【レビュー】ひとりぼっち の ぼく から ひとりぼっち の きみ へ 様々な思いを受信、そして送信できる『ひとりぼっち惑星』を紹介



今週の月曜日、『ひとたがやし』(関連記事)というゲームのレビューを掲載したのだが覚えている読者はいるだろうか。物悲しい雰囲気が魅力的な『ひとたがやし』は、ところにょり氏によるアプリで、先日その続編(?)にあたるアプリ『ひとりぼっち惑星』がリリースされた。



この『ひとりぼっち惑星』では、メッセージを誰か1人に送信できる機能があり、Twitter等のSNSでこんな画面を共有しているのを見たことがある人もいるのではないだろうか。

今回のアプリレビューでは、そんな一部で話題の『ひとりぼっち惑星』を紹介したい。
 

■ひとりぼっちの惑星で、地球への”思い”を「じゅしん」


『ひとりぼっち惑星』は、その名の通り、ひとりぼっちで惑星にいるいきもの(プレイヤー)が、戦い続けている「ジンコウチノウ」たちの部品を集めてその部品でアンテナを立て、そして広い宇宙からの誰かからのメッセージを「じゅしん」することが目的となる放置系ゲームだ。



この星では、「ジンコウチノウ」たちがお互いにお互いを攻撃し破壊し合っている。赤いゲージがなくなれば「ジンコウチノウ」は崩壊し、白い部品となるので、その部品をスワイプして回収しよう。



この何が目的か全くわからない戦争にはプレイヤーはほとんど介入することができない。だが、この真ん中のwifiのようなマーク「でんぱ」をタップすることで、巨大な「ジンコウチノウ」を一定時間呼び出すことができる。この巨大な「ジンコウチノウ」の力は強大で、その場にいる「ジンコウチノウ」をほぼ一撃で葬り大量の部品の回収が可能となる、いわゆるフィーバータイムのようなものとなる。


▲「でんぱ」は広告動画を見ることで回復する。こちらをどんどん使って部品を回収しよう。また、この巨大な「ジンコウチノウ」にもゲージが存在し、壊れることで大量の部品を手にいれることができる。

部品の回収は、文章でだけ読むと若干退屈な様子に見えるかもしれないが、大量の部品を回収していくのはとても爽快感があるので全く退屈する心配はない。

さて、そんなふうに集めた部品は様々な用途がある。まず最初にお勧めしたい用途が、「あたらしい ジンコウチノウ」や「でんぱ じぞく じかん」といった部品の回収が楽になるものの拡張だ。これらを拡張することで部品の回収の効率が大幅によくなる。


▲課金要素として広告を消す機能や、部品を買うこともできる。

次に、『ひとりぼっち惑星』のストーリーを進める為に「あんてな」を建て、メッセージを「じゅしん」しよう。こちらも部品で行うことが可能だ。「あんてな」を建設し、「じゅしん」することで、メッセージを読むことができる。



この惑星に届くメッセージは、主に地球に向けて送られているメッセージとなる。やり切れなさを感じさせる、なんとも心がえぐられる内容となっている。また、前作にあたる『ひとたがやし』のストーリーとつがなっているのでは?と感じさせる部分もあるため、『ひとりぼっち惑星』のストーリーが気に入った方はぜひ『ひとたがやし』、そしてその前作である『ひとほろぼし』にも注目して欲しい。



このメッセージは全部で6つ用意されており、「あんてな」の拡張と「じゅしん」を繰り返すことで読むことができる。この「あんてな」の拡張と「じゅしん」には都度部品が必要で、後半になるにつれて必要な部品の数が多くなっていくので、「ジンコウチノウ」の落とす部品をどんどん回収しよう。

 

■ひとりぼっち の ぼく から ひとりぼっち の きみ へ


6つのメッセージを全て受診すると、こんどは他のひとりぼっちの惑星の住人のメッセージが「じゅしん」できるようになる。そう、同じアプリをプレイしているプレイヤーのメッセージを読むことができるのだ。こちらからのメッセージの送信ももちろんできる。

著者も何通か「じゅしん」をしてみたのだが、『ひとりぼっち惑星』の独特の雰囲気に飲まれているのか、もしくは全文ひらがな表示ということもあるのか、物悲しい物語を紡ぐ人が多く感じられた。また、縦読みやホラーなどをメッセージに仕込んであるものも多く見受けられる。


▲こういった形で外のSNSに投稿を促す形も見受けられた。Twitterでシェアすることはできないのでこちらに掲載させていただいた。



こちらからメッセージを送信する際は、部品が21800個必要となる。21800個となると結構な数の為、よく文章を考えて送りたい。

このアプリの面白い部分はこの「じゅしん」「そうしん」にあると感じる。このメッセージの送り先はランダムとなっており、決まった人間に送り合うことはできない。なので、先述したようにTwitter等のSNSでスクリーンショットが共有され、「これ書いたの誰?」といったようなやりとりがなされている。そう、アプリを飛び出しているのだ。

そして、ユーザーをこのような行動に誘導しているのが、この『ひとりぼっち惑星』バックグラウンドだろう。ただ単にランダムでのメッセージ送信機能ではなく、『ひとりぼっち惑星』の奥深く物悲しい物語があるからこそ、それがいわゆる「お題」となって、素敵な文章が生み出され、それが外の世界に拡散されているのではないだろうか。


■関連サイト
 

App Store

Google Play



© Shogo Senouchi