マイネット上原社長が「完全復活」を宣言 3Q営業益が2.4億円とV字回復 私募債5億円とAIスタジオ新設で立て直しから「攻め」の局面に



マイネット<3828>は、11月14日、第3四半期の決算説明会を東京都内で開催した。前日(11月13日)に発表した第3四半期(1月~9月)の連結決算は、売上高88億7700万円(前年同期比0.1%減)、営業損益1億8700万円の赤字(前年同期3億2800万円の黒字)、経常損益2億2900万円の赤字(同2億9400万円の赤字)、最終損益32億5800万円の赤字(同1億3400万円の赤字)だった。

第3四半期(7~9月)の業績をみると、売上高33億4400万円(前四半期比QonQで7.4%増)、営業利益2億4100万円(前四半期は1億3800万円の赤字)、経常利益2億2800万円(同1億3800万円の赤字)、最終損益2億7000万円(同2億4000万円の赤字)と増収黒字転換に成功した。四半期ベースの売上高は過去最高を更新し、営業利益もインシデント前の水準に戻るなどV字回復を遂げた。
 


上原仁社長は、「積み上げの構造で売上は過去最高を記録した。営業利益も当初の予想を上回るV字回復でき、業績予想の上方修正も行った」とし、完全復活を宣言した。他方、私募債で5億円の調達を行い、事業資金を確保する一方、7月にAIスタジオを新設し、運営する38タイトルのうち4タイトルでAI(人工知能)とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、人材育成を進めていることを明かした。

さて、あらためてこの四半期の決算を見ていくと、売上高はQonQで7.4%増の33億4400万円だった。インシデントの影響で売上の低下していたタイトルが回復したほか、一部タイトルで夏場に行った季節性のイベント・キャンペーンが特に好調だったことで売上が想定以上に大きく伸びたという。また新たに仕入れた4タイトルも売上の増加に寄与したもようだ。
 


この四半期で4タイトルの仕入れを行い、38タイトルに増えた。上原社長によると、仕入れるタイトルの規模が大きくなっているとのことで、売上に与える影響も大きくなっているようだ。また、女性向けてのタイトルも徐々に増えており、コンテンツの多様化が進み、今後、収益面でのさらなる安定化も期待できるだろう。
 


また、営業利益は、2億4100万円となり、前四半期の1億3800万円の赤字から一気に黒字転換した。前年の第3四半期の水準を上回った。売上高の伸びに加え、既存タイトルの運営の効率化が行われたとのこと。38タイトルを同時運営することで生まれるアセット(運営データとノウハウ)を有効活用することで、1タイトルごとの利益率が向上し、全体としても大きなものになったという。また、2タイトルのエンディングによるコスト圧縮も寄与した。
 


各費用を見ると、外注費や人件費、サーバー費用などインシデント対応で一時的に増えた項目が減少しはじめ、徐々に正常な姿に戻りつつあるという。「その他」についても増えたが、これはインシデント以降、抜本的なセキュリティ対策を行った結果になる。こちらについても少しずつ圧縮していく余地があるとのこと。相互広告ネットワーク「CroPro」の効果で広告宣伝費比率も2%台とスマホゲーム会社としては異例の低さをキープしている。
 


なお、第3四半期までの結果を踏まえて、2018年12月通期の業績予想の上方修正も行った。

売上高:116億3300万円~119億3300万円→120億3300万円~122億5200万円
営業損益:4億1000万円~2億5000万円の赤字→5600万円の赤字~7000万円の黒字
経常損益:4億5800万円~2億9800万円の赤字→1億0100万円の赤字~2500万円の黒字
最終損益:35億2800万円~33億8800万円の赤字→32億5800万円~31億8200万円の赤字
 
株式会社マイネット
http://mynet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社マイネット
設立
2006年7月
代表者
代表取締役社長CEO 岩城 農
決算期
12月
直近業績
売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3928
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