コロプラ<3668>は、11月7日、2018年9月期の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した2018年9月期の決算は、売上高457億円(前々期比12.4%減)、営業利益69億円(同46.2%減)、経常利益60億円(同52.7%減)、最終利益41億円(同51.8%減)となった。
決算説明会では、同社の馬場社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
■『白猫PJ』周年効果でQonQは大幅増収増益に 通期計画の未達は新作の不振が影響
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、第4四半期期間(7~9月)の売上高は127億円(前四半期比34.1%増)、営業利益は18億円(同116.3%増)、経常利益14億円(同105.1%増)、最終利益11億円(同153.7%増)と増収増益となった。これは、同社の主力タイトルである『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)の4周年イベントが成功したことが主な原動力となっている。
ただし、通期実績をあらためて計画対比で見てみると、売上高で8.5%の未達、営業利益で13.1%の未達となっている。その要因について馬場社長は、新作のリリース遅延のほか、「『パニパニ』などFY17タイトルが不振だった」ことを上げていた。なお、会社側の売上予算の達成率では、既存タイトルは98%と堅調だったものの、新作タイトルは62%にとどまっているとのこと。
次に費用面を見てみると、広告宣伝費がQonQで69.1%、YonYでも7.3%の増加となっている。これは前述の『白猫PJ』の周年イベントに合わせたプロモーションを実施したことによるものとなっている。また、外注費がQonQで28.7%、YonYで7.3%増加しているが、これは開発中のプロジェクトが増加しているためだという。
なお、従業員数の推移については、期末時点で前四半期比3名の増加とほぼ横ばいの推移となっている。
■新作で「新たな遊び方」を提案へ 今期は「バクモン」含む6本の新作をリリースへ
次にリリース時期別等売上推移を見ると、『白猫PJ』を含むFY14ものが大きく売り上げを伸ばしたほか、新作『DREAM!ing』は8月9日にリリースされたFY18ものもFY16ものと同規模まで売り上げを回復する結果となった。
一方で前述のFY17ものに加え、FY15ものの売り上げが縮小している。
新作の開発状況については、パイプラインの数は前回の第3四半期決算と変わらず、FY19(2019年9月期)が6本、FY20(2020年9月期)は5本の新作がリリースに向けて開発が進められている。ちなみにFY19ものについては、『バクレツモンスター』を既に10月17日にリリース済みで、残り5本のリリースが計画されている。
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FY20ものについては、前回は2本あった他社IPタイトルが1本に変更されており、若干開発計画に変更があったようだ。
また、具体的な内容は明らかにしていないものの、「新たな遊び方の提案」を行う新作を開発中であるとのこと。これは、FY19ものの新作に含まれているもよう。ちなみに収益モデルは「新しい遊びの提案でも変わらない」(馬場社長)とし、ガチャを使った収益モデルで開発が進められているとのこと。
海外展開については、7月26日より、『プロ野球バーサス』の繁体字版を台湾・香港・マカオにて配信開始している。
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今回の決算では、VRの展開状況にも触れており、ハイエンド端末向けのコンシューマータイトルの開発は先日リリースしたSteam向け『TITAN SLAYER Ⅱ』のように継続して行っているという。
■新作による業績変動を踏まえて今期予想は非開示に “第4の柱”を生み出すことに意欲
なお、2019年9月期通期の予想については、予定している新作が6本と多く、蓋然性の高い会社予想を開示することは困難とし、予想を非開示としている。
馬場社長は「既存タイトルは安定している。新作のヒットをいかに生み出すかが課題」とし、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』『白猫PJ』『白猫テニス』に続く“第4の柱”を生み出すことに意欲を示していた。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668