【ミクシィ決算説明会】第4四半期は最高業績 コラボやアニメ、イベント奏功し『モンスト』が力強く伸長 130億円の大型投資で今期は減益予想に




ミクシィ<2121>は、5月10日、東京都内で2017年3月期の決算説明会を開催した。説明会に先立って発表された通期の連結決算は、売上高2,071億円(前年同期比0.8%減)、営業利益890億円の黒字(同6.3%減)、経常利益884億円の黒字(同6.7%減)、四半期純利益598億円の黒字(同1.9%減)だった。
 


第4四半期(17年1~3月)の連結決算をみると、売上高は前四半期比(QonQ)13.9%増の641億7100万円、営業利益は同46.2%増の324億9700万円、経常利益は同45.5%増の324億100万円、四半期純利益は同31.4%増の210億300万円と、いずれも2ケタ超の増収増益を達成した。
 


説明会では、同社の萩野泰弘取締役が財務状況を説明、続いて森田仁基代表取締役社長(写真)が事業状況の説明を行い、その後質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子を取り上げていく。
 


 
■第4四半期の営業益は46%増の324億円とさらに拡大

まず、第3四半期(16年10~12月)の業績を振り返ろう。売上高がQonQ43.2%増の563億円、営業利益は同57.0%増の222億円と大きく伸びた。主力タイトルの『モンスターストライク』(『モンスト』)が国内において、高水準のアクティブユーザー数を安定的に継続したことが大きな要因となった。

続く第4四半期は、売上高は前四半期比(QonQ)13.9%増の641億7100万円、営業利益は同46.2%増の324億9700万円となった。『モンスト』を中心とするエンターテインメント事業の第4四半期(17年1~3月)の売上高が四半期ベースで初めて608億円を突破した。前四半期からさらに16%伸ばした。ゲームのアクティブユーザー数も過去最高を更新したとのこと。
 


森田社長は「第3四半期は、幽遊白書コラボや劇場版公開、年末年始キャンペーンなどで想定以上となったが、実はそこはピークではなく、第4四半期である1月にピークになるように設計していた」という。さらに年末年始イベントや、ファイナルファンタジーと映画ドラえもんとのコラボ、アニメ、イベントの拡充が奏功した、と説明した。
 
 
▲売上原価。人件費で賞与支給で一時的に増加した。またミューズコー社の株式譲渡により仕入れが減少(1月末時点で譲渡完了)
 
▲販管費。広告宣伝費が映像コンテンツ分野でyoutubeアニメの次クールが4月放送のため、広告宣伝費が下がった。アニメ費用は広告宣伝費に計上しているという。
 
▲メディアプラットフォーム事業については、安定したビジネスモデルを展開しているとコメント。2017年3月期においてはチケットキャンプが伸びた。新規事業も第1四半期に比べると、売上の積み上げができており、着実に伸びているという。


 
■エンターテインメントで130億円の投資

トピックスとしては、エンターテインメント領域で130億円の投資を行うことを明らかにした。ゲーム関連(モンスト)の企画に投資する。ユーザー還元施策が好評で、数字でも良い結果だったので、50億円程度の追加投資を行なう。具体例では4月から行っている「モンストミリオンくじ」「モンストグランプリ」などがあるという。
 

 
アニメ動画コンテンツへの投資も行う。youtubeアニメの投資効果は良好だったので、30億円程度を投資する。3D演出の追加などクオリティアップも行う。キャラクターのスピンオフタイトルのアニメ作品も展開する考えだ。
 

 
20億円をマーチャンダイジングに投資する。「XFLAGストアの開設や、モンスト物産展、モンストモールなどを通じて、地方のお客様へもアプローチしたい」。
 


このほか、モンスト以外の新規タイトルの創出に30億円投資する。複数タイトルを考えているが、直近で予定しているのはアジアを足がかりにグローバル展開を目指した「タッグバトルエンターテインメント」を今期中に出したいとのこと。
 


 
■メディアプラットフォームの取り組み

メディアプラットフォームで伸び盛りの「チケットキャンプ」は3月16日に会員数が300万人を突破した。作江年12月に月次流通総額は58億円と過去最高額となった。今期はスポーツ興行業界とのリレーションシップ構築に注力する計画。日ハムとの新しいチケット販売や、スポンサー活動によって、人々がライブエンタメに足を運びやすくなる試みを行っていく。
 


家族アルバム「みてね」は、国内でも引き続き増加傾向だが、海外展開・多言語化を予定している。「国を限定しないサービスだと考えているため、通用すると思っている。新しいビジネスモデルも構築していきたい」(森田社長)。
 


「minimo」は増加傾向なもののトップラインをまだまだあげられるため、5倍成長を目指す。
 


マッチング事業は子会社ダイバーズからいくつか提供しているが、ニーズが増えるとともに、競合も増えている状況にある。これらを伸ばしていく他に、各ライフスタイルに合わせた新しいサービスも出していく。
 


 
■18年3月期は減益予想 保守的に見たことと多額の投資を行なうため

なお、2018年3月期通期の連結業績予想については、売上高2000億円(前期比3.5%減)、営業利益700億円(同21.4%減)、経常利益700億円(同20.9%減)、当期純利益480億円(同19.8%減)の見込み。エンターテインメント事業で多額の投資を行うことに加え、『モンスト』が4年目を迎えるため、アクティブユーザー数が減少するという保守的な想定となっているという。
 


 
(編集部 木村英彦)
株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
企業データを見る