ドリコム<3793>の内藤裕紀社長は、本日(1月31日)開催の決算説明会で、アプリ市場の成熟化に伴い、マーケティング施策のターゲットが新規ユーザー獲得から、遊んでいるユーザーや休眠ユーザーの復帰など既存ファンを重視する流れに変わってきたとの考えを示した。
内藤社長によると、既存タイトルの売上をどうやって伸ばすか、もしくは維持するかが主眼になってきており、マーケティング費用についても新規ユーザー獲得よりも既存ユーザーにいかに喜んでもらうか、休眠したユーザーに復帰してもらうかにお金をつかうようになっているという。
この事例として、『ダービースタリオンマスターズ』をあげた。今期より、アプリの大型アップデートによる改善に加えて、定期的なオフラインイベントや生放送の配信などコミュニケーションを重視したプロモーション施策を継続的に行ったところ、第1四半期を底に売上が回復してきた。
これは新作であっても同様だという。「初月に良い数字を出すが、翌月以降、息切れするタイトルが目立つ。初月がMAXになる。リリース時、事前登録で始めたユーザーが入っているものの、その後、新規ユーザー獲得のためにマーケティング施策を行ってもストアからの流入が以前に比べて細っていることが背景ではないか」と語った。
このため、新作リリース後、新規ユーザーの獲得よりも、初期から遊んでくれているファンに翌月以降も継続的に遊んでもらえるような施策が重要になっている。ファンとのコミュニケーションを積極的に取りつつ、ユーザーからの意見や要望にいち早く応えていくことが大事との見方を示した。
なお、新作タイトルについては、今期中にリリース予定だった1タイトルは来期中のリリースを目指す。市場の状況を鑑み、ゲームだけでなく、マーケティングの面でもきちんと準備する必要が有るためだ。また作品全体の施策など版権元の事情もあるため、いつリリースするとは現段階ではいえないとした。
(編集部・木村英彦)
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793