【決算レポート】Aiming、第2四半期は"季節要因"で減収減益 『DQタクト』広宣費増で第3四半期も大幅減益に

Aiming<3911>の第2四半期(21年4月~6月)の連結決算は、売上高25億4000万円(前四半期比[QonQ]28.2%減)、営業利益3億8900万円(同31.2%減)、経常利益3億8600万円(同25.7%減)、最終利益3億3300万円(同23.6%減)とQonQで減収減益だった。

『ドラゴンクエストタクト』が前四半期でハーフアニバーサリーイベントなどが行われたこともあり、この四半期は反動減のような格好となった。ただ、広告宣伝費も抑制しており、営業利益率は維持できたという。

・売上高:25億4000万円(同28.2%減)
・営業利益:3億8900万円(同31.2%減)
・経常利益:3億8600万円(同25.7%減)
・最終利益:3億3300万円(同23.6%減)

 

まず、売上高について見ていくと、前四半期は『ドラゴンクエストタクト』のハーフアニバーサリーや、各タイトルで年始イベントなど季節要因の反動があったことに加えて、前四半期においては4月に予定していた受託案件の検収が前倒しで完了したことも減収要因となった。減少幅は予想よりは抑えることができた。

 

費用面では、売上原価、販売管理費ともに減少した。これはロイヤリティやプラットフォーム手数料など売上と連動する費用が減少したほか、前述のように広告宣伝費を抑制したことが奏功した。費用を抑えたものの、売上高が減少したことで営業利益と経常利益、最終利益はいずれも減益となった。

  

■第3四半期は大幅減益見通し

続く第3四半期(7~9月)の業績見通しについて、売上高29億0400万円(前四半期比14.3%増)、営業利益2億0200万円(同48.1%減)、経常利益2億0200万円(同47.7%減)、最終利益1億8100万円(同45.6%減)と増収・大幅減益になる見通し。

・売上高:29億0400万円(同14.3%増)
・営業利益:2億0200万円(同48.1%減)
・経常利益:2億0200万円(同47.7%減)
・最終利益:1億8100万円(同45.6%減)

  

『ドラゴンクエストタクト』の周年イベントの開催で売上を伸ばすものの、テレビCMを中心に広告宣伝を大規模に行うためだ。販売管理費がQonQで3億4600万円増える。

「オリンピック開催期間中ということもあって、テレビを見ている方も多いと思うが、テレビCMはかなりの頻度で流れている。『そんなにかけるのか』とリアクションしたほどのお金をかけて広告宣伝を行っており、復帰や新規ユーザー獲得で手応えを感じている」。

リリース1周年のイベントに加えて、通常よりも多くの人がテレビを見ているタイミングをプロモーション上のチャンスと判断し、目先の利益獲得よりも今後につながるアクティブユーザーを増やすことで、『DQタクト』を収益の柱として長く運営していくことを優先した。

 

■新作パイプライン

新作パイプラインとしては、新たに「箱庭型アバターゲーム」を共同開発していることを明らかにした。Aimingがパブリッシャーとなり、2021年中に配信する予定。椎葉社長は、「箱庭型アバターゲーム」のタイトルやゲーム内容については言及しなかったが、やや女性向けに寄ったタイトルになるという。

それほど大きな開発規模ではないことから、「ものすごく大きな売上や成功があるジャンルではないが、クオリティの高いゲームを得意とする会社と組むことで堅実な売上増加を見込める」と述べた。

これ以外にも2022年から2023年に向けて3~4タイトルを配信する計画。IPタイトルや有名なプロデューサーを起用したタイトルなどを用意している。

受託も行っており、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』題材のゲーム開発のほか、他社でサービス提供中のタイトルの開発・運営を受託することも明らかにした。運営受託は、発表済みの『無職転生~ゲームになっても本気だす~』に続く2タイトル目となる。

「Aimingとしては珍しく、運営中のタイトル運営を受託する。規模はかなり大きく、しっかりとした売上のあるタイトルだ。このタイトルのクオリティを保てる会社として選んでいただいた」とコメント。以前の決算説明会でも『ドラゴンクエストタクト』のクオリティの高さから引き合いが増えているとのコメントがあったが、受託にもプラス効果が出ているようだ。

なお、運営中のタイトルについては、自前で開発したわけではないため、一定期間、現在の運営チームとの間で引き継ぎを行う必要が出てくる。引き継ぎ完了後、月々の開発・運営費に加えて、売上に応じたインセンティブなどが計上されるものとみられる。