【ドリコム決算説明会】内藤社長「IPシフトの正しさ実感」 『みんゴル』『オレコレ』リリースも利益貢献は次の四半期から 当面は売上拡大を追求



ドリコム<3793>は、7月27日、第1四半期(4~6月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。発表した決算は、売上高25億7200万円(前四半期比[QonQ]で5.2%減)、営業利益3400万円(同91.6%減)、経常利益1700万円(同95.6%減)、最終損益400万円の赤字(前四半期3億9700万円の黒字)と減収・大幅な営業減益となった。

内藤裕紀社長(写真)は、「『ダービースタリオンマスターズ(ダビマス)』が好調だったほか、『ONE PIECEトレジャークルーズ(トレクル)』と『ジョジョの奇妙な冒険スターダストシューターズ(ジョジョSS)』が国内外で支持された。特に『トレクル』は3周年イベントが好調だった。IPタイトルは配信から3年経過しても順調な数字が出ている。IPシフトの正しさを実感している」と振り返った。
 


 

■第1四半期は『ダビマス』広告宣伝強化で営業減益に


まず、前4四半期(1~3月)を振り返ろう。売上高がQonQで19.4%増の27億1200万円、営業利益が営業利益が同176.4%増の4億1600万円と大幅な伸びだった。『ダビマス』がリリース以来、四半期ベースで初のフル寄与したほか、『トレクル』と『ジョジョSS』も国内外で好調だった。利益面では、さらに競馬のオフシーズンだったこともあり、広告宣伝費を減らしたことも大きな増益要因だった。
 


続く4~6月期は、売上高25億7200万円(前四半期比[QonQ]で5.2%減)、営業利益3400万円(同91.6%減)だった。『ダビマス』については、この四半期では、『ダビスタ』ファンから競馬ファンに向けたプロモーション活動を展開したため、広告宣伝費が利益を圧迫した。また採算性の高い他社配信アプリの比率が低下し、自社配信アプリの売上比率が上がったことも収益を抑える要因となった。
 


内藤社長は、『ダビマス』のプロモーションについては春のG1シーズンに合わせてプロモーションを実施したが、「新規ユーザーの獲得に一定の効果はあったものの、期待したほどではなかった」とコメントした。『ダビスタ』ファンと競馬ファンでは異なるということか。今後は、『ダビスタ』ファンを含む既存のユーザーに焦点を当て、満足度を高めるようなプロモーションを行っていく考えだ。
 


 

アプリ開発の会計処理方法を変更…他社案件では費用先行に


また、アプリ開発の費用計上の方法についても、今回、改めて説明した。同社では、以前は、アプリ開発の費用については、労務費と外注費として「費用」に計上していたが、他社パブリッシング案件や他社と組む製作委員会的な取り組みが増えたこともあって、棚卸資産とソフトウェア資産として、いわば「資産」に計上する会計処理になっていると述べた。

自社タイトルはソフト資産としリリース後に1年かけて償却するが、他社パブリッシングは棚卸資産とし、リリース後に売上と費用を一括計上して相殺する。ただリリース遅延などの場合、費用が多めに計上される。後者は受託の完成基準と似た会計処理だ。またリリース時に広告宣伝費を建て替えることもあるため、リリースした四半期は費用が多めに計上され、次の四半期から利益貢献すると説明した。
 


このほか、新規タイトルや新規事業について別途、記事にしているのでそちらを参照のこと。

 

最後に、第2四半期累計(4~9月)の業績については、売上高35億2800万円(前四半期比37.1%増)、営業利益1600万円(同52.9%減)、経常損益6700万円の赤字(前四半期1700万円の黒字)、最終損益4600万円の赤字(同400万円の赤字)と増収・営業減益を見込む。『オレコレクション』と『みんゴル』が売上が寄与する。利益面では『ダビマス』の広告宣伝費を抑制することが増益要因だが、先述のように、新作に絡む費用が先行で発生するとのこと。全体としては保守的に立てたようだ。
 
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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