【TGS2019】銀座から世界へ日本のeスポーツを発信していきたい…KONAMI、コナミクリエイティブセンター銀座 eスポーツ関連施設 概要発表会をレポート


コナミデジタルエンタテインメントは、9月12日~15日にかけて幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2019において、開幕初日(12日)に「コナミクリエイティブセンター銀座 eスポーツ関連施設 概要発表会」をステージで実施した。

登壇したコナミビジネスエキスパート代表取締役社長の上原和彦氏とコナミデジタルエンタテインメント プロモーション企画本部 副本部長の車田貴之氏からは、KONAMIとしてのeスポーツの取り組みとコナミクリエイティブセンター銀座の概要について説明を行った。
 

■コナミクリエイティブセンター銀座は新しいエンタテインメント創造の場に

 
▲写真左より司会進行の槇嶋氏、上原氏、車田氏。
 
KONAMIのeスポーツとしての取り組みは、2001年のウイニングイレブンから車田氏は振り返る。現在では様々な地域で開催され、2018年に開催された「第18回アジア競技大会 ジャカルタ・パレンバン」では、初めてeスポーツがデモンストレーション競技として採用され、日本代表が金メダルを獲得するまでの規模になったという。
 
また、国内の動きも盛んであり、茨城では国体文化プログラムの競技として採用され、今年の7月にはJリーグと共催で開催されたe Jリーグの決勝大会も行われた。
 

▲eJリーグでは、国内大会の配信ながらも海外からの視聴者が多く、世界中で注目されているのを実感したと車田氏は語る。(関連記事
 
また、「遊戯王」シリーズでは2003年より世界大会が開催されており、八月にドイツにて行われた世界大会では300万人が参加した各国地域予選を経て世界No.1が決まった。
 
野球ゲームのジャンルにおいても、様々な取り組みが行われ、eBASEBALL プロリーグを日本野球機構(NPB)と昨年立ち上げ、今年の一月にはSMBC e日本シリーズが開催された。
 
eスポーツが世間にも認められつつある近年の動きは、自然の流れと感じていると上原氏は語る。ゲームそのものを”やって楽しい”に加えて、”見ても楽しい”という盛り上がりを感じているという。
 
そんな中、2020年に「コナミクリエイティブセンター銀座」ができる。銀座はゲームの開発拠点に加えて新しいエンタテインメント創造の場にしたいという考えがあり、その一つにeスポーツを掲げているそうだ。
 
 
同施設は、日本初のeスポーツ複合施設となり、三つの拠点が用意されている。「esports 銀座 studio」では大型ビジョンや様々な映像演出ができる設備を完備。多言語にも対応しており、銀座から世界に向けて発信することが可能なスタジオを設立する。
 
スタジオの他には、「esports 銀座 store」も開設され、eスポーツちなんだ機材を販売するストアも展開する予定だ。複合施設ならではの強みとしてeスポーツの体験型ショウルームにしていきたいと上原氏は話した。
 
▲ブース内でも展示されていたeスポーツに特化したデバイス「ARESPEAR」
ストアにても販売される予定だ。

3Fにはスクールを開設していくという。「esports 銀座 school」では、ゲームプレイの実技に加え、eスポーツ業界の様々な場面で活躍できる人材を育てることが目的として開設される学校となる。
 
それぞれの拠点は、誰でも利用ができ、eスポーツ以外にも活用してみてもらいたいと話す。音楽や演劇としても活用することで、エンタメとしての新しい取り組みも創出していきたい狙いもあるそうだ。各拠点についても、KONAMIという社名を入れていないのは、eスポーツ全体を盛り上げていきたいという想いからだ上原氏は話す。
 

▲ただプロゲーマーや観客を収容する施設としての機能だけでなく、
付加価値のある存在にしていきたいと話す上原氏。
 
具体的なオープン時期は年内には発表する予定となり、2020年は銀座から世界に向けて日本のeスポーツを届けたいと話した。
 

教育を通じてeスポーツとプロゲーマーの地位向上を担う…「esports 銀座 school」

 

▲写真左より槇嶋氏、大田氏、『ウイニングイレブン2018』金メダリスト杉村氏、eBASEBALL プロリーグ プロプレイヤー吉田氏、『遊戯王 デュエルリンクス』世界王者コバヤシ氏、コナミアミューズメント専属プロプレイヤーDOLCE.氏、プロゲーミングチーム野良連合KIZOKU氏。
 
ステージの後半では、「esports 銀座 school」の校長を務める大田良彦氏とこれまでeスポーツで活躍してきたキーマンとの座談会が行われた。
 
まず冒頭に、大田氏からは「esports 銀座 school」の特徴が紹介された。一つは銀座という地域。銀座は日本でも歴史のある格式高い場所となり、様々な流行が集まってくる地域。独特のブランドを持っている銀座からeスポーツを発信することでこれからのイメージを確立していきたいと話した。
 
 
二つ目にKONAMIというエンタテインメント企業が運営する学校になる点を挙げた。大田氏自身、KONAMIにて30年間、エンタテインメントを考えてきたので、授業においても面白い授業を実施していきたいと話した。実際にお笑い芸人を誘致した授業やゲーム好きのネイティブ講師を起用した英語学習など、エンタテインメント企業ならではの授業も計画しているという。
 

▲コバヤシ選手からは今後伸ばしていきたいものとして、交渉力と英語力が挙げた。
世界で活躍する上で、海外の情報を探ることや交流を深める必要性を語った。
 
三つ目には、様々な人材を受け入れられる点を挙げた。夜の部の開講や、バリアフリー対応をしていることで、社会人や障害を持った人でも通いやすい学校にしていきたいと話した。
 
また、eスポーツやプロゲーマーの現況や課題についても登壇者からは挙げられ、一緒に解消できるようにしていきたいと意気込みが話された。
 
 
杉村氏からはキャリアパスが課題となっており、収入の不安定さなど職業としての道が確立されていないと挙げた。大田氏は、ただ単にゲームのスキルが向上するだけでなく、動画編集やイベント運営などのスキルが身につき、長く業界で活躍できるようなキャリアプランが築けるような学校にしていきたいと話す。
 
 
KIZOKU氏からはオフライン会場や世界大会での経験不足という現状の課題が挙げられた。海外ではオフライン会場で対戦する機会があるそうなので、「esports 銀座 school」でもスクール生は「esports 銀座 studio」のステージ上で対戦する機会が用意されていることはプロゲーマーを目指す人にとっては良いことだと話した。
 
 
最後に、登壇者からはeスポーツの今後について語られ、総じてeスポーツがより世間に認知され、プロゲーマーがいろんな世代に応援されるような職業にしていきたいと話した。
 
大田氏からは、今活躍しているプロゲーマーもただ好きなゲームをやってきただけでなく、不安やプレッシャーとも向き合いながらやっと得られたもの。「esports 銀座 school」ではその道をきちんと確立することで、プロゲーマーという職業を地位向上させていきたいので期待してほしいと話し、座談会を締めくくった。「esports 銀座 school」は2020年開校に向けて、説明会が実施される予定だ。
 
 
 

コナミクリエイティブセンター銀座

株式会社コナミデジタルエンタテインメント
https://www.konami.com/games/corporate/ja/

会社情報

会社名
株式会社コナミデジタルエンタテインメント
設立
2006年3月
代表者
代表取締役会長 東尾 公彦/代表取締役社長 早川 英樹
決算期
3月
直近業績
売上高1940億1100万円、営業利益336億4700万円、経常利益348億9300万円、最終利益278億2800万円(2023年3月期)
企業データを見る
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
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