ブロッコリー<2706>は、10月24日、第2四半期(2019年3月~8)の機関投資家・アナリスト向けの決算説明会を東京都内で開催した。それに先立った発表した第2四半期累計(3~8月)の決算は、売上高27億3300万円(前年同期比1.0%減)、営業利益3億4000万円(同1.5%増)、経常利益3億4700万円(同1.8%増)、最終利益2億7700万円(同23.0%増)だった。
決算説明会に臨んだ高橋善之社長(写真)は、「1%の減収となったが、営業利益は1.5%の増益となった。利益の進捗は48%強と計画通りに進捗している。下半期に売上と利益を積み上げる傾向が変わっていない。予想を少しでも上回れるようにしたい」と述べ、通期で上振れの可能性があることを示唆した。
中期計画推進のため、新コンテンツ育成のための先行投資を行う一年と今期を位置づけていたが、増益となった要因はなにか。その大きな要因は、売上に占める利益率の高い商品の構成比が増え、売上総利益が伸びたことで、広告宣伝費や人件費など販管費の伸びを吸収したことにある。高利益率の商品として、6月から劇場公開した『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』関連の音楽CDと、トレーディングカードゲーム『Z/X -Zillions of enemy X-』がある。
売上構成の変化は、売上総利益率の変化にも如実に出ている。第2四半期の売上総利益率は45.4%となり、2018年3~5月以降でみると最高の水準となった。また、売上総利益についても、6億6000万円と前期と前々期よりも高い水準となった。
商品構成別売上高では『うた☆プリ』のCDが好調だったことで、CDの売上は約10.1倍となる3億4000万円を記録した。『Z/X』も同38.3%増の4億2200万円と大きく伸びた。一方、『うた☆プリ』関連グッズや他社ライセンスグッズてはイベントの規模や開催時期などの関係から減収だった。『うた☆プリ』グッズについては下期で巻き返しを図る。
コンテンツ別の売上構成は、『うた☆プリ』関連が54.0%と引き続き過半を占めた。『Z/X』も11.8%から16.4%の伸びた。
続く2019年2月通期は、売上高61億円(進捗率44.8)、営業利益7億円(同48.6%)、経常利益7億3000万円(同47.5%)、最終利益5億3000万円(同52.3%)とした。売上高と営業利益は50%に到達していないが、順調に進ちょくしているという。冒頭でも触れたように「下期は上半期よりも良いことが通常」であるものの、通期予想については据え置きとした、としている。
業績予想の前提については、2019年内にリリース予定とした『マルチポイント×コネクション』を2020年春に延期した。また、先日リリースしたゲームアプリ『Z/X Code Over Boost』のほか、2020年発売予定の『ジャックジャンヌ』への広告宣伝を行っていく。ゲームソフトやアプリの開発費、アニメの制作、人件費などが増える見通しだ。
下期の注目は、主力作品『うた☆プリ』のゲームソフトだろう。劇場版が観客動員100万人を突破するなど「大変好調に推移」しているが、Nintendo Switch版のゲーム3タイトルを発表した。1作めを12月に発売し、2020年以降、第2弾、第3弾を発売する予定だ。なお、『劇場版うた☆プリ』の収益配分は今期の計画に見込んでいないとのこと。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブロッコリー
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 鈴木 恵喜
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 2706