​【決算分析】LINEの決算説明資料より…パフォーマンス型広告が貢献 最終黒字転換は土地売却などが寄与 『LINE ブラウンファーム』が台湾・タイで好発進

7月27日に上場後初の決算発表を行ったLINE<3938>の2016年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算(IFRS)は、売上収益673億円(前年同期比19.8%増)、営業利益133億円(前年同期9億円の赤字)、四半期純利益25億円(同52億円の赤字)となり、増収・黒字転換を達成した。

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今回はLINEが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
 

■広告サービスの売上収益に占める比率が増加 最終黒字転換も土地売却益など特殊要因が寄与


まずは第2四半期期間(4~6月)の売上収益を見ると、339億円と四半期推移(QonQ)での増収となっている。明らかに伸びているのは広告部分で売上収益に占める構成比は第1四半期の35%から37%に拡大している。
 

また、利益面については、四半期純利益での黒字転換を達成している。ただしこれは、福岡土地売却およびBIZ Plus(タイ)の評価益の効果が利益を押し上げた部分が大きく、これを除外すると、まだ損益分岐点を越えていないようだ。
 
 

■『LINE ブラウンファーム』が台湾・タイで好スタート 広告サービスはパフォーマンス型広告が貢献


続いて各サービスごとの状況に目を移すと、コミュニケーションサービスは前年同期比で13.1%の増収、前四半期比では4.0%の減収となった。
 

コンテンツサービスは、前年同期比で8.2%の減収、前四半期比で4.0%の減収となっている。これは新規タイトルのリリース延期による影響が大きそうだ。また、この第2四半期には、『LINE ブラウンファーム』の台湾・タイでのリリースを行っており、好調な立ち上がりを見せているという(8月2日11時現在は台湾でApp Atore売上ランキングトップ、タイは同6位)。
 

続いて広告サービスは、前年同期比で60.1%の増収、前四半期比で6.3%の増収となった。 2016年6月よりパフォーマンス型広告を本格的に開始したことに加え、LINE NEWSでの掲載面を拡大したことが増収につながったようだ。
 

LINE FRIENDSやLINEバイト、LINE Payなどその他サービスは、前年同期比で95.5%の増収、前四半期比で21.6%の増収となった。
 
 

■コミュニケーションとコンテンツを安定基盤に広告とその他サービスで成長する局面か


今回の決算内容を見ると、同社の主力サービスであるコミュニケーションサービスとコンテンツサービスは右肩上がりの成長トレンドというよりも安定した収益基盤という印象だ。成長ファクターとなっているのは、広告サービスとその他サービスの部分となるが、広告サービスはパフォーマンス型広告が四半期ごとに順調に売上を拡大してきている。

その他サービスの部分は、昨今、同社がいろいろな新サービスの立ち上げに取り組んでいる部分だろう。必ずしもすべての新サービスが上手くいっているわけではないが、ここから次の成長の軸となるものを生み出すことができるかどうかも今後のポイントとなってこよう。
 
(編集部:柴田正之)
 
 
LINE株式会社
http://linecorp.com/

会社情報

会社名
LINE株式会社
設立
2019年12月
代表者
代表取締役社長 出澤 剛/代表取締役 慎 ジュンホ
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