創通、2019年8月期の営業益は微増の26.3億円 ライツ好調もアニメ苦戦 製作委員会方式の投資効率が低下、計画通りに組成できず

創通<3711>は、本日(10月9日)、2019年8月通期の連結決算を発表し、売上高144億1900万円(前の期比で14.5%減)、営業利益26億2900万円(同0.5%増)、経常利益26億8200万円(同1.6%減)、最終利益18億2600万円(同2.3%減)となった。

アニメなどを展開するメディア事業が20%超の減収減益となったものの、「ガンダム」シリーズの版権が好調だったライツ事業がカバーした。

 



セグメント別の状況は以下のとおり。


(メディア事業)
売上高は83億9100万円(同27.7%減)、営業利益5奥0100万円(同23.5%減)だった。継続番組である「それいけ!アンパンマン」の他、「おしえて魔法のペンデュラム~リルリルフェアリル~」「色づく世界の明日から」「ガーリー・エアフォース」「ダイヤのA ActⅡ」「賢者の孫」等、19作品の新作アニメーション作品について製作出資・製作委員会の組成・共同運営ならびににプロデュース事業を実施した。

しかしながら、アニメ事業においては、複数社がリスクヘッジを行いながら作品ごとに出資を行う「製作委員会方式」による投資効率が悪化し、また当該方式によらないスキームの作品づくりが顕著となっている。そのような事業環境の中、そのため計画通りに委員会組成が実現せず、メディア事業におけるプロデュース作品の制作受託収入、放送事業収入が期初の予想を下回った。

一方で、機動戦士ガンダム40周年に関連する「機動戦士ガンダム×HELLO KITTY」「EneKeyデビュー×ガンダムTV放送40周年記念コラボ」等の販促キャンペーンは期初の計画通り推移した。就職情報事業を行う子会社ジェイ・ブロードの業績は採用広告収入が減少し、売上高減少の要因となった。


(ライツ事業)
売上高は51億3800万円(同12.5%増)、営業利益21億3500万円(同8.4%増)だった。「ガンダム」シリーズについては、玩具、アーケードゲームおよび遊技機に関する版権収入が増加し、また機動戦士ガンダム40周年に関連する版権収入が増加した。「ガンダム」シリーズ以外については、同社が出資したアニメーション作品の二次利用が好調に推移し、出資製作委員会からの配分金収入が増加した。


(スポーツ事業)
売上高は8億8900万円(同26.0%増)、営業利益8300万円(同24.1%増)だった。「プロ野球12球団×ガンダム40周年」コラボレーションの実施による収入が増加した。


なお、2020年8月期の見通しは非開示。すでに発表があったように、バンダイナムコホールディングス<7832>による公開買付のため、上場廃止となる見通しとなっているため。
株式会社創通
https://www.sotsu.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社創通
設立
1965年10月
代表者
代表取締役社長 難波 秀行
決算期
3月
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