株式会社ファリアーは3月31日、香川県にて第7回「駿馬 とねっこ KAGAWA 1st」を開催した。
「駿馬(しゅんめ)」とは、ゲーム業界を目指す学生に向けてファリアーが全国各地で開催しているイベントの総称であり、「とねっこ」は学校が多くある都市に限らず、さらなる地域や高校生も視野に入れて開催される駿馬の別ブランチのイベントである。
これまでに全国各地(埼玉、和歌山、沖縄、広島、仙台、愛媛)で開催されてきた駿馬とねっこだが、香川県は初上陸となる。そして、今回の会場は、なんと…
お寺!
真宗興正派 善照寺の本堂に会場を設営して、イベントが開催されたのだ!
▲左から、ファリアー馬場保仁氏、善照寺21代 三原貴嗣住職、仕掛け人の渡辺大氏。
※住職のブログ:https://henmo.net
■厳かな空気…「おつとめ」からはじまる駿馬
今回は香川県や岡山県の高専生、専門学校生を中心に20名以上が参加。イベントの幕開けは、三原貴嗣住職と、弟の俊亮副住職による"おつとめ"が行われた。
厳かな緊張感ある空気が醸成され、お寺という場の存在意義、未来に向けての活用について三原住職からのお言葉があった(以下、抜粋掲載)
「三原住職のお言葉」
その後、馬場氏による第一部「ゲーム業界事情」の座学が始まった。
20年を超えるクリエイターとしてのキャリアから実体験をもとに語られるものと、人事・採用担当として、現在のような中立な立ち位置からの人材発掘、育成、パッチング事業の立場からの話と、「ゲームクリエイターを目指す若者たち」に、
・ゲームクリエイターとしての心構え
・ゲーム業界の特徴
・ゲームの開発環境や職種の特徴
など、ゲーム業界の基礎知識を学べるものとなっていた。
香川の学生たちの視線もあつく、馬場氏曰く「全国各所で、とねっこを開催しているけれど、第一部終了時に、これほど質疑がでたのは、初めて」とのこと。香川の学生たちの、
飢え、渇望
の度合いを表す一端ではなかろうか?
■気付きから学ばせる。短期間で成長が見えたワークショップ
お昼を挟んで、午後からは、「つくる&タイトルを考える ワークショップ」が行われた。
簡単なボードゲームを作り上げるもので、チームでイベントを用意し、指定されたボードに当てはめて作成していく内容からはじまり、
1.作成したゲームをプレイ&レビュー
2.タイトルや主人公などの設定を決める
3.設定を元に改善する
と、単にボードゲームをつくるだけでなく、そのモチーフやタイトルをしっかり考える習慣をつけるためのワークが実施された。馬場氏の口からは繰りかえし、
「なぜ、そうでなくてはいけないのか?」
「10の物をつくるなら、11以上考えた中から選ぼう」
「締め切りを決めて、ものをつくる習慣をつけよう!」
という言葉が発せられた。馬場氏曰く、
「なぜ? を考え抜いていく思考力を身につけ、「思考のスタミナ」を身につけるには、
① 意識すること
② 反復して練習していくこと
③ 第三者(他者)に提示して、客観的な、忌憚ない意見をもらうこと
によって、醸成されていくところがあるんです」
とのこと。この日も、馬場氏の舌鋒鋭い指摘にも、学生たちはひるまず、熱心にメモをとる学生も多々いた。
中でも「タイトルから概要を決める」部分は印象的だった。学生の成長する瞬間を目撃した為である。
各チームが設定を発表した後「なぜその主人公なのか?」など馬場氏が設定した意図を聞くのだが、多くの学生が回答に詰まり答える事ができなかった。
でも、そこで馬場氏からは決して「否定」の言葉が出るわけではなく、「着想はそれでもいい。ましてや今日は時間のない中でいきなり聞かれているから、うまくいかなくても恥じる必要はない。課題は、この次ならどうできるか? うまくいかなかった時からの振り返りをして、いかに次につなぐか? それが成長なんです」と叱咤の言葉がとび、会場が雰囲気がピリッとしたものに変わり、より熱を帯びた議論が交わされ始めた。
「まあ、これでいいか」の空気がレベル感こそばらつきはあるものの、拭きとんだ瞬間に立ち会えた貴重な経験だった。
言うなれば、最初は遊びで「まあ、楽しく作れれば良いや」という雰囲気だったのだが、1つ1つロジカルで丁寧な馬場氏の指摘により、学生がこれは本気でゲームを作る時間なのだ、と気付いたのだ。「三日会わざれば刮目して見よ」ではないが、ほんとに1つのきっかけで学生は目覚めるのだなというのを肌で感じることができた…
最後に馬場氏は「ゲームで遊ぶのは楽しい。ゲームをつくるのはもっと楽しい!なぜなら大勢の人を幸せにできるから。でも、同じ字ではあるものの、決して「楽(らく)」ではない。喜怒哀楽あるならば、怒らせたり哀しませたりすることは比較的容易にできてしまうのだけれど、喜ばせたり楽しませることは、本当に難しいことなんです。だからこそ、考えるスタミナをつけて、考えて、考えて、考え抜いて、クイックに「行動にうつす」ことが大事なんです。情報があふれ、知識の価値がやや薄れてきている時代でも、情報や知識をもとに行動し体験したところから得られる知見、知恵はその人にしか持ちえないものです。お客さんを幸せにするためにも、まずは自分がいろいろなことを体験・インプットしていきましょう!」と話した。
話を聞いている学生達は、8時間近くに及ぶイベントの最後にも、かかわらず決して疲れた様子もみせずに、聞き入っていた様子が印象的だった。香川に新たなゲームクリエイターの卵たちが何年後かには溢れているのかもしれない…
最後には、このイベントの仕掛け人でもある、「讃岐GameN」の中心人物でもある渡辺大氏からの話も印象的だった。
▲駿馬とねっこKAGAWA 1stの仕掛け人:渡辺大氏
「馬場さんと相談して、駿馬とねっこを香川で開催したい!とわたしが思ったきっかけは、学生のたった1つのつぶやきからでした。それは…
もっとアツいイベントが欲しい!
というもので、故郷の夢見る後輩(学生)たちに、何かできることはないか?と思って行動する大人はいるんだぞ!ということを知ってほしかったし、実際に今回は善照寺・三原住職のお力添えもあり、こういったイベントを実施することができました。
今日のイベントでも馬場さんは何度も「伝えないとはじまらない」とおっしゃってましたが、本当にそのとおりで、自分が思うことを勇気もって発信していきましょう!そうしてくれれば僕ら大人は、きみたちが本気でさえあり続ければ、必ず、少なくとも僕は(笑)、この香川でみんなをサポートしていきます!
今日のイベントでも馬場さんは何度も「伝えないとはじまらない」とおっしゃってましたが、本当にそのとおりで、自分が思うことを勇気もって発信していきましょう!そうしてくれれば僕ら大人は、きみたちが本気でさえあり続ければ、必ず、少なくとも僕は(笑)、この香川でみんなをサポートしていきます!
最後に、今回の様子もみて、もうフライング気味に決めちゃいましたが、4月20日(土)、善照寺さんで"駿馬とねっこ KAGAWA 2nd"を実施させていただきます! 馬場さん、来月もよろしくお願いします!」
と、次回開催の発表もされた。最後は学生たちで会場の後片付けをし、集合写真でイベントは終了した。終わって帰宅の途につく学生たち皆皆が、ありがとうございました、と一礼して本堂を後にしていく姿も印象深かった。
お寺を会場に使用させていただけたことで、単にゲーム業界やゲーム開発の訓練を体験しただけでなく、彼らのココロにも何か変化をおこしたのかもしれない…
来月の駿馬とねっこの香川開催も待ち遠しい!
第8回 駿馬とねっこ KAGAWA 2nd
日時:4/20(土)
会場:真宗興正派 善照寺
会社情報
- 会社名
- 株式会社ファリアー
- 設立
- 2016年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 馬場 保仁