【Aiming決算説明会】『ログレス』反動減で売上減少 パイプラインは7~9本で新たに大手ゲーム会社との共同タイトル公表 2Qは広告宣伝費増加へ


Aiming<3911>は、4月28日、東京都内で2017年12月期の第1四半期(1~3月)の決算説明会を開催した。決算説明会に先立ち、同日発表された第1四半期連結決算は、売上高20億5800万円(前年同期比13.1%減)、営業損益1億3400万円の赤字(同3億2600万円の黒字)、経常損益1億2700万円の赤字(同3億3500万円の黒字)、四半期純損益1億2900万円の赤字(同2億1500万円の黒字)となった。

決算説明会では、同社の椎葉忠志代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■『ログレス』の売上反動減が響く 人材の新作開発へのシフト進む


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第1四半期は前四半期比で24.8%の減収となり、営業損益、経常損益、最終損益はいずれも前四半期の黒字から赤字に転落した。マーベラス<7844>との共同タイトルである『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下『ログレス』)が、前四半期は3周年記念施策や『Fate/EXTELLA』など他社IPとのコラボが奏功し、大きく回復していた反動が大きく、前四半期比で5億7100万円の売り上げ減となったことが影響している。
 

続いて費用の四半期推移に目を移すと、広告宣伝費が大幅に減少していることと、売上原価と販管費に分かれている人件費の比率が変化していることが今回の特徴だろう。広告宣伝費は期中にリリースした新作『ラピクロ』が当初サーバートラブルを起こしたこともあり、予定していたプロモーションを見送ったことなどが影響している。

一方、人件費については、同社は「開発中のタイトルは原価、運営中のタイトルは販管費で計上している」(椎葉社長)とのことで、つまり開発中のタイトルに人員をシフトしたことが数字となって表れているものと言える。
 

その従業員の推移を見ると、緩やかな増加傾向が続いているが、これは台湾とフィリピンの人員増によるものだ。台湾はグラフィック制作力の強化のためこれまで通り増強しており、フィリピンは今後の海外配信に向けて「ローカライズに力を入れるため」(同)に人員を増強したとのことだ。

国内に関しては微減となっており、サービスを終了した、もしくは終了するタイトルから開発中の新作に人材をシフトしたという状況と思われる。
 
 

■新作『ラピクロ』はサーバートラブルの影響で期待に達せず


主力タイトルの『ログレス』は前述のとおり、前四半期比で売り上げが大幅に減少した。ただし、ほぼ前四半期の施策実施前と同水準となっており、ある意味正常化した水準とも言えそうだ。

一方、DAU(日次アクティブユーザー数)は、「前四半期並みを維持」(同)しており、前四半期の施策の効果が継続している状況だ。これを維持しつつ、いかに課金ユーザーを増やしていけるかどうかが次の課題となってこよう。
 


また、期中は前述の『ラピクロ』と繁体字版『ぐるぐるイーグル』がサービスインとなった。『ラピクロ』は、前述のとおり、スタートでサーバートラブルを起こしたため、期待に達していないとのこと。一方、繁体字版『ぐるぐるイーグル』は、「今後台湾でサービスを提供する手応えを得られた」(同)とするなど、一定の成果を得ることができているようだ。
 
 

■大手ゲーム会社との大型MMORPG共同開発が明らかに IPタイトルは2本開発中


開発中の新作のパイプラインを見ると、オリジナルタイトルが4~6本、IPタイトルが2本、ライセンスインが1本となっている。オリジナルタイトルは、同社がフラッグシップタイトルと位置付ける『Caravan』のほか、英語版『ログレス』、そして今回新たに明らかになった大手ゲーム会社との共同タイトルの3本が今のところ公開されている情報だ。大手ゲーム会社との共同タイトルはジャンルは大型MMORPGとなっている。

IPタイトルは2本の開発が明らかになっており、こちらはゲーム系IPとアニメ系IPがそれぞれ使用されているとのこと。大型MMORPG、IPタイトル2本ともにIP2本も「大きな規模のタイトルで、収益に与える影響は同じくらいと考えている」(同)とのことだ。

ライセンスインは、現在事前登録を実施中の『ルナプリ from 天使帝國』(以下『ルナプリ』)で、こちらは4月12日時点で事前登録者数が35万人を突破している。
 


ちなみに現在、事前登録が実施されている『ルナプリ』と、CβTを実施中の英語版『ログレス』に続いて、リリースとなりそうなのは『Caravan』で、「特に開発遅れもなく順調に準備中」(同)としていた。
 

■新作プロモなど広告宣伝費の増加で2Qは赤字幅拡大の見込み


なお、同社は2017年12月期の連結業績予想は非開示としており、第2四半期の累計(1~6月)業績予想のみを開示。第2四半期は、売上高40億7800万円(前年同期比6.9%減)、営業損益5億8900万円の赤字、経常損益5億9100万円の赤字、最終損益5億9400万円の赤字の見込み。

第2四半期期間(4~6月)は、売上高20億1900万円(前四半期比1.8%減)、営業損益4億5500万円、経常損益4億6300万円、四半期純損益4億6500万円と赤字幅が大きく膨らむ予想となっているが、これは『ルナプリ』と英語版『ログレス』の新作タイトルプロモーションによる広告宣伝費の増加に加え、国内『ログレス』もIPコラボなどに向けて広告宣伝費が増えるためとしていた。
 
 
(編集部:柴田正之)