【モブキャスト決算説明会】世界展開に"シフトチェンジ" 『LUMINES』など世界的人気作品の配信に注力 中華圏向け『まどマギ』も順調



モブキャスト<3664>は、8月5日、2016年12月期第2四半期(2016年1~6月期)の決算発表を行うととともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。

同日発表となった第2四半期累計(2016年1~6月期)の連結は、売上高16億3900万円(前年同期比7.3%減)、営業損益5100万円の赤字(前年同期1億5800万円の赤字)、経常損益8600万円の赤字(同1億5200万円の赤字)、最終損益1億9900万円の赤字(同1億2700万円の赤字)となった。

決算説明会では、同社の藪考樹社長(写真)が決算概要と第3四半期以降の取り組みを説明し、スマートフォンアプリのグローバル展開を今後強化していくことを明らかにした。今回の記事では、第2四半期(4~6月期)の状況と、下期の取り組みを中心に質疑応答を交えてレポートする。
 


 
■第2四半期はQonQで減収・営業赤字に

第2四半期期間(4~6月期)決算をみると、売上高7億8367万円(前四半期比QonQ8.5%減)だった。主力のネイティブアプリ『18』で「おそ松さん」や『デュラララ!!×2』との作品とのコラボを行ったことでネイティブアプリの売上を微減に抑えた一方、ブラウザゲームについても減衰率が落ちているものの、売上の低下傾向が続いた。
 


利益面では、営業損益6700万円の赤字(前四半期1500万円の黒字)、経常損益7200万円の赤字(同1300万円の赤字)だった。売上の低下に加え、『モバプロ』のテレビCM出稿など広告宣伝費を増やしたことが主な要因だった。最終損益については、1億8500万円の赤字(同1300万円の赤字)と他の利益項目に比べて赤字幅が拡大した。これはFIFPro Commercial Enterprise B.V.に対する解決金の支払いを特別損失として計上したことが響いた。
 
 
 
▲上期の取り組み。マイネットとのプラットフォームの共同運営や、エンハンス・ゲームズ社への追加出資、岡本吉起氏との大型IP戦略バトルRPG「PROJECT OK」の始動などが明らかとなった。


 
■下半期のリリース計画について

ここで下半期のリリース計画を明らかにした。まず、これまで『ルミネス2016(仮)』という仮タイトルになっていた有料ダウンロード版「ルミネス」は、正式タイトルが『LUMINES パズル&ミュージック』に決定した。現在、日本語版、英語版とも第3四半期のリリースに向けて開発を進めており、「3Qの早い時期にリリースする予定」(藪社長)。
 


日本で7月に先行配信したが、App Store有料ランキングで7位、Google Playでも5位にランクインした。「ユーザーからの反響も上々」。『LUMINES』は、全世界76カ国配信でモバイル版では1000万ダウンロードは突破するなど、海外で高い人気を誇っている。9月に世界配信を行う計画で、それにあわせてプロモーションも大々的に行う考え。
 


『LUMINES パズル&ミュージック』については、モブキャストとして新しい課金モデルを導入する。アプリ本体を有料(350円)として、追加の楽曲パック(600円)を販売する。コナミデジタルエンタテインメントの『jubeat』や『REFLEC BEAT』などで使われているモデルだ。楽曲パックは、アーティストやフェスとコラボした楽曲を活用することで、ファンにも購入してもらうことが狙い。ダンスミュージック祭典「ULTRAJAPAN」、そして「SEKAI NO OWARI」とのコラボを発表している。
 


会場からは350円という価格設定は、スマホゲームのユーザーには敷居が高いのではないかという指摘が出た。これに対し、藪社長は、「コンシューマゲームのシリーズを買った層を主なターゲットにしている。そういった方々からは安いとの声も出ている。」と回答した。またアーティストとのコラボパックを配信することで、当該アーティストのファンも追加パック目当てで購入する可能性もあるとみているそうだ。

『LUMINES  VS版』 は、大手プラットフォームと提携し、第4四半期(16年10~12月)中にリリースする予定。こちらはアプリを無料でダウンロードできるようにし、アイテム課金型を想定しているとのこと。ゲーム内容の詳細については、事前登録開始時に明らかにするようだ。
 


このほか、中国のアニメ配信大手のbilibiliと共同開発中の『魔法少女まどか☆マギカ』については中華圏でのリリースに向けて開発は順調に進捗しているとのこと。会場からは国内をはじめとする中国以外での展開について質問があがった。日本での配信については計画はあるものの、具体的な予定にはなっていないとのこと。それ以外の国で配信する場合もbilibiliと共同開発版がベースになるという。
 

 
株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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