【gumi決算説明会】4Qは予想上回るも新作開発費で減収減益 続く1Qは『タガタメ』大型プロモと新作開発に注力、大型タイトル続々



gumi<3903>は、6月12日、2017年4月通期のアナリスト及び機関投資家向けの決算説明会を開催した。6月9日に発表した通期の連結決算は、売上高259億円(前の期比21.0%増)、営業利益16億円(前の期22億円の赤字)、経常利益17億円(同22億円の赤字)、最終利益13億円(同32億円の赤字)となり、大幅な黒字転換に成功した。
 

 
決算説明会に臨んだ國光宏尚社長は、「売上高、利益ともに予想を上回り、高水準の着地だった。2016年4月期以降のタイトルが寄与した。収益構造が大きく改善した結果」と総括した。そしてスマートフォンゲームの安定した収益基盤のうえに、VRと動画という成長分野への投資を継続することで、中長期的に高い成長を目指していく考えを示した。

昨今、VRでの取り組みが注目を集めるgumiだが、スマートフォンゲームについても『スマッシュ&マジック』や『ブレイブフロンティア2』『セレンシアサーガ』など新作情報が出てきた。「回収フェーズ」と同社では位置づけているが、先行投資が完了し、収益を稼ぎつつ、事業として成長するフェーズに入ったと理解すべきなのかもしれない。


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さて、今回の決算説明会レポートでは、第4四半期の業績を中心に見ていこう。

まず、第3四半期(16年11月~17年1月期)を振り返ろう。売上高74億4700万円(前四半期比25.2%増)、営業利益6億7600万円(同118.1%増)と大幅な増益を達成した。『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』のほか、『誰ガ為のアルケミスト』『クリスタル オブ リユニオン』といったタイトルが大きく成長し、売上高、利益ともに四半期ベースで過去最高の着地となった。
 


第4四半期(17年2~4月期)の業績を見ると、売上高72億0600万円(前四半期比で4.2%減)、営業利益4億0900万円(同39.5%減)と減収減益となった。季節要因による売上の減少に加え、新規タイトルの開発強化などに伴い人件費と外注費が増加したとのことだった。ただ、売上高、利益ともに当初の見通しを上回る着地となった。
 


減益要因となった人件費と外注費の推移は以下のとおり。人件費と外注費を足した「開発費」は新規タイトルの開発強化に伴い、前四半期比で2億5000万円の増加となった。人員数も増えており、国内外で41名の増加となった。特に海外部門が30名増えたが、韓国子会社が今夏リリース予定の新作や、『誰ガ為のアルケミスト』の海外展開に受けた開発が佳境に入っているためだろう。
 


大きなトピックスとしては広告宣伝費の適正化があげられる。売上高に対する広告宣伝費の比率は2015年4月期では20%を超えていたが、2016年4月期は16.5%に低下し、2017年4月期は10.3%に低下した。第4四半期にいたっては9.1%と10%を割り込んだ。「大型プロモーションが限定的だったことや、費用対効果の高いプロモーションが徹底できた」(同社COOの川本寛之氏)という。
 


続く2018年4月期の第1四半期(17年5~7月期)の業績予想は、売上高72億円(前四半比変わらず)、営業利益ゼロとした。業績予想の前提だが、売上高はほぼ横ばいとなる見通しだが、大型タイトルへの開発投資の継続に伴う外注費の増加、『誰ガ為のアルケミスト』のテレビCMの実施などに伴う広告宣伝費の大幅な増加を想定しているそうだ。人件費については横ばいとなる見通し。
 


新作のパイプラインは以下のとおり。合計7本あり、うちオリジナルタイトルは5本だった。この日発表となった『スマッシュ&マジック』などだが、世界的なヒットタイトルの続編『ブレイブフロンティア2』が入っていることも注目される。説明会で言及はなかったが、鋭意開発中とのこと。このほか、他社IP系については、こちらもすでに発表となった『セレンシアサーガ』、さらにgumiがパブリッシングを行うタイトル1本となっている。
 


なお、各タイトルの状況は以下のとおり。
 
株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
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