放されるキャラクタークエストなどを盛り込むことで、「新しさ」を感じながら楽しめるようになっている。さらに、リセマラ不要のシステムや、3種類のオートモードなどかゆいところに手が届く仕組みも見逃せない。競合タイトルが増えていることが気がかりだが、これから活躍を期待したいタイトルである。事前登録特典の配布は6月9日から30日間限定なので、早めにプレイしておくことをおすすめしたい。



■『WANDER CROWN ~七つの大陸と忘れられた島国~』

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会社情報

会社名
クローバーラボ株式会社
設立
2009年7月
代表者
小山力也
決算期
6月
直近業績
2012年6月期の売上高2.53億円
上場区分
非上場
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