【速報4】AbemaTVの売上高は1.8倍の111億円に急拡大 WAU拡大背景に課金売上伸長 広告商品の開発が課題 今期から赤字額は徐々に減らす方針
サイバーエージェント<4751>の藤田晋社長(写真)は、本日(10月30日)開催の決算説明会で、「AbemaTV」を中心とする先行投資中のサービスの売上高について、前の期比で1.8倍の111億円と急拡大したことを明らかにした。営業損益の赤字ついては、計画どおり203億円と前の期からは微減となった。営業赤字が200億円程度になるように、売上を伸ばしつつ投資を行うとしていたが、ほぼ見込みどおりの着地となった。
WAU(週次アクティブユーザー数)が1000万人に到達するなど拡大したことに伴い、有料会員である「Abemaプレミアム」の会員数も伸びた。2019年9月末時点で、有料会員数は51万8000人に達したという。藤田晋社長は「手応えを得たのは最近だが、有料会員数を伸ばすような施策に力を入れていきたい。前期のペースとは違う角度で伸ばしたい」という。
WAU拡大の背景には、オリジナル番組を強化したことがあげられる。山里亮太さんと蒼井優さんの結婚会見や、宮迫さんの謝罪会見、台風19号など、「何かあればAbemaTVが中継してくれる」という習慣ができているという。またユーザー数が定着できるように、恋愛リアリティショーなどオリジナルの番組を増やしていったことも効果を発揮した。
ただ、同時に、WAUの伸びに対して広告売上が十分に拡大していないとも明かした。テレビのように視聴率が伸びれば広告収益も伸びるような仕組みを作れていないという。営業を担う代理店が景況感の悪化を背景に、テレビを中心に広告枠の販売を行っており、AbemaTVが「後回しになっていた」という事情もあるとのこと。
広告に関しては、商材開発が必要との認識を示した。Googleの検索連動型広告や、Facebookなどのインフィード広告などに匹敵する商材が必要とした。「広告効果のあるフォーマットが作れるといいが、その開発が絞りきれていない。プロダクト会議を週1回やっており、何か当たればぐんと伸びる。広告主とともに試しながらやっている」。
なお、AbemaTVには2017年9月期から2019年9月期にかけて、毎期200億円の赤字になるような投資を行うとしていたが、今後は赤字額を徐々に減らしていく取り組みを行う。オリジナル番組とともに、マネタイズを強化することで、2020年9月期は170~180億円の営業赤字に収めたい考えだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751