4月26日に発表したLINE<3938>の2017年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算(IFRS)は、売上収益389億円(前年同期比16.3%増)、営業利益40億円(同24.6%減)、最終利益14億円(同1億円の赤字)と最終黒字転換を達成した。
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LINE、1Qは売上高16%増、最終黒字転換を達成 パフォーマンス型広告の大幅な増加が続く コンテンツはゲームの新作少なく減収に
今回はLINEが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
まずは月次アクティブユーザー数(MAU)の推移を見ると、同社が事業を展開する主要4ヶ国(日本、台湾、タイ、インドネシア)において、この第1四半期も右肩上がりの成長トレンドを継続した。
次に売上収益を見ると、まずは日本国内と海外の売上比率は前年度の第4四半期から変化はなかった。四半期推移(QonQ)は、この四半期も増収トレンドとなったが、サービス別に見ると、広告サービスとコミュニケーションサービスは増収、コンテンツサービスは減収となっており、広告サービスの全体売上に対する比率は43%まで拡大した。
利益面については、QonQで営業利益、最終利益ともに増益となった。最終利益は3四半期連続(一時収益の影響を加味すると4四半期連続)の黒字計上となっている。ただし、同社は4月1日で本社を新宿に移転(関連記事)しており、続く第2四半期はその費用の計上なども予想されるところだろう。
続いて各サービス別の状況を見てみると、まずは広告サービスは、この四半期もLINE Ads PlatformによるタイムラインやLINE NEWSなどのパフォーマンス型広告が大きく伸びており、同サービスの売上全体の30%を占める水準となった。パフォーマンス型広告では、タイムライン上の動画広告が増加しているほか、ニュースタブの新設も売上の増加につながっているようだ。
次にコンテンツサービスは、緩やかな右肩下がりのトレンドが続いている。既存のゲームタイトルにおいて、マーケティングおよび有力IPとのコラボを実施したことで安定収益は確保したものの、この四半期にリリースされた新作ゲームタイトルはジープラとの共同開発タイトル『LINE ぷるぽん』のみであり、新たな積み上げがほとんどなかったことが影響しているものと思われる。
コミュニケーションサービスは、前年同期比で5%増、前四半期比で15%増と急回復し、過去最高の売上を達成した。プロモーション施策がスタンプの課金者数増加につながったとしており、第2四半期以降も好調を維持できるのか注目されるところだろう。
LINE FRIENDSやLINEバイト、LINE Pay、LINEモバイルなどその他サービスは、ほぼ横ばいの推移となった。昨年9月にMVNOサービスとしてLINEモバイルを開始し、大きく売上が拡大したが、その影響も一巡したとみることができそうだ。
この四半期は、広告サービスの好調持続とコミュニケーションサービスの急回復の半面、コンテンツサービスの売上が苦戦している。ちなみにコンテンツサービスでは、「LINEマンガ」や「LINE Music」の決済高は右肩上がりの状況となっており、これまでけん引役となっていたゲームコンテンツの回復に向けてどのような手を打つべきなのかは引き続き大きな課題となってきそうだ。
(編集部:柴田正之)
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LINE、1Qは売上高16%増、最終黒字転換を達成 パフォーマンス型広告の大幅な増加が続く コンテンツはゲームの新作少なく減収に
今回はLINEが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
■広告サービスの全体売上に対する比率は43%に拡大
まずは月次アクティブユーザー数(MAU)の推移を見ると、同社が事業を展開する主要4ヶ国(日本、台湾、タイ、インドネシア)において、この第1四半期も右肩上がりの成長トレンドを継続した。
次に売上収益を見ると、まずは日本国内と海外の売上比率は前年度の第4四半期から変化はなかった。四半期推移(QonQ)は、この四半期も増収トレンドとなったが、サービス別に見ると、広告サービスとコミュニケーションサービスは増収、コンテンツサービスは減収となっており、広告サービスの全体売上に対する比率は43%まで拡大した。
利益面については、QonQで営業利益、最終利益ともに増益となった。最終利益は3四半期連続(一時収益の影響を加味すると4四半期連続)の黒字計上となっている。ただし、同社は4月1日で本社を新宿に移転(関連記事)しており、続く第2四半期はその費用の計上なども予想されるところだろう。
■コンテンツサービスは右肩下がりのトレンドが続く
続いて各サービス別の状況を見てみると、まずは広告サービスは、この四半期もLINE Ads PlatformによるタイムラインやLINE NEWSなどのパフォーマンス型広告が大きく伸びており、同サービスの売上全体の30%を占める水準となった。パフォーマンス型広告では、タイムライン上の動画広告が増加しているほか、ニュースタブの新設も売上の増加につながっているようだ。
次にコンテンツサービスは、緩やかな右肩下がりのトレンドが続いている。既存のゲームタイトルにおいて、マーケティングおよび有力IPとのコラボを実施したことで安定収益は確保したものの、この四半期にリリースされた新作ゲームタイトルはジープラとの共同開発タイトル『LINE ぷるぽん』のみであり、新たな積み上げがほとんどなかったことが影響しているものと思われる。
コミュニケーションサービスは、前年同期比で5%増、前四半期比で15%増と急回復し、過去最高の売上を達成した。プロモーション施策がスタンプの課金者数増加につながったとしており、第2四半期以降も好調を維持できるのか注目されるところだろう。
LINE FRIENDSやLINEバイト、LINE Pay、LINEモバイルなどその他サービスは、ほぼ横ばいの推移となった。昨年9月にMVNOサービスとしてLINEモバイルを開始し、大きく売上が拡大したが、その影響も一巡したとみることができそうだ。
■ゲームコンテンツの回復に向けた施策が課題
この四半期は、広告サービスの好調持続とコミュニケーションサービスの急回復の半面、コンテンツサービスの売上が苦戦している。ちなみにコンテンツサービスでは、「LINEマンガ」や「LINE Music」の決済高は右肩上がりの状況となっており、これまでけん引役となっていたゲームコンテンツの回復に向けてどのような手を打つべきなのかは引き続き大きな課題となってきそうだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- LINE株式会社
- 設立
- 2019年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 出澤 剛/代表取締役 慎 ジュンホ