モノビットの技術が作り出す、VRでのリアルタイムコミュニケーションとは 「モノビットエンジン」の最新情報も


モノビットは、10月21日に行われたITProEXPO2016 IDCフロンティアブースにおいて、同社の新製品である「VR Voice Chat with MUN」の紹介を行った。登壇したのは、同社のミドルウェア事業部 部長 安田 京人氏だ。
 

▲登壇した、モノビットミドルウェア事業部 部長 安田氏

話は、モノビットエンジンとはどのようなものであるのか、から始まった。モノビットエンジンとは、同社が提供するネットワークミドルウェア製品群。

主力製品であるMonobit Unity Networking(MUN)は、クライアントプログラムのみで簡単にマルチプレイが実装できる通信ミドルウェアとのこと。特徴的なのは、純国産でありマルチプレイの実装に特化、主にクライアント同士の通信をリレーするような製品となっている。これはUNITY専用のアセットという形でプラグインという形で展開しているという。
 

更に同氏は続ける。わかりやすいところでは、何らかのしきい値を利用して、その条件(ルール)に適合するユーザーをマッチングさせるという機能やルーム内に参加した情報が同期される仕組みが備わっている。クライアント間の情報共有機能もあり、ルームに入室しているユーザー全員に対して、あるいはユーザーを限定してデータを送信したり、個人間のチャットも可能とのことだ。

また現在KDDIとの取り組みに関しても触れた。9月に開催された東京ゲームショウ2016でお披露目された『Linked-door loves Space Channel 5』に、同社の技術が採用されている。これは、VR空間のなかで複数の体験者とダーツを行ったりボイスチャットでコミュニケーションをとることができるのだが、そういった機能全般を、このMonobit Unity Networkingで行っていると同氏は述べた。
 

特にボイスチャットの部分では「VR Voice chat with MUN」が使用されているとのことだ。既存のVRコンテンツに、ボイスチャット機能を手軽に実装できる無料のUNITYアセットとなっており、8月にβ版をリリースしている。ゲームだけではなく、様々な業種で制作されるVRコンテンツでリアルタイムコミュニケーションを実現するミドルウェアとして、ぜひ使って欲しいと同氏はアピールした。

さらに話は、ボイスチャットの技術的な話まで掘り進められていく。音声のやりとりに必要なコーデックの選定についてだ。選択肢として「Opus」「Speex」の2種をあげ、比較やテストを行った。するとCPUコストの比較では、「Opus」の方がかかったものの、VRを使用するPCは必然的にハイスペックになることや、比較した際の音質の良さと安定性を加味した上で、同コーデックに決定したと述べた。

ボイスチャットの使用で、アプリの実装者にコーデックの知識を求めるのは酷であり、そういったものを意識せず実装できるようにしたというのがモノビットの願いだ。実装自体もすごく簡単にでき、また、ビットレートの仕様は決め打ちだが、ライブラリレベルでは、かなり細かい設定も可能であるとのこと。
 

最後に次期通信エンジン、モノビットエンジン2.0についてだ。現在同社のCTO中嶋謙吾氏が設計、監修を行い、安田氏ディレクションの元、作成していると説明した。中嶋氏は誰もが知っているあのオンラインゲームの基盤を作った人物で、現在、同士が携わっているエンジンはかなりの高速化が進んでいるという。同エンジンは1サーバーで5000人以上のプレイヤーがさばけるようになっており、来年リリース予定だと締めくくった。

*モノビットエンジン公式サイトはこちらから

■「VR Voice Chat with MUN β版」製品概要
 

今、VR コンテンツにおける″リアルタイム・コミュニケーション″の必要性が高まっています。『 VRVoice Chat with MUN β版』(以下、VR ボイスチャット)とは、VR クラウドを手軽に実装できるUnity 専用の無料アセットです。自分の動きや声をリアルタイムにネットワークで通信し、VR 空間をリアルタイムに共有することで、VRコンテンツの新たな楽しみ方や深い没入感を創り出すことができます。

さらにゲームだけではなく、様々な業種で制作される VRコンテンツにも、VRボイスチャットを簡単に搭載できます!また、サンプルプログラムも付属し、VRコンテンツ制作の参考にすることも。

同プログラムは無料でダウンロードが可能。VRコンテンツ開発担当者やVRに興味のある人は、下記のURLからUNITY版の無料アセットがダウンロードできるので試してみよう、
http://www.monobitengine.com/vrvc/


■モノビットエンジンが使用されている『Linked-door loves Space Channel 5』の体験ができるイベントが新宿で開催

 

10/29(土)、30(日)にau SHINJUKUにて東京ゲームショウ2016出展のVRコンテンツ「Linked-door loves Space Channel 5」のショートバージョン無料体験コーナーが用意される。「Linked-door loves Space Channel 5」は、KDDIがモノビットと協力して制作しているVRコミュニケーションツールデモだ。VR空間内では、他のプレイヤーと会話をしたり、ダーツをしたりと、VRを使った未来というものを強く感じさせてくれるコンテンツだ。TGS2016でもお披露目され非常人気を博していた。体験の詳細はこちらから確認できる。
 

■関連サイト
 

モノビットエンジン公式サイト

モノビット公式サイト

monoAI technology株式会社
http://monobit.co.jp/

会社情報

会社名
monoAI technology株式会社
設立
2013年1月
代表者
代表取締役社長 本城 嘉太郎
決算期
12月
上場区分
東証グロース
証券コード
5240
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