【決算レポート】DeNA、第1四半期はスポーツ復調とPococha成長で営業黒転 Cygamesの貢献で最終急拡大 「ダンマクカグラ」は初動好調

 

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>の第1四半期(2021年4~6月)連結決算(IFRS)は、売上収益340億5400万円(前四半期比0%増)、営業利益54億7100万円(前四半期は28億2500万円の損失)、税引前利益176億2600万円(同2262.7%増)、最終利益144億5500万円(同291.4%増)と大幅増益となった。

・売上収益:340億5400万円(同0%増)
・営業利益:54億7100万円(同28億2500万円の損失)
・税引前利益:176億2600万円(同2262.7%増)
・最終利益:144億5500万円(同291.4%増)

 

 

営業利益については、ゲーム事業が季節要因で減益となったものの、横浜DeNAベイスターズを中心とするスポーツ事業がシーズン開幕もあって大きく収益が回復したほか、ライブストリーミングが順調に成長したことで大幅な増益となった。

また、『ウマ娘 プリティーダービー』が大ヒットしたCygamesの好調な業績が反映されたことや、Mobility Technologiesの第三者割当増資による一時収益(44億円)による持分法投資利益が大きく伸びたことを受けて税引前利益と最終利益が急拡大した。

 

 

■ゲーム事業

・売上収益:188億円(同18.3%減)
・営業利益:33億円(同23.2%減)

国内の既存タイトルが経年とともに売上、利益ともに漸減した。その一方、『スラムダンク』をはじめとする海外事業は堅調に推移した。新規タイトルについては順調に仕込みが進んでいるという。

 

今後の成長をけん引する新作の動向は以下のとおり。

・『東北ダンマクカグラ』:8月4日にリリースした。マーケティング施策が奏功したこともあるが、「想定よりもずっと多いダウンロード数」となっている。内外での評価も高く、「初速の感触は非常に好調」(岡村信悟社長)。
・『ドラゴンクエスト ダイの大冒険-魂の絆-』:2021年秋に多言語で配信開始する予定。
・『タクトオーパス』:10月5日よりTVアニメを放送し、2021年にゲームを配信する。
・『キャプテン翼』:中国で開発している。IPとしても非常に有力だが、グローバルにパブリッシングしていく。

  

■ライブストリーミング

・売上収益:79億円(同17.9%増)
・営業利益:16億円(同33.3%増)

国内のPocochaは、「高いポテンシャルをもちながら」成長フェーズが続いている。ライバーが増加し、効果的なマーケティング施策でリスナーの獲得も進んでいる。「ライバーとリスナーで居心地の良い場として利用されており、双方の交流が活性化しながら、アクティブユーザーも課金者も積み上がっている」という。

 

新しいジャンルとして、IRIAMを子会社化した。出資以降、ライバー、リスナーの獲得、イベント施策などPocochaの運営で得たノウハウ提供などで協力してきたが、ダウンロード数、月ごとの平均DAU(日次アクティブユーザー数)が伸びている。「今後も運営ノウハウや経営リソースのいっそうの共有・活用を通じて成長を加速させたい」。

 

このほか、「Pococha」米国版のサービスを開始した。日本の初期の状態を比較しながら、サービス内の施策の工夫や、体制構築などを行ってきた。「規模としてはまだまだ小さい」が、ライバーとリスナーは徐々に伸びている。引き続き改善を進めながら、マーケティング施策などを行って伸ばしていく考え。

 

■スポーツ

・売上収益:58億円(同190.0%増)
・営業利益:10億円(同21億円の損失)

観客動員数など新型コロナの影響を引き続き受けており、一昨年のコロナ前の水準には及ばないが、プロ野球シーズンの開幕とともに売上と利益と大きく回復した。「コロナ下であっても事業としてのスポーツを成り立たせることが可能になってきた」。

 

■ヘルスケア

・売上収益:4億円(同33.3%減)
・営業損失:4億円(同3億円の損失)

投資継続だが、順調に進展している。第一生命と協業して女性向けコミュニティサービスや、子会社化した日本テクトシステムズの提供する高齢者向けのサービスなど、ユーザーに寄り添ったサービスが増えている。非連続な成長を達成し、3年以内にヘルスケア事業全体での大きな損益反転を目指していく。

 

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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