【Aiming決算説明会】新作パイプラインは4本に 『キャラスト』PS4版の開発も「順調に進んでいる」(椎葉社長) 台湾スタジオでグラフィック制作の受託も開始へ


Aiming<3911>は、2月14日、東京都内で2018年12月期の決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された決算は、売上高73億1400万円(前の期比7.0%増)、営業損益15億0900万円の赤字(同29億4900万円の赤字)、経常損益15億0900万円の赤字(同29億4700万円の赤字)、最終損益15億5300万円の赤字(同29億7200万円の赤字)となった。

決算説明会では、同社の椎葉忠志社長がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■新作共同事業化による一時的要因の反動で原価が上昇 『ログレス』周年と新作で広告宣伝費も増加


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第4四半期期間(10~12月)は、売上高17億9400万円(前四半期比3.8%増)となったものの、営業損益3億6600万円の赤字、経常損益3億6700万円の赤字、最終損益3億9500万円の赤字と赤字幅が拡大した。

『CARAVAN STORIES』(以下『キャラスト』)の国内版と繁体字版の減収に加え、『ロストレガリア』のサービスを2018年10月16日付で終了したことで、自社開発・自社配信タイトルの売上高は減少したものの、共同タイトルにおいて『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下『ログレス』)が周年イベントで伸びたほか、10月18日よりサービス開始した『ゲシュタルト・オーディン』が新たに寄与した。
 

一方で、コストについては、第3四半期に2019年リリース予定タイトルの共同事業化による相手先負担分を計上した反動で売上原価が上昇した形になっているほか、周年イベントを実施した『ログレス』のTVCMと新作『ゲシュタルト・オーディン』のプロモーションにより、広告宣伝費も増加した。

ただし、第2四半期との比較で見ると、広告宣伝費は前述の理由で増加しているものの、コスト構造自体は正常化したという見方で良さそうだ。
 


続いて従業員数の推移を見てみると、前四半期比で11人の減少となる。主に開発グループの人員が減少しているが、これは「新作リリースで開発を増強するタイミングが過ぎたため」(椎葉社長)とし、「意識して減らしているわけではない」とのことだ。
 
 

■4Qは3本の新作をリリース 『キャラスト』の中国本土版は1月にCBTを実施


次に第4四半期の運営タイトルの状況を見てみよう。『ログレス』は5周年の周年イベントに向け、新ジョブやシナリオを追加し、TVCMも実施した。続く2019年は、『ログレス』のテーマの1つである「協力バトル」について、新しい協力の形を提案できるようなコンテンツ開発に取り組む予定だという。
 

『キャラスト』は、国内版が1周年を迎え、年間を通じて高い継続率を維持できたものの、新規ユーザーの定着に課題が残ったとのこと。現在はPS4版の開発も「順調に進んでいる」(同)としていた。

また、中国のX.D. Networkがパブリッシングを担当する中国本土版は、1月10日から24日にかけて第一回CBTを実施した。
 

新作については、第4四半期期間中にスクウェア・エニックスとの共同開発タイトル『ゲシュタルト・オーディン』、バンナムオンラインとの協業タイトル『戦国大河』、そしてこれまでアニメ系IPタイトルとしていた『HUNTER×HUNTER グリードアドベンチャー』(配信はバンダイナムコエンターテインメント)の合計3本をリリースした。

ただし、『HUNTER×HUNTER グリードアドベンチャー』については、予定通り12月にサービスを開始したものの、サーバートラブル解消のための長期メンテナンスを実施しており、1月にサービスを再開している。
 
 

■新作パイプラインは4本 中国Giant社、ディライトワークスとの共同開発タイトルが追加に


2019年以降の新作パイプラインについては、現在4本となっている。これまで発表されていたマーベラス<7844>と共同開発を行っているオリジナルタイトルと、ゲーム系IPタイトルの2本に加え、新たに中国Giant社との共同開発タイトル『Project:R』とディライトワークスとの共同開発タイトルが加わった形になる。

なお、現時点で2019年にリリース予定となるのは、マーベラスとの共同開発タイトルとゲーム系IPタイトルの2本で、ゲームの詳細はCBTが始まるころに明らかになる予定としていた。
 


 

■フィリピン子会社を閉鎖 台湾スタジオでグラフィック制作の受託も開始へ


2019年12月期通期の予想は非開示で、同社は第1四半期(1~3月)の業績予想を開示。第1四半期は、売上高16億0400万円(前期比18.5%減)、営業利益4000万円、経常利益3500万円、最終利益2700万円と黒字転換を見込んでいる。
 

今期はコストの見直しや削減の徹底を行うとし、既にフィリピン子会社Aiming Global Serviceを閉鎖済みであるほか、英語版『ログレス』のサービスも終了した。

また、新たな取り組みとして、台湾スタジオで他社からのグラフィック制作の受託も行うという。こちらは既に営業もかけており、「そんな遠くない時期から収益が出てくる見通し」(同)としていた。
 
(編集部:柴田正之)