“RAGE 2017 Winter”王者のhasu選手が出演した「シャドバ道場」をレポート…弱冠16歳のニュースターに迫るインタビューも公開
CyberZは、12月14日、同社が提供するゲーム動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」において、「シャドバ道場」の生放送を実施。今回は、12月10日に開催された“RAGE 2017 Winter”のファイナリストから、優勝者のhasu選手、ファイナリストのソルト選手、カイト選手が出演し、大会の振り返りや使用デッキの解説を行った。
本稿では、番組のレポートと共に“RAGE 2017 Winter”王者であるhasu選手へのインタビューも合わせてお届けしていく。
▼番組は下記より視聴可能
【hasu選手登場!!】シャドバ道場 RAGE 2017 winter Review
▲写真左から順に、MCのkuroebiさん、ゲストのソルト選手(RAGE 2017 winter 3位)、hasu選手(RAGE 2017 winter 優勝)、カイト選手(RAGE 2017 winter 4位)、MCのぽるんがさん。
最初に振り返りが行われたのは、みずせ選手(ドラゴン)vsカイト選手(ドラゴン)の1回戦 第5試合。今大会でも、やはりドラゴンはひとつ注目のリーダーでもあったことから、カイト選手はドラゴン同士のミラーマッチの際に有用な「連なる咆哮」や「オーディン」を採用していたことがポイントとなった。試合においてもここが決め手となり、カイト選手の「オーディン」がみずせ選手の「ウロボロス」を消滅させたことがひとつの決め手となった。
BO5においてドラゴンを使用するかどうかの意見も各選手様々で、カイト選手のようにミラーマッチを意識した構成もあれば、ソルト選手のようにミラーマッチが厳しくはなるが、他のリーダーに全力で勝利を狙いにいける構成、hasu選手のように自身はドラゴンを使わず、ドラゴンを倒すことを意識したデッキ構築を行うパターンが見られた。
続いては、ソルト選手(ウィッチ)vs紅茶/PaR選手(ドラゴン)の準決勝 第2回戦 第5試合。こちらは、場のアミュレット「土の印」を消費することで発動する効果「土の秘術」を軸に据えたウィッチをソルト選手が使用した試合だ。このタイプのデッキには珍しく「双璧の召喚」というカードを採用していたソルト選手は、1回戦で対戦することになるSOS選手がアグロエルフを使用してくるのではないかと予測し、その対策として採用したと理由を語った。
試合についてソルト選手は、序盤から理想的な展開ができていたものの、終盤に紅茶/PaR選手が「サタン」をプレイしたことから相手の手札が読めなくなり、後に「ゼウス」や「バハムート」といった強力なカードが控えているのではないかと考えたことから攻める行動が取れなくなってしまったことが敗因となったと心境を明かした。
ここからは、カイト選手(エルフ)vsソルト選手(エルフ)による3位決定戦 第5試合の振り返りへ。同じエルフではあるものの、カイト選手は「リノセウス」コンボでの大ダメージを軸とするOTKエルフ、ソルト選手はニュートラルカードを活かした効果で戦うエルフと、デッキタイプは異なる。デッキ選択に関してソルト選手は、ここでもやはり初戦で必ず対戦するSOS選手を意識しての構成となったとのことで、アグロエルフに強く、コントロール系のデッキにも勝てる可能性のあるニュートラルエルフを最初に選択し、他のデッキを決めていったと経緯を話した。
互いに敗れた後の3位決定戦とのことで、カイト選手が「切り替えようと思っていても上手く切り替えられていなかったです」と話すと、ソルト選手も「5連戦の後の5連戦だったので実質10連戦でヤバかったです……」とコメントした。特に、今回は準決勝に勝利すれば「RAGE Shadowverse World Grand Prix(WGP)」の出場権が得られたこともありメンタル面での難しさがあったようだ。
そして最後にhasu選手vs紅茶/PaR選手の決勝戦から第2・3試合をhasu選手が振り返る。
まず、第2試合で使用したビショップに関しては、普段なら「気高き教理」を2枚にして事故率を下げるが、こと今大会に関しては引きたい場面が多くなると見越しての3枚採用だったと狙いを話す。
試合では、紅茶/PaR選手のドラゴンが「サハクィエル」などを採用しておらず7~8PPで強い動きをするのが難しい、また10PPに到達してしまうと強力なカードが多く積まれているといった点から、なるべくPPブーストはさせないように意識して立ち回っていたとのこと。
そして最終戦となった第3試合では、hasu選手がエルフ、紅茶/PaR選手がドラゴンを選択。hasu選手が3コストのフォロワーとして「エンシェントエルフ」ではなく、「魔族の少年・ザイン」を採用したのは、「エンシェントエルフ」だと場のフォロワーが手札に戻ってしまい横の展開ができないのに対して、「魔族の少年・ザイン」なら場にフォロワーを5体並べたうえで「妖精の調べ」で強化に繋げられると語った。
試合もhasu選手の狙い通り4ターン目から強力なフォロワーが大量に並ぶ展開となり、見事に差し切りで優勝となった。
番組の最後に『シャドウバース』へのモチベーションを問われたカイト選手は「RAGEに参加したことでモチベーションはどんどん上がっています」とコメント。ソルト選手も「普段『シャドウバース』をプレイしても、こういった熱い試合は中々経験できないので、良い試合ができたことで自分のモチベーションも上がって、今後も頑張っていこうと思いました」と語った。
一方、12月23・24日の世界大会「RAGE Shadowverse World Grand Prix(WGP)」を控えたhasu選手は「まずはDay1を抜けられるように調整していきますので、24日のGRAND FINALSに出られるよう、みなさん応援をよろしくお願いします」と意気込みを述べた。
さて、ここからは番組終了後にhasu選手へインタビューする機会をいただけたので、これまでのカードゲーム歴や大会に臨むにあたって心掛けていること、デッキ構築やプレイングの際に気を付けている点などのお話を伺ってきた。
――:まず始めにhasu選手のカードゲーム歴を教えてください。
hasu選手:小学校低学年の頃に、従兄から「遊戯王」のカードを譲ってもらったのがカードゲームを始めたきっかけでした。その後、中学生になった辺りで店舗大会などにも参加するようになり、そこで周りにいる大人の方々と交流をしてどんどん腕を磨いていきました。最もメインで遊んでいたのは、エクシーズ召喚が登場した「遊☆戯☆王ゼアル」の頃ですね。
――:ちなみに、カードゲームのどういった部分に惹かれたのでしょうか?
hasu選手: 選手それぞれにカードの握り方や出し方といった特徴があり、それによって各々の性格が表れるところや、対戦相手との駆け引きが面白いです。カード同士ではなく、プレイヤー同士が戦っているという感じがします。
そういった意味では、RAGEは予選から対戦相手が目の前にいて対戦できたことがすごく楽しかったです。
――:RAGEに出場したきっかけを教えてください。
hasu選手:前回までは18歳未満はエントリーできなかったのですが、今大会から16歳以上が出場可能となったので、学校の友人と話して「これは出るしかない!」となりました。
――:普段は誰と『シャドウバース』を遊ぶことが多いですか?
hasu選手:友人と遊ぶことが多いです。ランクマッチもプレイはしていますが、先ほど話した通り、僕は人と対面して戦うことが好きなので、友人とルームマッチをして対戦後に感想を話し合うのが楽しいですね。
――:『シャドウバース』は1日にどれくらいプレイされているのでしょうか。
hasu選手:部活や勉強もあるので、学校の休み時間や家でのプレイ時間を合わせても2時間ほどしか取れなくて……。ただ、家ならプレイ時間を減らしてでも、今までのRAGEを見たり、上手い方の配信を見て考え方を聞いたりする方が良いと思います。
――:デッキ構築に関して気を付けておられる点を教えてください。
hasu選手:既に出回っているレシピに頼ってしまうと、デッキを作った人にしか分からないこともあるので、デッキは一から組み上げるのが好きです。自分で一から作ることで「このカードはこういうときに欲しい」ということも分かります。デッキを作るのは楽しい作業でもありますので、楽しみながらデッキを作ると自分に合ったものが完成すると思います。
――:デッキを作る際は、まずどういったことから考え始められるのでしょうか。
hasu選手:デッキを作る際、僕は勝ちパターンを何種類か用意したいと考えているのですが、まずはそのデッキの勝ちパターンを考えるところから始まります。そこから、自分が考えた勝ちパターンに合ったカードを1度集めて減らしていきます。その中でさらに残ったカードから「Aというカードが多いなら、Aに相性が良いカードを入れよう」という流れで調整をしていきます。
――:プレイングに関して気を付けている点はありますか?
hasu選手:カードゲームでは、よく「最適解を出した方が勝つ」と言われているのですが、最適解というのはその時々で異なるので数をこなして経験を積むことが大事です。ひとつ、短い時間でプレイングを身に付けるという意味では、ひとりでランクマッチをプレイするより、試合後に答え合わせができる相手とルームマッチをする方が効率は良いと思います。
――:“RAGE 2017 Winter”に優勝して周りの反応はいかがですか?
hasu選手:周りから「おめでとう」と言ってもらえました。
――:大会後、ご自身のブログでもプレイングや環境分析、対策についても公開されていますが、元々文章を書くことはお好きだったのでしょうか?
hasu選手:好きというよりは、頭の中に入り切らなくなったときに紙に書き起こすようにしています。そのメモが残っていたおかげでブログも書きやすかったです。
――:RAGEのような大型大会を勝ち抜くポイントとして、どういったことを意識されていたのでしょうか。
hasu選手: まず予選は誰と当たるか分からないので、大きな範囲で捉えた方が良いと思います。そのため、どんな相手と当たっても勝てるデッキを意識しました。
一方、GRAND FINALSは出場選手が限られているのでもっと小さい規模で捉えなければいけません。安定して勝ちを狙いにいくより照準を絞ったデッキでないと勝てないと思います。
なので、そもそも予選と本戦では全然違うということを意識しなければ、予選は勝ち残れても本戦で結果が出なかったり、本戦で勝てる力を持っていても予選で敗れてしまったりしてしまいます。過去のGRAND FINALSでは普段勝てるデッキとは異なるデッキが勝ち上がったりもしていたので、そこの区別は考えた方が良いと思います。
あとは、勝ち上がってくる人には似たような考え方を持っている方が多い傾向があります。実際、今回の対戦相手の方々も過去のファイナリストと似ている部分があるので、しっかりと人を見ておくことも大事です。
――:ちなみに、hasu選手はどういったところを見ておられたのでしょうか?
hasu選手:安定感を求める方、賭けに出て勝つことを好む方など、プレイヤーのタイプはいくつかに分けられます。どの人がどのタイプに属しているかは理解しておいた方が良いと思います。逆に、自分は大会の環境に合わせてどのタイプにもなれるようにしています。
――:人と人の戦いという部分は正にe-Sportsだと感じますね。
hasu選手:外からは見え辛い部分もあると思いますが、中では心理戦が行われているなど、間違いなく見た目以上の戦いが発生しています。今後、ゲームの世界でプロになる方が増えれば意識も向上すると思いますし、トレーニングが必要になるという意味でもスポーツと比べても遜色がないところまでいけるのではないでしょうか。
――:では最後に、hasu選手にとって『シャドウバース』とは。
hasu選手:これからが楽しみなカードゲームです。
今後さらに強い選手が現れることで様々な部分に人と人の掛け合いが生まれるので、僕が考えるカードゲームの楽しみがより密なものになり、もっと面白くなっていくのではないかと思います。
――:本日はありがとうございました。
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本稿では、番組のレポートと共に“RAGE 2017 Winter”王者であるhasu選手へのインタビューも合わせてお届けしていく。
▼番組は下記より視聴可能
【hasu選手登場!!】シャドバ道場 RAGE 2017 winter Review
▲写真左から順に、MCのkuroebiさん、ゲストのソルト選手(RAGE 2017 winter 3位)、hasu選手(RAGE 2017 winter 優勝)、カイト選手(RAGE 2017 winter 4位)、MCのぽるんがさん。
最初に振り返りが行われたのは、みずせ選手(ドラゴン)vsカイト選手(ドラゴン)の1回戦 第5試合。今大会でも、やはりドラゴンはひとつ注目のリーダーでもあったことから、カイト選手はドラゴン同士のミラーマッチの際に有用な「連なる咆哮」や「オーディン」を採用していたことがポイントとなった。試合においてもここが決め手となり、カイト選手の「オーディン」がみずせ選手の「ウロボロス」を消滅させたことがひとつの決め手となった。
BO5においてドラゴンを使用するかどうかの意見も各選手様々で、カイト選手のようにミラーマッチを意識した構成もあれば、ソルト選手のようにミラーマッチが厳しくはなるが、他のリーダーに全力で勝利を狙いにいける構成、hasu選手のように自身はドラゴンを使わず、ドラゴンを倒すことを意識したデッキ構築を行うパターンが見られた。
続いては、ソルト選手(ウィッチ)vs紅茶/PaR選手(ドラゴン)の準決勝 第2回戦 第5試合。こちらは、場のアミュレット「土の印」を消費することで発動する効果「土の秘術」を軸に据えたウィッチをソルト選手が使用した試合だ。このタイプのデッキには珍しく「双璧の召喚」というカードを採用していたソルト選手は、1回戦で対戦することになるSOS選手がアグロエルフを使用してくるのではないかと予測し、その対策として採用したと理由を語った。
試合についてソルト選手は、序盤から理想的な展開ができていたものの、終盤に紅茶/PaR選手が「サタン」をプレイしたことから相手の手札が読めなくなり、後に「ゼウス」や「バハムート」といった強力なカードが控えているのではないかと考えたことから攻める行動が取れなくなってしまったことが敗因となったと心境を明かした。
ここからは、カイト選手(エルフ)vsソルト選手(エルフ)による3位決定戦 第5試合の振り返りへ。同じエルフではあるものの、カイト選手は「リノセウス」コンボでの大ダメージを軸とするOTKエルフ、ソルト選手はニュートラルカードを活かした効果で戦うエルフと、デッキタイプは異なる。デッキ選択に関してソルト選手は、ここでもやはり初戦で必ず対戦するSOS選手を意識しての構成となったとのことで、アグロエルフに強く、コントロール系のデッキにも勝てる可能性のあるニュートラルエルフを最初に選択し、他のデッキを決めていったと経緯を話した。
互いに敗れた後の3位決定戦とのことで、カイト選手が「切り替えようと思っていても上手く切り替えられていなかったです」と話すと、ソルト選手も「5連戦の後の5連戦だったので実質10連戦でヤバかったです……」とコメントした。特に、今回は準決勝に勝利すれば「RAGE Shadowverse World Grand Prix(WGP)」の出場権が得られたこともありメンタル面での難しさがあったようだ。
そして最後にhasu選手vs紅茶/PaR選手の決勝戦から第2・3試合をhasu選手が振り返る。
まず、第2試合で使用したビショップに関しては、普段なら「気高き教理」を2枚にして事故率を下げるが、こと今大会に関しては引きたい場面が多くなると見越しての3枚採用だったと狙いを話す。
試合では、紅茶/PaR選手のドラゴンが「サハクィエル」などを採用しておらず7~8PPで強い動きをするのが難しい、また10PPに到達してしまうと強力なカードが多く積まれているといった点から、なるべくPPブーストはさせないように意識して立ち回っていたとのこと。
そして最終戦となった第3試合では、hasu選手がエルフ、紅茶/PaR選手がドラゴンを選択。hasu選手が3コストのフォロワーとして「エンシェントエルフ」ではなく、「魔族の少年・ザイン」を採用したのは、「エンシェントエルフ」だと場のフォロワーが手札に戻ってしまい横の展開ができないのに対して、「魔族の少年・ザイン」なら場にフォロワーを5体並べたうえで「妖精の調べ」で強化に繋げられると語った。
試合もhasu選手の狙い通り4ターン目から強力なフォロワーが大量に並ぶ展開となり、見事に差し切りで優勝となった。
番組の最後に『シャドウバース』へのモチベーションを問われたカイト選手は「RAGEに参加したことでモチベーションはどんどん上がっています」とコメント。ソルト選手も「普段『シャドウバース』をプレイしても、こういった熱い試合は中々経験できないので、良い試合ができたことで自分のモチベーションも上がって、今後も頑張っていこうと思いました」と語った。
一方、12月23・24日の世界大会「RAGE Shadowverse World Grand Prix(WGP)」を控えたhasu選手は「まずはDay1を抜けられるように調整していきますので、24日のGRAND FINALSに出られるよう、みなさん応援をよろしくお願いします」と意気込みを述べた。
さて、ここからは番組終了後にhasu選手へインタビューする機会をいただけたので、これまでのカードゲーム歴や大会に臨むにあたって心掛けていること、デッキ構築やプレイングの際に気を付けている点などのお話を伺ってきた。
――:まず始めにhasu選手のカードゲーム歴を教えてください。
hasu選手:小学校低学年の頃に、従兄から「遊戯王」のカードを譲ってもらったのがカードゲームを始めたきっかけでした。その後、中学生になった辺りで店舗大会などにも参加するようになり、そこで周りにいる大人の方々と交流をしてどんどん腕を磨いていきました。最もメインで遊んでいたのは、エクシーズ召喚が登場した「遊☆戯☆王ゼアル」の頃ですね。
――:ちなみに、カードゲームのどういった部分に惹かれたのでしょうか?
hasu選手: 選手それぞれにカードの握り方や出し方といった特徴があり、それによって各々の性格が表れるところや、対戦相手との駆け引きが面白いです。カード同士ではなく、プレイヤー同士が戦っているという感じがします。
そういった意味では、RAGEは予選から対戦相手が目の前にいて対戦できたことがすごく楽しかったです。
――:RAGEに出場したきっかけを教えてください。
hasu選手:前回までは18歳未満はエントリーできなかったのですが、今大会から16歳以上が出場可能となったので、学校の友人と話して「これは出るしかない!」となりました。
――:普段は誰と『シャドウバース』を遊ぶことが多いですか?
hasu選手:友人と遊ぶことが多いです。ランクマッチもプレイはしていますが、先ほど話した通り、僕は人と対面して戦うことが好きなので、友人とルームマッチをして対戦後に感想を話し合うのが楽しいですね。
――:『シャドウバース』は1日にどれくらいプレイされているのでしょうか。
hasu選手:部活や勉強もあるので、学校の休み時間や家でのプレイ時間を合わせても2時間ほどしか取れなくて……。ただ、家ならプレイ時間を減らしてでも、今までのRAGEを見たり、上手い方の配信を見て考え方を聞いたりする方が良いと思います。
――:デッキ構築に関して気を付けておられる点を教えてください。
hasu選手:既に出回っているレシピに頼ってしまうと、デッキを作った人にしか分からないこともあるので、デッキは一から組み上げるのが好きです。自分で一から作ることで「このカードはこういうときに欲しい」ということも分かります。デッキを作るのは楽しい作業でもありますので、楽しみながらデッキを作ると自分に合ったものが完成すると思います。
――:デッキを作る際は、まずどういったことから考え始められるのでしょうか。
hasu選手:デッキを作る際、僕は勝ちパターンを何種類か用意したいと考えているのですが、まずはそのデッキの勝ちパターンを考えるところから始まります。そこから、自分が考えた勝ちパターンに合ったカードを1度集めて減らしていきます。その中でさらに残ったカードから「Aというカードが多いなら、Aに相性が良いカードを入れよう」という流れで調整をしていきます。
――:プレイングに関して気を付けている点はありますか?
hasu選手:カードゲームでは、よく「最適解を出した方が勝つ」と言われているのですが、最適解というのはその時々で異なるので数をこなして経験を積むことが大事です。ひとつ、短い時間でプレイングを身に付けるという意味では、ひとりでランクマッチをプレイするより、試合後に答え合わせができる相手とルームマッチをする方が効率は良いと思います。
――:“RAGE 2017 Winter”に優勝して周りの反応はいかがですか?
hasu選手:周りから「おめでとう」と言ってもらえました。
――:大会後、ご自身のブログでもプレイングや環境分析、対策についても公開されていますが、元々文章を書くことはお好きだったのでしょうか?
hasu選手:好きというよりは、頭の中に入り切らなくなったときに紙に書き起こすようにしています。そのメモが残っていたおかげでブログも書きやすかったです。
――:RAGEのような大型大会を勝ち抜くポイントとして、どういったことを意識されていたのでしょうか。
hasu選手: まず予選は誰と当たるか分からないので、大きな範囲で捉えた方が良いと思います。そのため、どんな相手と当たっても勝てるデッキを意識しました。
一方、GRAND FINALSは出場選手が限られているのでもっと小さい規模で捉えなければいけません。安定して勝ちを狙いにいくより照準を絞ったデッキでないと勝てないと思います。
なので、そもそも予選と本戦では全然違うということを意識しなければ、予選は勝ち残れても本戦で結果が出なかったり、本戦で勝てる力を持っていても予選で敗れてしまったりしてしまいます。過去のGRAND FINALSでは普段勝てるデッキとは異なるデッキが勝ち上がったりもしていたので、そこの区別は考えた方が良いと思います。
あとは、勝ち上がってくる人には似たような考え方を持っている方が多い傾向があります。実際、今回の対戦相手の方々も過去のファイナリストと似ている部分があるので、しっかりと人を見ておくことも大事です。
――:ちなみに、hasu選手はどういったところを見ておられたのでしょうか?
hasu選手:安定感を求める方、賭けに出て勝つことを好む方など、プレイヤーのタイプはいくつかに分けられます。どの人がどのタイプに属しているかは理解しておいた方が良いと思います。逆に、自分は大会の環境に合わせてどのタイプにもなれるようにしています。
――:人と人の戦いという部分は正にe-Sportsだと感じますね。
hasu選手:外からは見え辛い部分もあると思いますが、中では心理戦が行われているなど、間違いなく見た目以上の戦いが発生しています。今後、ゲームの世界でプロになる方が増えれば意識も向上すると思いますし、トレーニングが必要になるという意味でもスポーツと比べても遜色がないところまでいけるのではないでしょうか。
――:では最後に、hasu選手にとって『シャドウバース』とは。
hasu選手:これからが楽しみなカードゲームです。
今後さらに強い選手が現れることで様々な部分に人と人の掛け合いが生まれるので、僕が考えるカードゲームの楽しみがより密なものになり、もっと面白くなっていくのではないかと思います。
――:本日はありがとうございました。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
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会社情報
- 会社名
- 株式会社CyberZ
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 山内 隆裕
- 決算期
- 9月