
gumi<3903>は、9月12日、東京都内で2017年4月期の第1四半期(5~7月)の決算説明会を開催した。同日発表された第1四半期の連結決算は、売上高53億3300万円(前々期比9.1%減)、営業利益2億5300万円(前年同期5億3200万円の赤字)、経常利益2億4600万円の赤字(同4億9500万円の赤字)、四半期純利益3300万円(同6億2600円の赤字)と黒字転換を達成した。
説明会では、國光宏代表取締役社長が今後の取り組み、川本寛之代表取締役副社長が第1四半期の決算と第2四半期の業績予想についての説明を行った。今回はゲーム事業を中心にその内容をまとめてみた。
■海外版『FFブレイブ』の寄与で海外ネイティブアプリの売上高が増加
まずは第1四半期の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第1四半期の売上高は前四半期比0.6%減の53億3300万円と減収となったが、各利益項目は前四半期の赤字計上からいずれも黒字転換を果たした。「コスト管理の徹底により、大幅黒字転換した」(國光社長)という。

続いて、第1四半期のサービス別売上高の内訳を見てみよう。前四半期と比べると海外ネイティブアプリの売上高が増加している。これは『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(以下『FFブレイブ』)の海外版6月30日に配信開始となったことで、約1ヶ月分寄与していることがその要因だ。次の四半期はこれがフルに寄与してくることを考えるとさらに海外売上高が伸びてくることが期待されそうだ。

この四半期の利益率改善要因となった費用面に目を移したい。人件費が海外子会社の再編により減少しているほか、広告宣伝費が前四半期比で2億6800万円、前年同期比で5億7700万円減少していることがやはり大きい。広告宣伝費の減少は、費用対効果を重視したプロモーションを実施したことによるものとなっている。


■『誰ガ為のアルケミスト』は8月に過去最高の売上を記録
次に各タイトルごとの状況を見てみたい。まずは『ブレイブ フロンティア』(以下『ブレフロ』)だが、依然としてMAU(月次アクティブユーザー数)が減少トレンドにはあるものの、その減少幅は緩やかなものとなってきている。機能追加に加え、3周年に向けた大型コラボの実施で、次の四半期も安定した推移を継続していくことを目指すことになりそうだ。

『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)については、復刻コラボイベントが複数開催された。さらに2周年を記念した大型イベントの開催も予定されている。

足元順調な推移となっているのは、『誰ガ為のアルケミスト』だ。アトラスの『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』とのコラボなどにより、ユーザーベースが着実に拡大しており、8月は過去最高の売上高を記録したという。

逆に『シノビナイトメア』は、6月24日に配信を開始し、40万ダウンロードを達成したものの、その後は売り上げ面で大きく落ち込んでいる。今後はKPIの改善を目的とした大型アップデートを実施することで、立て直しを図る方針だ。また、『クリスタル オブ リユニオン』もやや伸び悩んでいる状況で、こちらも近日、大型アップデートの実施が予定されている。


『FFブレイブ』は、国内で高水準での安定した推移を継続しているほか、海外版も6月30日に配信を開始し、600万ダウンロードを突破した。一方、『ファンキル』の海外版は65万ダウンロードを突破したところで、今後は大型IPとのコラボなどにより、売り上げの拡大を図っていく。


■2Qは2ケタ増収ながら、営業利益と経常利益はゼロの見込み
なお、同社は2017年4月期通期の予想については非開示としており、第2四半期期間(5~10月)の業績予想のみを開示している。第2四半期は売上高60億円(前四半期比12.5%増)と売上高が2ケタ増収となる見通しながら、営業利益と経常利益はゼロの見込みとなっている。これは各種費用の増加を想定したものとしており、通期での最終黒字転換を目指す方針は継続している。

(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903