【イベント】「RAGE Shadowverse Pro League 2018 League Championship」“レバンガ☆SAPPORO”と“au デトネーション”による決勝戦の模様をレポート


CyberZ、AbemaTV「ウルトラゲームス」、エイベックス・エンタテインメント、Cygamesが合同で開催する国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」発のeスポーツプロリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」は、3月10日、品川 THE GRAND HALLにて、2018年度の優勝チームを決定する「RAGE Shadowverse Pro League 2018 League Championship」を開催した。

決勝戦で優勝を争うのは1stシーズンチャンピオンの“レバンガ☆SAPPORO”と2ndシーズンチャンピオン“au デトネーション”。本稿では、8人の選手による試合の模様をお伝えする。
 

■ファイナルは全7試合のBO3による総力戦


まずは、それぞれのチームメンバーが壇上に登場。レバンガ☆SAPPOROのメンバーは、きょうま選手、真春選手、Tatsno選手、さわさき選手。au デトネーションのメンバ―は、ミル選手、Spicies選手、cross7224選手、Enju選手。


▲左から、きょうま選手、真春選手、Tatsno選手、さわさき選手。


▲左から、ミル選手、Spicies選手、cross7224選手、Enju選手。

普段のプロリーグは3人の選手による2本先取の形式だが、今回の「2018 League Championship」は4人全員が出場する3本先取の形式で行われる。



真春選手 vs cross7224選手の2Pickが1回。さわさき選手 vs Enju選手のアンリミテッドが1回。きょうま選手&Tatsno選手 VS ミル選手、Spicies選手の4名によるローテーションが5回。試合はすべてBO3(2試合先取すればマッチ勝利)となっている。勝敗次第では最大21回もの勝負が発生する、プロリーグ史上では前代未聞の長丁場だ。


▲ゲーム内事前予想では、au デトネーションが圧倒的人気。
 

■第1試合 2Pick(BO3) 真春選手 vs cross7224選手


第1試合は、真春選手 vs cross7224選手の2Pick。普段のプロリーグでは2Pickは1本先取の一発勝負だが、今回は“一度勝利したリーダーは次の選択する3リーダーに登場しない”という特別仕様の2Pick・BO3形式で試合で行われる。

2Pickは全8リーダーの中からランダムに3つが表示され、その中から使用リーダーを選択する。そして、現環境の2Pickを語る上で外せないのが「デッキが20枚以下で発動する」という効果のカードが存在するウィッチ。デッキが30枚と少ない2Pickでは、これらのカードが試合を大きく動かす力を持っている。

真春選手は、最初に表示された3リーダーの中にウィッチがあるのを見るやいなや、迷う様子も見せずにそれを選択。やはり“この3つの中にウィッチが出てくれるかどうか”という部分も試合の要点のようだ。その後のデッキ構築でも、先述の「デッキが20枚以下で発動する」カードたちに加え、他にも強力なカードを取ることに成功する。



一方、cross7224選手の表示されたリーダにはウィッチは見えず。少し考えて、今回はロイヤルを選択。“異界を統べるもの”なども取れておりデッキの完成度も悪くないが、良くも悪くも無難という感じ。ほぼ満点に近い真春選手のデッキとのパワー差を抱えてのスタートとなった。

cross7224選手が抱える不安は現実となり、試合ではその差が顕著に表れる。4ターン目に登場した“ラブリー・モニカ”のアドバンテージに圧倒され、気が付くと““暗黒の召喚士”で盤面もライフも真春選手が優勢。1戦目はそのまま真春選手が勝利した。

続く2戦目、ウィッチを消費した真春選手は次にロイヤルを選択。そして、cross7224選手はウィッチをここで選択したいところだが、無情にも今回もウィッチは現れず、2戦目はドラゴンで挑む。

お互いに序盤の攻防でしのぎを削りあい、パワーカードの投げ合いとなった後半。真華選手が“炎獅子の大将軍”の直接召喚に大手をかけたタイミングで、cross7224選手が“プロトバハムート”をベストタイミングでドローし客席からは大きな歓声があがる。



2枚目の“炎獅子の大将軍”の処理も成功し、cross7224選手に勝利が近づく……が、ここで一瞬の油断。攻撃力5になった“大商人”を無視して、一気にライフを攻めたところ、必殺と2回攻撃を利用したカウンターを食らってしまう。序盤にライフを失っていたcross7224選手は“大商人”の攻撃に耐えられず、2Pickは2-0で真華選手、レバンガ☆SAPPOROの勝利となった。


 

■第二試合 ローテーション きょうま選手 VS Spicies選手


第2試合、第3試合のフォーマットはローテーション。きょうま選手 VS Spicies選手。Tatsno選手 VS ミル選手の2試合が行われた。4人が使用したリーダーは以下の通り。各選手は後半に行われる試合でもこのリーダーとデッキを使用する。

・きょうま選手:ロイヤル、ネメシス
・Tatsno選手:ドラゴン、ビショップ
・Spicies選手:ロイヤル、ビショップ
・ミル選手:ウィッチ、ネメシス


第2試合のターニングポイントとなったのは2戦目。ネメシスで勝利したきょうま選手はロイヤル。Spicies選手は1戦目に続きビショップを連投する。

きょうま選手は、序盤から盤面に兵士フォロワーを並べて相手に圧力をかける。Spicies選手は悩みながらも、その動きに対して除去の動きを中心にライフを守る選択をする。

この序盤の駆け引きが後半に大きく影響する。除去をメインに動いていたSpicies選手は、その影響か後半になっても“聖獅子の結晶”のカウントを進められず、攻める準備が整わない。一方、攻勢続きのきょうま選手もリソースが枯れ始めるが、最後の希望を託して撃った「ドラゴンナイツ」でようやくSpicies選手の除去が追い付かなくなる。



手札のカードではフォロワーを処理しきれない。Spicies選手は回答がないことを伝えるかのようにターンをそのまま返し、“攻め”の姿勢を崩さなかったきょうま選手が2-0で勝利。レバンガ☆SAPPOROが早くも勝ち星を2つに伸ばした。


 

■第3試合 ローテンション Tatsno選手 VS ミル選手


2連敗となり、流れを変えたいau デトネーション。ここで、プロリーグ累計勝率8割という、エースのミル選手が出場する。そんな大きな壁にレバンガ☆SAPPOROから挑むのはTatsno選手。

2チームのローテーションのデッキの大きな違いは、ミル選手が持ち込んだ秘術ウィッチ。環境の王道デッキから1つ外れたこのデッキを持ち込んだということで、この作戦が試合にどう響くのか。

試合は進み、ミル選手はネメシスで勝利。Tatsno選手はドラゴンで勝利し、残る3戦目はウィッチ VS ビショップの試合となる。

盤面除去のカードが目立つTatsno選手のビショップに対し、先行の利を生かして、ある程度ライフを削ったミル選手は、その後は無駄に場にフォロワーを並べない。その影響でTatsno選手の手札の除去カードが腐ってしまう。そして、そのまま秘術ウィッチが得意とする、盤面ではなく火力スペルでゲームを決める展開に持ち込まれる。



Tatsno選手の手札には潤沢なカードがあるもの、相手の攻撃が手札から直接来るのでは手出しができない。盤面を並べてターンを返すが、大量に加わった“真理の術式”により10以上あったライフが一気に消し飛んでしまう。第3試合は2-1でミル選手が勝利した。2連勝で勢いに乗っていたレバンガ☆SAPPOROだったが、ここでエースの手によって流れを止められてしまう。


 

■第4試合 アンリミテッド さわさき選手 vs Enju選手


第4試合は、さわさき選手 vs Enju選手のアンリミテッド。さわさき選手はネクロマンサーとビショップ、Enju選手はネクロマンサーとドラゴンを持ち込んだ。

結果に大きく影響したのは、1戦目のビショップ VS ドラゴン。“封じられし熾天使”のラストワード効果で勝利するセラフビショップに対し、それを消滅によって無効化できるカードが多く採用されたEnju選手のドラゴン。この有利対面を相性通りに勝てれば、あとはアンリミテッドで最も信頼できるネクロマンサーで1回勝てばいいという、精神的にもかなり余裕が持てる状態になる。

試合は序盤からEnju選手の手札にPP加速カードに加え、フィニッシャーとなる“氷獄の王・サタン”もある盤石の状態。一気にPPを10まで伸ばし“氷獄の王・サタン”を着地させる。しかし、さわさき選手もその前のターンに“封じられし熾天使”の設置に成功しており、Enju選手がアミュレットを消滅させるカードを引くか、さわさき選手が耐えられるかに勝敗は委ねられた。



結果は、勝利の女神はEnju選手に微笑まず。ドローカードを駆使してデッキを掘るが、回答となる消滅効果持ちのカードに巡り合えない。そして、無事に2ターンを耐え抜いたさわさき選手が“栄光のセラフ・ラピス”を起動させ勝利。そのまま、先に1勝したさわさき選手が“安心と安定のネクロマンサー”で連勝して2-0。累計結果は3-1となり、レバンガ☆SAPPOROが優勝に大手をかけた。


 

■第5試合 ローテーション きょうま選手 VS ミル選手


第5試合は、きょうま選手 VS ミル選手によるローテーション。どちらかが4勝した時点で優勝が決定するため、ここでau デトネーションが負けてしまうとその時点で試合は終了。ミル選手にとっては、もう後がない背水の陣だ。

1戦目では、きょうま選手はネメシス。ミル選手はウィッチを選択。先ほどと同じく、秘術ウィッチは火力スぺルを相手のライフに向けたいのだが、そうすると盤面が疎かになってしまう。

一気に盤面を作ることに長けているアーティァクトネメシスは、ミル選手がスペルを蓄えるターンを与えない。気が付けば攻守が逆転してしまい、きょうま選手のアーティファクトたちが先にミル選手のライフを削り切った。

2戦目は、今度はミル選手がネメシス。きょうま選手は残りのロイヤルで挑む。きょうま選手のロイヤルは、ここでも強みである序盤の圧力を存分に発揮。6コストの“デウス・エクス・マキナ”が着地してからが本番のアーティファクトネメシスは、それまでにライフを取られてしまうと苦しい展開を強いられてしまう。



しっかりと、きょうま選手の手札には“空の指揮官・セリア”を始めとする疾走フォロワーが構えており、ミル選手が“デウス・エクス・マキナ”を出した返しのターン。残りのライフはいとも簡単に0になってしまった。

ここでレバンガ☆SAPPOROが4勝を達成。2018年度王者は、きょうま選手、真春選手、Tatsno選手、さわさき選手の属するレバンガ☆SAPPOROに決定した。


 

■5月からは次シーズンがスタート


表彰式では、次シーズンの開幕が5月に決定したことが発表。3月17日に開催されるRAGEの会場にて、組み合わせ抽選会が実施される。



その後、優勝を決めた直後のレバンガ☆SAPPOROのメンバーに囲み取材が実施された。合わせてその模様もお届けする。

――:優勝が決まる最後の瞬間、きょうま選手の試合をどんな心境で見守っていましたか。

Tatsno選手:きょうまさんがもし負けちゃっていたら、その後はSpiciesさんと試合だったので、次の試合の準備はしていたんですけど、最後勝負か決まりそうになったら練習は切り上げて、もう先に優勝用のTシャツを着てました。

真春選手:実は、自分はあまりチームメイトの試合を見たくない方なんです。心臓によくないので……(笑)。でも、チラチラと見てたら、最後に“ドラゴンナイツ”を引いた辺りで「あ、これ勝った」「流石きょうまさん!」と思ってました。

さわさき選手:僕も見なくてもいいくらい信用できると思ってました。そうしたら、歩いてるときに“ドラゴンナイツ”で歓声が沸いてて……


――:改めて3人のお話を聞いて、きょうま選手はいかがでしょうか。

きょうま選手:いやー……、涙が出ますね(笑)。

――:北海道のesportsチームとして、この優勝を地域にどうやってチームに還元したいと思っていますか。

さわさき選手:北海道に住んでいることを誇りに思ってもらえるようになって欲しいですね。今回は優勝できたので「北海道もまだまだイケるな!」と思ってもらえると。

真春選手:自分は北海道出身ではないんですけど、チームになってからはずっと北海道に貢献できればと思っています。また、北海道から自分の地元である石川県にも持って帰れるといいなと思っています。

きょうま選手:北海道のハイテクノロジー専門学校さんというesportsの学校と提携していろいろやらせてもらってます。今後もesportsの盛り上がりに貢献しつつ、自分たちが協力できるイベントができればいいなと思っています。

Tatsno選手:そういった北海道で提携した活動もやらせてもらっていますが、まだまだ国内のesportsは世界的に見ると発展途上かなと思うので、首都圏だけじゃなく北海道だったり、各所が発信地になれるように何か力になれればと思っています。


――:5月から次のシーズンも始まりますが、2018王者として意気込みをお願いします。

きょうま選手:今回年間チャンピオンになれましたが、1stシーズン優勝のときと同じくまだ実感はあまりないです。周りから見たらチャンピオンに挑戦、という気持ちかもしれませんが、自分も挑戦者の気持ちを持ち続けて、次シーズンに挑みたいと思っています。

――:ありがとうございました。

1stシーズンでは、開幕5連敗という絶望的なスタートだったレバンガ☆SAPPORO。しかし、そこから練習を重ねて7連勝してシーズンチャンピオンになり、2ndシーズンで強敵だったau デトネーションをついに倒し、チャンピオンにまで上り詰めた。

ただ勝つだけでなく、こういった物語を見せてくれる。そういった部分がチームのファンを増やし、その声援が優勝するための原動力になったのではないだろうか。チームメンバー、応援する人たち、全てが影響してチームが成長していくという、プロチームとして1つの完成された形をレバンガ☆SAPPOROに垣間見れた。

5月からは早くも次シーズンも開幕。リベンジに燃えるau デトネーション。2018年度で悔しさを味わった他チーム。そして新たに参戦するチームが、2019年度はどんな勝負、そして物語を見せてくれるのか。今後もチーム、並びに選手たちの活躍に期待したい。

なお、3月17日には「RAGE Shadowverse 2019 Spring GRAND FINALS」が開催される。来場者にはレジェンドカードが確定で1枚当たる「レジェンドカードパックチケット」がプレゼントされるといった特典もあるので、当日は是非、会場にも足を運んでみよう。

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(取材・文 ライター:セスタス原川)

 

RAGE公式サイト

 
株式会社CyberZ
https://cyber-z.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社CyberZ
設立
2009年4月
代表者
代表取締役社長CEO 山内 隆裕
決算期
9月
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株式会社AbemaTV
https://abematv.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社AbemaTV
設立
2015年4月
代表者
代表取締役社長 藤田 晋
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