【コロプラ決算レポート】「『DQウォーク』が落ち着くも『黒猫』と『白猫』が復調」(馬場社長) MAGES.の買収、コアエッジの事業譲受と2つのM&Aを実施


コロプラ<3668>は、5月14日、2020年9月期の第2四半期累計(10~3月)の連結決算を発表、 売上高223億5400万円(前年同期比13.9%増)、営業利益74億2200万円(同15.0倍)、経常利益74億600万円(同151.1倍)、最終利益52億9600万円(前年同期6800万円の赤字)となった。

今回は同日実施されたオンライン決算説明会の内容も踏まえて、その内容をまとめてみた。
 

■『DQウォーク』が落ち着くも『黒猫のウィズ』と『白猫PJ』が復調


まずは、第2四半期期間(1~3月)の業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比0.3%減の111億5900万円、営業利益は同7.9%減の35億5900万円、経常利益は同5.3%減の36億100万円、最終利益は同3.8%減の25億9700万円となった。

前四半期に爆発的な大ヒットとなった『ドラゴンクエストウォーク』(以下『DQウォーク』)の勢いがやや落ち着いた一方で、周年イベントを実施した『クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ』や、ユーザーからの人気が高い「茶熊イベント」を開催した『白猫プロジェクト』が復調し、売上高は前四半期比でほぼ横ばいの推移となった。
 

なお、利益率が低下しているが、これは売上高はネット計上(レベニューシェア分)となる『DQウォーク』の全体に占める比率が相対的に下がったことが大きな要因と思われる。つまり自社配信タイトルの売上増により、PF&決済手数料が増加しているためとなる。

一方で、広告宣伝費については、新作のリリース遅延などにより、当初見込みの9億円を下回った。
 

第2四半期期末のグループ全体の従業員数は、前四半期比で13名減の1337名となった。なお、次の第3四半期には、新卒入社と2つのM&Aで約250名がグループに加わる予定だという。
 
 

■MAGES.のグループ入り、コアエッジの事業譲受と2つのM&Aを実施


リリース時期別売上推移を見ると、売上全体の規模感は3四半期連続でほぼ横ばいの推移となっているが、この四半期は「リリース後から『DQウォーク』は落ち着くも、『黒猫のウィズ』を含むFY13もの、『白猫PJ』を含むFY14ものが復調した」(馬場社長)ことにより、リリース時期によるバランスがより分散した中身となっている。

なお、『アリス・ギア・アイギス』が周年記念イベントを開催したFY18ものも売上を伸ばしている。
 


海外展開については、新型コロナウイルスの影響により、新たな取り組みは一旦見合わせているという。
 

して、この四半期の大きなトピックスとして、将来を見据え、競争力の向上を目的としたM&Aを2件実施した。1つは、総合エンターテインメント企業であるMAGES.のグループ入りで、オリジナルIPと新しいエンタメの創出力という同社の強みを生かして、「新しい遊び方の提案」を加速させていくとしている。

もう1つは、コアエッジのオンラインゲームの企画・運営・コンサルテーション事業の譲り受けで、こちらはマーケティング領域の強化という部分が大きな目的と言えそうだ。
 
 

■新作パイプラインは11本と変化なし 『白猫PJ』の「鬼滅の刃」コラボは総じて好評


スマートフォンゲームの新作パイプラインは、前四半期と変化なく、11本となっている。その内訳も自社IPタイトル(自社IP派生タイトル含む)が7本、他社IPタイトルが4本と変わりなく、その開発状況に大きな変化はないもようだ。

なお、「新しい遊び方の提案」を目指した馬場社長直轄の新作「ライブエンターテインメントPJ」は今期リリース予定だという。
 

なお、2020年9月期通期の予想は非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、グループの業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難としている。

新型コロナウイルスによる影響は、既存タイトルでは大きな影響はなく、外出の自粛により、DAU(日次アクティブユーザー数)、プレイ時間、継続率が伸長傾向にあるという。一方で、在宅勤務の影響で作業効率が悪化することで、既存タイトルのゲーム内外イベントの延期や中止、新作タイトルのリリース遅延などが発生する可能性があるという。

『白猫PJ』は、4月下旬から大人気の他社IP「鬼滅の刃」とのコラボを実施しており、総じて好評を得ているとのこと。反省点は「コラボによるユーザー増加でサポートセンターがパンクしたこと」(馬場社長)としていた。
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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