ネクソン、6月中間決算は最終利益21.1%減の549億円 韓国『メイプル』『アラド』苦戦、人件費やロイヤリティも圧迫 暗号資産で45億円の再評価損

ネクソン<3659>は、この日(8月11日)、2021年12月期の6月中間決算(IFRS)を発表し、売上収益1443億円(前年同期比2.0%減)、営業利益587億円(同14.0%減)、税引前利益774億円(同10.6%減)、最終利益549億円(同21.1%減)と2桁の減益だった。

 

・売上収益:1443億円(同2.0%減)
・営業利益:587億円(同14.0%減)
・税引前利益:774億円(同10.6%減)
・最終利益:549億円(同21.1%減)

 

  

■オーウェン・マホニー社長
「ネクソンのクリエイティブチームは、 既存タイトルの改良に努め、 また様々な市場及びプラットフォーム向けに新作タイトルの開発を 進めています。豊富なパイプライン、そして当社が保有するIPの 潜在価値を最大化するための大胆な取り組みを含む成長戦略を通じ て、更なる成長を目指して参ります。これらの取組み一つ一つが、 当社を新たな成長軌道に乗せ、 将来の業績に著しい成長をもたらす可能性を持っています。」

 

第2四半期においては、高い比較対象である前第2四半期との比較により、売上収益が前年同期比で減少した。

韓国においては、『EA SPORTS FIFA ONLINE4』及び『サドンアタック』(Sudden Attack)が前年同期比で成長したが、『メイプルストーリー』(MapleStory)及び『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)の売上収益が前年同期比で減少したことから、PCオンラインゲームの売上収益は前年同期比で減少した。

『メイプルストーリー」(MapleStory)については、2月後半に発生した確率型アイテムに関するユーザーからの指摘に対応し、補償の提供や有料確率型アイテムの確率公開、ユーザーとの対話など、あらゆる対応を迅速に進めてきた。その結果、2月から減少していたアクティブユーザー数は、4月後半以降安定化し始め、6月17日に実施した夏季アップデートにより、6月後半には一定の回復が見られた。現在も信頼回復に向けた取り組みの途上であり、アイテム獲得率のモニタリングシステムの導入や、ユーザーフィードバックをもとにしたゲームエクスペリエンスや利便性の向上など、これからもユーザーの信頼回復及びより良いゲーム作りに注力していく。

モバイルゲームでは、『V4』及び『KartRider Rush+』の売上収益が減少したものの、『風の王国:Yeon』(The Kingdom of the Winds:Yeon)による増収寄与や、『EA SPORTS FIFA ONLINE 4M』の成長により、売上収益が前年同期比で増加した。その結果、韓国全体では、売上収益が前年同期比で横ばいとなった。

中国においては、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)については、ユーザー指標の減少が続く中、6月17日に実施した13周年アップデートによりユーザー指標が反発したが、第2四半期全体としては、アクティブユーザー数及び課金ユーザー数が前年同期比で減少した結果、売上収益は減少した。

日本においては、前の期に配信を開始した『V4』及び『EA SPORTS FIFA MOBILE』に加えて、第1四半期に配信を開始した『ブルーアーカイブ』(BlueArchive)の増収寄与があったものの、『TRAHA』や『メイプルストーリーM』(MapleStory M)の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。

北米及び欧州においては、主に『メイプルストーリー』(MapleStory)及び『メイプルストーリーM』(MapleStoryM)が増収したものの、『Choices:Stories You Play』の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。

その他の地域においても、『メイプルストーリー』(MapleStory)及び『メイプルストーリーM』(MapleStory M)が増収したものの、『KartRider Rush+』や『V4』の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。

費用面では、主に韓国における新報酬制度の導入による人件費の増加や、『風の王国:Yeon』(The Kingdom ofthe Winds:Yeon)と『EA SPORTS FIFA ONLINE4』に係るロイヤリティ費用の増加により、売上原価が前年同期比で増加した。販売費及び一般管理費は、広告宣伝費やモバイルゲームによるプラットフォーム手数料が減少した一方、韓国における新報酬制度の導入やストック・オプション費用の増加による人件費の増加及び研究開発費の増加により、前年同期比で増加した。

また、第2四半期において外貨建ての現金預金等について為替差損が発生したが、前第2四半期にこれを上回る為替差損が発生していたことから、前年同期比で金融費用は減少した。

加えて、第2四半期に投資した暗号資産について、暗号資産の市場価格の変動により、再評価による損失45億円を計上している。

報告セグメントの第2四半期累計の業績は、次のとおり。

①日本
第2四半期累計の売上収益は23億円(前年同期比20.4%増)、セグメント損失は47億円(前年同期は12億円の損失)となった。

② 韓国
第2四半期累計の売上収益は1316億円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益は638億円(同15.6%減)となった。韓国セグメントの売上収益には、子会社であるNEXON Korea Corporationの傘下にあるNEOPLEの中国におけるライセンス供与に係るロイヤリティ収益が含まれる。

③ 中国
第2四半期累計の売上収益は17億円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益は10億円(同9.0%増)となった。

④ 北米
第2四半期累計の売上収益は80億円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は7億円(同5億円の損失)となった。

⑤ その他
第2四半期累計の売上収益は5億円(前年同期比55.4%減)、セグメント損失は22億円(同10億円の損失)となった。

 

■第3四半期の見通し

続く2021年12月通期の見通しは非開示。第3四半期累計のレンジ予想を開示しており、売上収益2096億円~2158億円(同7.5%減~同4.8%減)、営業利益788億円~840億円(同17.8%減~同12.3%減)、税引前利益982億円~1034億円(同10.3%減~同5.5%減)、最終利益699億円~738億円(同18.7%減~同14.1%減)とした。

 

・売上収益:2096億円~2158億円(同7.5%減~同4.8%減)
・営業利益:788億円~840億円(同17.8%減~同12.3%減)
・税引前利益:982億円~1034億円(同10.3%減~同5.5%減)
・最終利益:699億円~738億円(同18.7%減~同14.1%減)

 

 

株式会社ネクソン
http://www.nexon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ネクソン
設立
2002年12月
代表者
代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
決算期
12月
直近業績
売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3659
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