【AppAnnie調査】1時間あたりの平均アプリ支出額、他国を圧倒し日本が世界一に モバイルコマースがアプリ市場での最大の成長要因に

App Annieは、7月12日、アプリ市場の現状をアプリストア収益、 アプリ内広告、 およびモバイルコマースの3つの観点から分析し、 さらには2021年までを予測する『マネタイズモデル調査レポート』を公開した。


<サマリー>
■1時間あたりの平均支出額:日本は世界第1位で13ドル越え
■各マネタイズモデルの見通し
・アプリストア収益:中国の購買力のあるモバイルファーストな消費者が世界の成長を牽引
・アプリ内広告:アジア地域が急成長、 2021年までに25%成長で770億ドルに達する見込み
・モバイルコマース:アプリ市場の最大の成長要因!各国で止まらない急成長!
■国別の市場規模と総利用時間の推移


<以下、リリースより>
 


■1時間あたりの平均支出額:日本は世界トップで13ドル越え

 


商取引がモバイルアプリへと移行するのに伴い、 あらゆるカテゴリーにおける急成長が各国のマネタイズにはっきり現れています。 App Annieがデータを分析した結果、 アプリストア、 アプリ内広告、 およびモバイルコマースを合計した、 ユーザー1人あたりの1時間の世界平均支出額は、 2016年は0.80ドルでした。 

日本は2016年、 ユーザー1人あたりの1時間の平均支出額が13.98ドル、 アプリ利用時間の総計が680億時間超にのぼり、 世界をリードしました。 支出額は今後も伸び続け、 2021年も引き続きトップを維持する見込みです。 

日本の支出額が抜きん出ている理由は、 アプリストアとモバイルコマースにおける支出水準の高さが関係しています。 例えば日本のユーザーは2016年、 アプリストアにおけるデバイス1台あたりの平均支出額が123ドルでした。 これに対し、 日本に次いで高い国(シンガポールと韓国)でも、 支出額は1台あたり67ドルで、 日本は圧倒的に高い水準を誇っています。 

また、 日本は成熟した市場で1人あたりの所得高く、 ゲームアプリへの課金に対して前向きという特徴も影響しているでしょう。 


 

■各マネタイズモデルの見通し(アプリストア、 アプリ内広告、 モバイルコマース) 

 
▶アプリストア収益:中国の購買力のあるモバイルファーストな消費者が世界の成長を牽引


『2016~2021年アプリ市場予測レポート』紹介したように、 全モバイルアプリストアにおける消費者支出額は今後、 年平均18%で成長し、 2021年に1390億ドルに到達する見込みです。 iOS App Storeは単独では最大ストアの規模を保ち、 2021年には600億ドルを超えるでしょう。 

一方、 Google PlayとサードパーティのAndroidストアの合計額は、 2017年にiOS App Storeを抜く見込みです。 中国は、 若く、 豊かで、 モバイルファーストな消費者により、 世界の成長を牽引するでしょう。 中国のアプリストア支出は2021年に560億ドルを超えるとApp Annieは予測しています。 

また、 欧米の経済先進国の大半が、 様々な活動や消費者支出、 広告支出のモバイル移行において、 多くのアジア太平洋諸国に後れをとるでしょう。 欧米の市場は、 銀行取引、 送金、 食品購入、 高齢顧客層への富の集中といった旧来のシステムによる制約を受けている部分があります。 

これに対し、 アジア太平洋地域の発展途上国は、 中国のチャット大手WeChatに代表されるように、 インフラとアプリ利用習慣の構築が進んでおり、 旧来のシステムがアプリ市場の成長を制約することはほとんどありません。 

 
▶アプリ内広告:アジア地域が急成長、 2021年までに25%成長で770億ドルに達する見込み


一方、 アプリ内広告への全世界支出額は、 2016年の720億ドルから2021年には3倍近い2010億ドルに増える見込みです。 アジア太平洋地域は、 年平均25%で成長し、 770億ドルに達すると予想されます。 南北アメリカは引き続き単独では最大の地域として年平均26%で成長し、 850億ドルに達する見込みです。 

EMEAは、 年平均15%の成長で、 世界の平均成長率に届かないでしょう。 これは主に、 一部の市場における非効率性の増大と、 中東とアフリカの一部地域の消費者を狙った広告費の減少によるものです。 

 
▶モバイルコマース:世界の総支出額は2021年に6兆100億ドルに達する見込み


モバイルコマースは、 単独ではモバイルおよびアプリ市場の最大の成長要因であり、 経済活動がモバイルに移行していることを明確に示すものです。 2021年にかけて、 世界のモバイルコマースは他のマネタイズモデルを上回る年平均38%のペースで成長し、 世界のモバイルコマースへの支出額は、 ユーザー1人あたり344ドルから2021年には946ドルに増加するとApp Annieは予測しています。 

すでに述べたように、 アジア太平洋地域はモバイルへの移行が他の地域よりも急速に進んでいます。 2021年にかけても、 年平均36%の成長で収益額が3兆2000億ドルに達し、 単独でモバイルコマース収益の最大地域であり続けるでしょう。 

また、 その他の地域でも、 南北アメリカは現在、 モバイルコマースへの移行の真っ只中にあり、 年平均44%という驚異的な成長率で、 1兆7000億ドルを達成する見込みです。 さらに、 EMEAはほとんどの市場でモバイルへの移行が始まっており、 現在の規模は2100億ドルと相対的に小さいですが、 2021年にかけては最大の成長率で5倍近くに拡大し、 1兆ドルに到達するとみられます。 

 


■国別の市場規模と総利用時間の推移

 


世界のアプリ市場の支出額は、 2016年から2021年にかけて約5兆ドル拡大し、 ユーザー数は2016年の34億人から、 2021年には63億人と2倍近くに増加することが予測されます。 これは、 モバイルの普及とアプリ利用の拡大によるものです。

 


アプリの総利用時間はさらに成長が速く、 2016年の1兆6000億時間から、 2021年には3兆5000億時間に達するでしょう。 全世界のユーザー1人あたりの年間支出額は、 379ドルから1008ドルに増大します。 その成長の背景にあるのは技術革新と、 商取引のモバイルへの移行です。 

たとえば、 Alibabaは、 2017会計年度の同社の中国小売マーケットプレイスにおける取引額の79%をモバイルが占め、 2016会計年度の65%から増大したことを明らかにしています。 


 

■国別ハイライト 


▶中国
・2016年:モバイルユーザー数:8億人を超え、 利用時間は3900億時間越え。 
・所得が高い層はアプリやモバイル購入との極めて高い親和性。 
・デバイス経由で食料と雑貨を買う割合:約3倍
アプリを使って送金する割合:2倍
可処分所得の過半をモバイルに使う割合:4倍 ※米国消費者との比較

▶米国
・米国では消費者がアプリ内で支出する頻度と金額の増加傾向が強まる
・しかし食品、 衣料、 旅行の3分野をはじめとする一部の決済については、 他のチャネル(PC、 実店舗、 その他)を好む人が多い
・米国のユーザーは、 動画、 音楽、 スポーツ、 マッチング系、 教育、 仕事効率化などの非ゲーム系アプリに一定の時間を費やし、 支出に貢献している
・動画サービスのサブスクリプションが2015年後半に本格的に立ち上がる
→2016年はこれに牽引され非ゲーム系アプリ全体の消費者支出が17億ドル増加
・非ゲーム系アプリにおける広範な広告マネタイズで、 21%近い年平均成長率で広告市場全体を上回る


2021年までにモバイルデバイスの所有者は20億人近く増える見込みです。 アプリ市場の高成長を牽引するのは、 拡張現実、 モバイル決済、 5G、 UIとUXの改良、 そして人工知能です。 

日常生活におけるモバイルの重要性が絶えず増すなか、 あらゆる業界・企業によるモバイルへの投資、 特にアプリへの投資が増え、 アプリ市場の規模は次の5年で5兆ドル以上拡大し、 2021年には6兆ドル規模に達するでしょう。 あらゆる業界、 あらゆる国の企業に巨大なチャンスが生まれるのです。 


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