【アクセルマーク決算説明会②】新作3タイトルの開発費用をこなして1Qは黒字計上 『ワクサガ』の繁体字圏配信開始は「2Q中の予定」(尾下社長)
アクセルマーク<3624>は、2月7日、東京都内で2017年9月期の第1四半期(10~12月)の決算説明会を開催した。説明会に先立って発表された第1四半期累計決算は、売上高10億3300万円(前々期比65.2%増)、営業利益4200万円(前年同期1700万円の赤字)、経常利益4400万円(同1700万円の赤字)、四半期純利益4000万円(同3300万円の赤字)と黒字転換を達成した。
説明会では、同社の尾下順治社長が第1四半期の業績概要と各事業の状況、そして第2四半期の業績予想の説明を行った。今回はその内容をまとめてみた。
■コンテンツ事業の譲渡の影響をモバイルゲーム事業の拡大でカバー
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第1四半期(10~12月)の売上高は前四半期比9.5%増となった。同社は前四半期にコンテンツ事業の譲渡を行っており、その減少分をモバイルゲーム事業の拡大で完全にカバーし、過去最高水準の売上高を達成した格好となっている。なお、各利益項目はそれぞれ黒字転換を達成した。「開発中の3タイトルへの先行投資が続くもそれを上回る利益を確保した」(尾下社長)とのことだ。
続いて損益計算書の四半期推移を見てみよう。前四半期との大きな違いは販売管理費、中でも広告宣伝費が大きく減少していることだ。これが四半期ベースでの黒字転換の要因の1つとも言えるが、前期の第3四半期以前と比べるとむしろ広告宣伝費は増加しており、前四半期に実施したTVCMなど大型のマーケティング活動が一巡し、収益性が正常化したとみるのが正解と言えそうだ。
次に各事業ごとの状況に目を移すと、まずはモバイルゲーム事業は、第1四半期期末時点で5タイトルの運用を行っている。これらは同社がパブリッシャーで売り上げがグロス計上となるものと、他社パブリッシャーで売り上げがネット計上となるものがあるが、単純に5タイトル分の売上推移をグロスで見てみても『ワールドクロスサーガ』のリリース以降、売り上げは一段伸びる格好となっている。
次に広告事業だが、こちらは主力の「ADroute」が新規媒体の獲得に成功するなど順調に拡大した。また、「BRAND SCREEN」は、新たに動画広告サービスをこの第1四半期から開始している。
さらに、同社は既存事業の周辺領域で新たな成長の軸を創出することを目指している。そうした展開の1つとして、ゲームキャラクターの衣装を製作・販売する「コスプレ事業」に参入する。そのサービス「coscrea(コスクレア)」は現在、ティザーサイトを公開しており、「まもなくサービス開始」(尾下社長)となる予定だ。
■コスプレ事業の先行投資や新作開発費用で2Qは赤字見込み
第2四半期期間(1~3月)の業績予想は、売上高は前四半期比0.7%増の予想ながら、営業利益は1700万円の赤字、経常利益は1900万円の赤字、四半期純利益は1700万円の赤字と各利益項目とも赤字となる見通し。
売上高は長期運用中のタイトルの売上は徐々に減少する見通しながらも堅調な推移となる見込み。一方で費用面では前述のコスプレ事業の先行投資のほか、モバイルゲーム事業で開発中の新作の開発段階が進んだことで、その開発費用が増加することが影響するとしている。
こうした状況下において、他社からの運用受託タイトルがサービス終了となる予定であり、この人的リソースの再配分などを進めていく方針だ。
なお、先日発表された『ワールドクロスサーガ』の繁体字圏(台湾・香港・マカオ)での配信は、「今のところ第2四半期中にリリースの予定」(尾下社長)としていた。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- アクセルマーク株式会社
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 松川 裕史
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高21億4400万円、営業損益9800万円の赤字、経常損益1億円の赤字、最終損益1億200万円の赤字(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3624