【KLab決算説明会】2QはQonQで増収増益に 主力タイトルがいずれも増収 海外版『BLEACH』も収益寄与 ゲーム周辺領域への「アライアンス活動を積極推進」(森田社長)
KLab<3656>は、8月8日、2019年12月期の第2四半期連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された第2四半期決算は、売上高148億1200万円(前年同期比7.3%減)、営業利益13億400万円(同49.7%減)、経常利益12億400万円(同53.6%減)、最終利益7億9900万円(同53.4%減)となった。
説明会では、専務取締役CFOの高田和幸氏と代表取締役社長CEOの森田英克氏(写真)による説明が行われた。今回は、その会見の様子をまとめてみた。
■主力の『スクフェス』『ブレソル』『キャプテン翼』がいずれも増収に
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比29.0%増の83億4300万円、営業利益は同2.3倍の9億1300万円、経常利益は同98.5%増の8億円、最終利益は同69.9%増の5億300万円となった。「主力3タイトル(『スクフェス』『ブレソル』『キャプテン翼』)がいずれも増収となった」(高田専務)ことに加え、4月23日にリリースした新作『禍つヴァールハイト』も売り上げに寄与した。また、3月にリリースした東南アジア向けの『BLEACH』が四半期でフル寄与したことも増収要因となっている。
その『BLEACH』を含む海外売上高に目を移すと、この第2四半期期間は売上高29億9500万円と、25億円台まで落ち込んだ前四半期からV字型の回復を果たした。『BLEACH』は、前述の3月にリリースした東南アジア向けに加え、5月にリリースした韓国向けも売り上げに寄与した。なお、『BLEACH』については、「どのエリアも順調」(森田社長)としていた。
続いてグループの従業員数の推移を見てみると、この第2四半期の期末は、4月に新卒社員が入社したこともあり、前四半期比26人増の632人となった。2017年12月期の第2四半期を底に緩やかな人員増フェーズが続いている状況と言えそうだ。
■新作パイプラインは3本、『禍つヴァールハイト』のグローバル版も準備中
新作ゲーム開発のパイプラインは、これまでと変化なく、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS』とバンダイナムコエンターテインメントが配信予定の『テイルズ オブ クレストリア』が2019年のリリース予定で、中国の盛趣遊戯(旧・盛大遊戯)と共同開発中の『ラピスリライツ』を含めた3本がとなっている。
また、そのほかに『禍つヴァールハイト』のグローバル版についても準備が進められている。
また、直近の動きとして注目されるのは、ゲーム周辺領域への事業拡大だ。「事業拡大へアライアンス活動を積極推進している」(森田社長)とし、その一環として、8月7日にVRライブプラットフォーム「VARK」の企画・開発・運営を行うActEvolveへの出資を発表した。今後はKLabの事業との協業も模索していくとしている。
■通期売上高予想のレンジを下方修正も利益予想は据え置き
なお、2019年12月期の連結業績予想は、引き続きレンジ予想での開示としているものの、売上高310億~370億円(前期比5.1%減~13.2%増)、営業利益10億~45億円(同80.0%~9.9%減)、経常利益10億~45億円(同80%減~10%減)、最終利益7億~31億円(同72.8%減~20.6%増)と売上高のレンジを従来の320億~400億円から下方修正している。
これは、『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』(以下『マジバト』)と『禍つヴァールハイト』の売上計画を見直したことに加え、『マジバト』のグローバル版の開発を中止したためとなっている。なお、利益予想については、ゲーム運営にかかる変動費の縮小や全社的なコスト最適化による利益率のカ改善で、従来予想を据え置くとしている。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656