ネクソン<3659>は、10月25日、同オフィスにて、今冬配信予定のモバイル向け新作フィールドバトルアクション『FAITH - フェイス』(以下、『FAITH』)のメディア向け先行体験会を開催した。
当日は、開発元であるNEXON RED代表のキム・デフォン氏が登壇して『FAITH』のコンセプトや特徴などについて説明したほか、実装予定コンテンツのうち2つの勢力に分かれて戦う「紛争戦」、および自勢力の仲間との共闘バトル「レイド」の先行体験を含む試遊時間が設けられた。本稿では試遊から得られた情報を交えながら、当日の会場の様子をレポートしていく。
■韓国では既に大ヒットのモバイル向けMMORPGが日本に登場!
イベントが始まると、まずはキム・デフォン氏が登壇して挨拶を行った。
▲NEXON REDの・デフォン氏。
NEXON REDでは、『FAITH』や、同作の韓国版である『AxE』、シミュレーションRPGの『ファンタジーウォータクティクスR』、モバイル向けFPSの『SPECIAL SOLDIER』などを開発しており、主にRPGやシューティングといったジャンルに注力している。
キム氏によると、今回、発表された『FAITH』は、アクション性の高いMMORPGになるとのこと。コンセプトは「連合」と「帝国」という2つの勢力による抗争で、ゲーム内はフル3Dで表現されている。なお、エンジンにはUnityの最新版であるUnity 5.xを採用している。
韓国では2017年9月14日よりサービスを開始しており、2017年度の大韓民国ゲーム大賞で優秀賞を受賞している。特に、ゲーム企画や世界観、シナリオについて高く評価されたとキム氏は述べた。そのほか、2017年10月にはG-Rank今月のゲームに、Google Play KOREAでは「2017 最もポピュラーなゲーム」にも選出されている。
▲ユーザー評価を軸にしたGoogle Play エディターのおすすめゲームにも選ばれている。
■MMORPGに欠かせない「協力」と「競争」を実現する”陣営”
ここからは『FAITH』の特徴を紹介。そもそも本作は、PCで遊べるようなMMORPGをモバイルで再現したいという想いから企画が発足したとのこと。そこで、改めて「MMORPGとは何か?」を見つめ直した際に、それは多くのユーザーが協力や競争を通じてゲームを進めていくことであると開発陣は考えたという。これを実現するためにも、『FAITH』には「勢力」という要素が必要不可欠であるとキム氏は語る。
▲様々な価値を認め、選択の自由を与える人間尊重がモットーの「連合」と、法律や信仰、秩序の守護を重んじる「帝国」では挨拶や敬礼の仕方も異なる。
ゲーム開始時には、価値観が異なる「連合」と「帝国」から自身の所属する勢力を選択することになる。各勢力には3種のキャラが用意されており、髪型や顔などをカスタマイズしながら自分だけのキャラを作成できるとのこと。
▲連合なら「リン(ブレイダー)」、「アルゴ(バーサーカー)」、「リリィ(アーチャー)」を、帝国なら「フィーネ(ガーディアン)」、「レオニール(ウォーリアー)、「エマ(メイジ)」を選択可能。
また、選んだ勢力によってスタート地点こそ異なるが、ゲームを進めていくことで敵勢力と出会うことになる。
▲まずはモンスターの討伐や薬草の採取といったチュートリアルを進めていくことに。操作はマニュアルのほか、スキルのみ手動や移動から全て自動で行ってくれるモードもある。
その中で、フィールドを共有した際に発生するのが敵勢力との「紛争戦」だ。紛争戦のモードの一つである「占領戦」は、同じフィールドの中で特定の時間に開催されるリアルタイムバトルで、その地域をどちらの勢力が占拠するかを決めるものとなる。現在は2つのモードで開催されているが、こちらの内容については今後も追加を考えているとの話だった。
今回の紛争戦(占領戦)では、フィールドに用意された占領地点を相手勢力よりも長く占領し、自勢力の点数を100%、または13分経過時点で相手よりも多く点数を獲得することで勝利となるルールで実施。勝つためには如何に長く領地を占領できるかがカギとなるが、領地を占領した側はその中にいることで持続的にダメージを受けてしまうため、仲間と連携しなければ勝つことは難しい。
▲23vs23とかなり大規模で敵味方入り乱れての乱戦となるため逐一戦況を把握することが肝となる。
そのほか、本作はアクションにも重きを置いており、爽快感のある動きや華やかなエフェクトを実現している。しかし、アクション性の高いRPGを数十人が折り重なる場面で実現するためには細かい操作が要求されることもあり、モバイルでは難しいという問題もある。そこで、『FAITH』ではゲームの各所にユーザーをサポートする便利機能を実装。本発表会でも、そのいくつかが紹介された。
●ターゲティングアシスタンス
▲画面右のアイコンに追っているターゲット名や距離、残りHP、一緒に攻撃している味方の名前が表示される。小さい画面の中でテンポの早いバトルが行われると戦況が把握し辛くなってしまうため、こうした形でユーザーをサポートしているという。
●自動パーティーシステム
▲レイドバトルでは、自動的に近くのメンバーとパーティーが組まれるシステムも搭載されている。仲間になったメンバーの情報は画面左から確認可能。パーティーを募集する必要がないため手軽に遊ぶことができる。
▲制限時間以内にボスモンスターを倒すことが目的となるレイドバトル。こちらは、先ほど同様に仲間との連携のほか、個々のスキルもより洗練されたものが求められる印象だった。
●フィールド追跡システム
▲モバイルゲームでありながら広大なフィールドを舞台にしている本作では、全体マップから味方や敵の名前をタップすることで、そのキャラを追跡することができる。
●フィールドPvP通知システム
▲こちらは、フィールド内PvPの状況を素早く知らせてくれるシステムだ。
●侵攻通知システム
▲敵勢力の侵入を感知した際にも知らせてくれるため、素早く対応することができるとのこと。
■日本向けへと最適化したカルチャライズについて
最後にキム氏は、韓国版『AxE』から日本向け『FAITH』を制作するにあたってどのようなカルチャライズが実施されているかについても言及した。
▲上記内容のほかにも日本ユーザー向けに改修を進めているとのこと。
ストーリーに関しては日本オリジナルのものを用意。2つの勢力で計6キャラのストーリーが展開される。
さらに、豊富なバトルコンテンツのバランスを再調整。日本では戦略的に育成を進めていきたいというユーザーが多いという理由から、成長システムについても馴染み深いものに変更されている。また、PvEが好まれる傾向があることから、各コンテンツの実装タイミングについては下記の通りに検討されている。
そのほか、キャラの外見も日本向けに変化。特に、連合のアーチャーは韓国版の大人びた女性から可愛げのある女の子へと大改修を行っている。日本ではキャラの見た目が重要視されることから、日本独自アバターの提供を予定していることも明かされた。
▲プレイヤーキャラ以外にも、作中に登場するNPCや重要なキャラのイラストは日本向けのタッチに変更されているとのこと。
▲プレイヤーキャラのボイスは、水樹奈々さんや能登麻美子さんなど豪華声優陣が担当している。
▲コンテンツについては、日本専用のものも考えられているとか。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659