Supercellは8月3日に、同社が配信する『クラッシュ・ロワイヤル』のプロリーグ「クラロワリーグ アジア」の、1stシーズンを振り返ることを目的とした「クラロワリーグ アジアぶっちゃけ座談会」を開催した。
「クラロワリーグ アジア」は、7月15日のファイナルをもって1stシーズンを終了した。8月24日を予定している2ndシーズン開幕の前に、1stシーズンの内容を振り返りつつ、シーズンを通しての成果や、今後の課題について聞いていこうというのが、この度開かれた「クラロワリーグ アジアぶっちゃけ座談会」の趣旨となる。
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まずは、各チーム順に登壇しての会見が行われた。ここでは、チーム視点で1stシーズンを振り返ってみての感想と、プロゲーマーとなって1シーズンを戦い抜いた感想や意識の変化について聞かれた。会見に参加した各チームのメンバー紹介とともに、コメントを掲載していく。
●DetonatioN Gaming
▲左から天ぷら選手、koo選手、ピラメキ選手。
──:1stシーズンを振り返ってみていかがですか?
ピラメキ:個人的には、毎回相手チームに合わせた対策をしなくてはいけないのは非常に難しいことだと感じました。チームとしては、相手チームを想定した実戦練習を多く取り入れることを心がけましていましたが、1stシーズンでは反省点も多く見つかったので、それらを2ndシーズンに活かしていきたいです。
──:プロ選手として活動してみての感想や、苦労した点はありますか?
ピラメキ:メンタル面が強くなったと感じています。試合に負けると非常に悔しくて、次は勝とうという強い思いを持って練習にのぞめるようになりました。プロになってからは練習量も増えて使えるデッキの幅が広がったので、そういった意味でも成長できたと思います。
koo:自分は1stシーズンでは2on2で多く出場しました。プロになる以前は協力バトルをあまりプレイしたことがなく、プロになってから練習するようになりました。あとは、東京や海外に頻繁に行くようになり、アウェイな環境で自分の力を出すのは難しかったですが、そこについても成長できたかなと思います。
──:2ndシーズンに向けての意気込みをお願いします。
天ぷら:1stシーズンではなかなか勝ちきれずに終わってしまったので、2ndシーズンでは最初の日本戦で全勝するぐらいの気持ちで勝ち続け、優勝を目指したいと思います。
●FAV gaming
▲前列が左からけんつめし選手、RAD選手、OZ選手。後列が左から焼き鳥選手、だに選手。
──:1stシーズンを振り返ってみていかがですか?
けんつめし:FAV gamingは、去年の個人戦で好成績をおさめたRAD選手を含めて、有名な選手が多いこともあり、結成時から人気があって、優勝候補という期待を背負いながらの戦いになりました。優勝を目標に全勝目指してチーム一丸となっていましたが、なかなか思うように結果が出ず、チーム内で意見をぶつけ合うこともありました。そういった負けの経験から、チームとしてコミュニケーションを取ることを学べた大事なシーズンだったと思います。
──:プロ選手として活動してみての感想や、苦労した点はありますか?
RAD:ゲームとの向き合い方が変わりました。プロは結果を残すことが仕事なので、最大限の努力はお怠りたくないと思ったことから、他のゲームはプレイしなくなり、『クラワ』一筋になりました。また、お金をもらう立場なので責任感を持って取り組むようになりました。
OZ:RAD選手と同様に、今まで趣味とやっていたものが仕事になり、楽しいだけでなく結果を求められるようになり、そういう面では本気で取り組むようになりました。今は大学に通っていますが、そこでも『クラロワ』のことを考えていて、本当に生活がクラロワに染まったなと思います。
──:2ndシーズンに向けての意気込みをお願いします。
けんつめし:1stシーズンでは敗北から十分に学んだので、2ndシーズンは勝利だけを見据えて、チーム内でも厳しいことを言い合ったり、自分自身で何ができるかを考え、監督含め一丸となって、全員で楽しみながら後悔のないように頑張りたいと思います。
●Gamewith
▲左からKK19212選手、shun選手、アマテラス選手。
──:1stシーズンを振り返ってみていかがですか?
アマテラス:シーズン開始当初は経験が少ない選手も多かったですが、リーグを通して緊迫した試合を経験したことで場慣れして、メンタル面で強くなったと思います。決勝では負けてしまいましたが、大勢の観客の前での戦いという経験ができたので、2ndシーズンで活かせればいいなと思います。
──:プロ選手として活動してみての感想や、苦労した点はありますか?
アマテラス:僕はもともと人前で話しをすることは苦手でしたが、自分の考えを話したりする能力は付いたと感じています。
KK19212:プロになる前はひとつのデッキしか使っていなくて、それを極めて勝てればいいなと思っていました。ですが、トッププレイヤーとの戦いでは対策を立てられたら勝てないということがわかってしまいました。それでもプロとして結果を残さないといけないので、他のデッキ練習して、デッキの幅を増やすよう意識するようになりました。
──:2ndシーズンに向けての意気込みをお願いします。
shun:1stシーズンでは、優勝を目前にして負けてしまったということで後悔は強いです。ただ、その試合で学んだことは大きいと思っているので、2ndシーズンでも決勝の舞台に立ち、次こそは優勝できたらいいなと思っています。
●PONOS Sports
▲前列左からみかん坊や選手、フチ選手、後列は左からライキジョーンズ選手、天GOD選手。
──:1stシーズンを振り返ってみていかがですか?
みかん坊や:試合に向けての練習でお互いに意見を出し合うことで、技術面だけでなく人間としても成長できたと思いますし、1stシーズンを通して、4人それぞれが成長したと思っています。優勝できたことは本当にうれしくて、僕たちはワイルドカードトーナメントから負けられない戦いを続けてきたので、優勝した瞬間は今までに経験したことがないぐらい嬉しくて、今でも思い出して泣きそうになるぐらいです。2ndシーズンも勝って嬉し泣きするぐらい全力で喜びたいと思います。
──:プロ選手として活動してみての感想や、苦労した点はありますか?
ライキジョーンズ:以前の記者会見でも言いましたが、自分は1年間土木の仕事についていて、そこを辞めてプロ入りしました。ほぼ真逆の職種に就いたので、慣れないことも多かったです。シーズン終盤の2週間は韓国に滞在して、いつもと違う環境で練習しながら結果を出さないといけないのが大変でした。
天GOD:自分は人前で話すのが苦手なタイプでしたが、プロになって前に出していただく機会が増えたので、徐々に克服できました。海外に行くことが増えたので、体調を崩さないように体調管理にも気を遣うようになりました。
──:2ndシーズンに向けての意気込みをお願いします。
フチ:もちろん優勝です。アジアリーグでの優勝もですが、次は世界大会での優勝も目指してます。日本にもe-Sprtsのプロリーグが増えてきていますが、世界で優勝するのはまだ難しいと思うんです。ですが、今は日本に流れが来ているので、この機会に優勝をもぎ取りたいです。
この後は、いよいよ「ぶっちゃけ座談会」に突入だ。ここからは、「クラロワリーグ アジア」の解説を務めたyoutuberのドズルさんが進行役として登場した。
▲Youtuberのドズルさん。
事前に、選手たちには他の選手に聞きたいことがないかアンケートを実施し、そのなかから選出されたテーマについてトークを繰り広げていった。会話の内容を抜粋して紹介していく。
●焼き鳥選手からピラメキ選手へ
焼き鳥:ピラメキ選手は1on1での勝率がよかったですが、強さの秘訣はなんですか?
ピラメキ:僕が1on1に出場した後、2セット目ではLewis選手とkoo選手が出るという場面が多かったのですが、Lewis選手「1セット目で負けても俺らが取り返すから」という言葉をいただいて、その言葉に後押しされて1セット目を思い切り戦うことができ、それが勝率に現れたんだと思います。
ドズル:ピラメキ選手には試合前に行なうルーティンはありますか?
ピラメキ:チームで円陣を組んで気合を入れたりします。
ドズル:DetonatioN Gamingの皆さんは、円陣ですごく大きな声を出しているイメージがありますが、あれはチームならではですか?
ピラメキ:大きな声を出すことで気合が入るので良いと思っています。
●shun選手から天GOD選手へ
shun:天GODという名前はどのような理由でつけたんですか?
天GOD:元々は中高生のときに、他のゲームで「天の神(てんのしん)」というよくわからない名前をつけていたんですけど、『クラロワ』を始めるにあたって名前を考えたときに、当時の自分が何を思ったかわからないですが、GODに変えようと。ノリでつけた名前ですね。
ドズル:ご自身の名前は気に入ってますか?
天GOD:かなり恥ずかしいですよね(笑)。ただ、ずっとこの名前できたので自信をもってこの名前でやってます。
ドズル:みかん坊やさんの名前には由来はあるんですか?
みかん坊や:元々、みかん坊やというマスコットキャラクターがいて、そこから持ってきてます。今はみかん坊やで検索をかけると僕が先に出てきます。本家を超えちゃったなというところでございます(笑)。
ドズル:そのマスコットに思い入れがあったんですか?
みかん坊や:テレビでみかん坊やが出るCMが流れてて、かわいいなと思ったんです。
●みかん坊や選手からkoo選手へ
みかん坊や:koo選手のTwitterを見ると、youtuberのきおきおさんのお宅に泊まったりとかしているようですが、高校に通ってると思うんですけど、生活は大丈夫なのかなと思っています。
koo:自分はプロになるにあたって、プロに専念するために通信制高校に変更しました。東京に何日もいるとなると、親も不安そうになるんですけど、自分はそっちのほうが楽しいので、親の意見を……自分の意見を通してます。
ドズル:学生兼選手という方もたくさんいらっしゃいますが、学校に行きながらの選手活動は多忙ではないですか? テストとかどんな感じですか?
焼き鳥:テストで裏面の問題を見落として、危ないなと思ったことがあります。
一同:(笑)。
ドズル:しっかり両立はされてるんですよね。
焼き鳥:大学には通い続けていますが、若干テストが危ないかなという感じです。
続いてのコーナーは、他のチームのどの選手に憧れているかというアンケートの集計結果を発表。断トツでみかん坊や選手が1位だったということで、みかん坊や選手のどこに憧れるのかを聞いていった。
▲なんと、前に出てきた代表者全員がみかん坊や選手に憧れているという結果となった。
ドズル:shun選手はみかん坊や選手のどんなところに憧れますか?
shun:デッキの幅が広いだけでなく、ひとつひとつのレベルが高いんです。どのデッキを使っても、そのデッキを使うトッププレイヤー級のプレイヤースキルを持っているので、何を使っても強いというイメージがあります。
ドズル:みかん坊や選手はどのように練習しているんですか?
みかん坊や:僕は今まで自分の好きなデッキを使っていたんですけど、それだと勝てなくなることが分かって、チームメンバーと一緒に色々なデッキを使って練習していきました。それが試合の結果に繋がったと思います。
ドズル:焼き鳥選手はいかがですか?
焼き鳥:選手としての強さだけでなく、監督としてチームをまとめているのがすごくて尊敬しています。
ドズル:監督も兼任するとなるとプレッシャーも人一倍だと思いますが、難しさを感じたりはしますか?
みかん坊や:難しいとも思いますが、監督をやるようになってから、チームメンバーも鍛えなきゃならないという想いで責任感も強くなって、それで自分もまた一歩成長できたと思います。
ドズル:2位はRAD選手でした。PONOS Sportsの4名が、全員RAD選手に票を入れてるんですね。
みかん坊や:普通の人と違ってデッキのオリジナリティが高いんです。見ていて「どうしてこのデッキで勝てるんだろう?」と思うぐらい不思議で、それでもしっかり勝っているので本当にすごいなと思います。
ドズル:RAD選手はオリジナルデッキをどのように生み出しているんですか?
RAD:そのときの環境であまり使われていないカードを使うことは意識してます。
ドズル:ミラーと言えばRAD選手のイメージがありますね。好きなカードなんですか?
RAD そうですね。ミラーは今では一番好きなカードです。
ドズル:天GOD選手からみたRAD選手はいかがですか?
天GOD:何が出て来るのかわからないという意味では、戦っていて嫌な相手ですね。そこが強さだと思います。
ドズル:一番戦いたくない相手は、あるデッキのスペシャリストよりも、多くのデッキを使う人なのでしょうか?
アマテラス:デッキの幅が広い選手は、デッキが読みにくくなるうえに、BANカードの選択にも困ります。得意戦術がある人なら、その得意戦術をつぶしたり、候補をつぶすことで他を引き出せたりできるんです。でも、デッキの幅が広いと何をBANされても困らないんです。
続けて、実際に試合の映像を見ながら、自分が嫉妬したプレイを紹介するというコーナーがスタート。天GOD選手とRAD選手のスーパープレイが紹介された。
●「クラロワリーグ アジア」Week3 Day1(1:40:00~)
ドズル:shun選手から推薦ですが、どういったところに嫉妬されますか?
shun:僕も同じようなデッキを使ってきたんですけど、このような処理は見たことがないです。自分ではできそうにないなと思いますし、とてつもないプレイを公の場でできたことはすごいと思いました。
ドズル:「ゴブリンバレル」は普段からああいった処理をしているんですか? それとも咄嗟の判断で?
天GOD:初めてやりました(笑)。
ドズル:スーパープレイだと思うんですが、あのとき考えていたことは今でも覚えてますか?
天GOD:そうですね。焦って「ローリングウッド」を撃ってしまって、手札に「アイススピリット」と「スケルトン」しかない状況で、これをするしかないなということであのプレイが生まれました。
●「クラロワリーグ アジア」Week3 Day2(3:13:00~)
ドズル:こちらは天GOD選手からの推薦ですが、どういったところが決め手でしたか?
天GOD:自分は「引き分けかな」と思っていたのですが、最後の何十秒という場面で決めきれるのは、強さかなと思います。
ドズル:あのプレイは、「ヒール」を早めに使っていましたが、あそこで決めにいくつもりだったんですか?
RAD:そうですね。残り40秒ぐらいだった時点で、この攻めが通らなかったら引き分けだと思っていたので、「ガーゴイルの群れ」に「ヒール」ということになっていますが、実は「マスケット銃士」を残すためのヒールで、そのために早めにうっています。
ドズル:なるほど。「マスケット銃士」を生き残らせたことでタワーにもそのままダメージが入ったという。素晴らしいプレイをありがとうございます。
最後に、報道陣からいくつかの質問をぶつけてみた。
――:他のチームの良かったところや、見習いたいところはありましたか?
koo:チームの方針として、2on2を固定のメンバーにしていますが、GameWithさんみたいにローテーションにすると経験が積めると思うので、2ndシーズンでは視野に入れていきたいと思いました。
RAD:FAV gamingでは、2on2におけるBANカードをずっと「トルネード」にしていたんですが、それに対する対策をされて負ける試合がいくつかありました。PONOS Sportsさんや、GameWithさんは毎回BANカードを変えていたので、今後は僕らもそうしたいと思います。
shun:僕たちも海外遠征の際には、メンバーで色々なところに行ったりしますが、PONOS Sportsさんは選手同士の仲が特に良いですね。皆で楽しんだり、『クラロワ』で喧嘩したり。それはメンバー同士の距離が近くないとできないことなので、すごくいいなと思いました。
みかん坊や:FAV gamingの部屋に遊びに行ったことがあるのですが、監督と選手全員が揃って、みんなで意見を出し合いながら練習していたのを見て、うちでも真似したいと思いました。
――:GameWithさんはリーグ戦で1位になったものの、ワイルドカードで負けてしまい優勝を逃す結果となりました。リーグ戦の順位にもっとアドバンテージが欲しいと思いましたか?
shun:最後のトーナメントがステップラダー方式の時点で大分有利だったと思います。ただ、試合数が少なくなった結果、決勝までに時間が空いてしまい、試合の感覚を取り戻しづらかったという点もありました。試合が対等かという点においては、僕たちは問題なかったと思っています。
アマテラス:僕たちは、トーナメントの一番最後だったので、3週間くらい試合がなかったんです。経験値という点では不利になってしまいました。
――:仮にフリーエージェント方式を採用すると言われたら、皆さんはどのチームに行きたいですか?
みかん坊や:僕は海外でもいいのであれば、一番順位が低かったチームの監督になって、そのチームを優勝させてみたいです。ロマンがありますよね。
アマテラス:みかん坊や選手を全力で引き抜きに行きます(笑)。
RAD:僕らもみかん坊や選手を引き抜きますね。
koo:自分はこのチームで勝ちたいです!
けんつめし:自分は、中国の優勝したNOVAというチームで修行してみたいです。東アジア戦での個人戦に参加したときに、NOVAがずば抜けているなと思ったので、その強さの秘訣に興味があります。
ライキジョーンズ:僕はこのチームで勝ちたいですね。
KK19212:自分も1stシーズンを頑張ってきたので、このまま同じ仲間と頑張っていきたいです。
天ぷら:GameWithさんがちょっと楽しそうです(笑)。
1stシーズンを通して、どのチームも新たな課題を見つけ、すでに2ndシーズンに向けて動き始めているということが伝わってきた。欠点を克服し、更なる強者となった彼ら4チームのなかから、再びリーグの覇者となる者が現れるのか、是非とも注目してほしい。
さらに、アジア以外の地域の「クラロワリーグ」もいよいよ開催が迫っている。『クラロワ』が世界規模のe-Sprotsとなる日もそう遠くはないのかもしれない。
(取材・文 ライター:宮居春馬)
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