【CEDEC 2021】IPホルダーにとってのNFTとは 「事業者視点から語るNFTの現状と展望について」をレポート

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、8月24日~26日の期間、オンラインにて、国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2021」(CEDEC 2021)を開催した。

本稿では、8月26日に行われたTokyo Otaku Mode COO 安宅 基氏とオタクコイン協会 酒井 俊祐氏による講演「事業者視点から語るNFTの現状と展望について」をレポートする。

  • 安宅 基氏

  • 酒井 俊祐氏


本講演では、これからNFT事業に参入する事業者、特にIPホルダー向けに、NFTをどうビジネスに活かすか、そもそもNFTに可能性があるのかと、Tokyo Otaku Modeでの知見を紹介した。なお本講演については、複雑なブロックチェーン領域ということもあり、安宅氏が酒井氏からの質問に答えるQandA 方式で行っている。また講演向けのスライド(資料)も存在しないため、必要に応じて編集部内で画像を加えたかたちでお届けする。

まず安宅氏が、自身のブロックチェーンへの取り組みを紹介した。

安宅氏は、Tokyo Otaku Modeの共同増業者で、ブロックチェーン分野には3〜4年ほど関わっているそうだ。ブロックチェーンに関しては1社で立ち上げるのではなく、法人個人を問わず周りの協力(DAO)を得ながらコミュニティで成り立たせるものであるとして、色々な企業が参加しやすい社団法人オタクコインを設立し運営しているという。日本では法的な問題、税金の問題など不透明なところがあるので研究をしながら機会をうかがっているという。

NFTが浸透してきたのは2021年。まさに今年ではあるが「代表的なユースケースにはどういったものがあるのか」というのが、酒井氏の最初の質問だ。

「今年始めに一度ブームになり、その後冷めた期間があった」という安宅氏。ただしブロックチェーンゲームでNFTで使われるたため、特に海外中心にまた流行りだしているそうだ。中に一ヶ月で売上が100億円を超えるようなタイトルもあったとか。

これまでのゲームとは異なり資産を帯びているため、お金を稼げるかもしれない状況が生まれているのがブロックチェーンゲーム。遊ぶことで、様々なNFTを獲得し、そのNFTと他のNFTをかけあわせることで、また新しい価値が生まれるという。なおそういったゲームの代表例として安宅氏は「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」を挙げていた。


「ではIPホルダーという観点でNFTを見るとどうだろうか」というのが続いての質問。「IPホルダーであればアート関連を意識する企業も多いのでは」と尋ねる酒井氏。

安宅氏は「NFTは1点もの。デジタルデータではあるけれど、世界でこれ一つですよというのが証明できてしまう技術。1点ものアートの世界とはすごく相性が良かった」と見解を述べた。

ビープルというアーティストのNFTアートに75億円の値がついた。約10年間、5000日以上毎日1枚づつ絵を書いていた。それを続け"5000日間の私"といったような作品をオークションハウスにかけたのが75億円で落札された逸話を安宅氏は紹介。このときにNFTとはなんだと世界中で話題になったと当時の状況を振り返った。

アート領域とは少々異なるものの、スポーツチームx文脈のようなNFT事例もある。特に日本企業ではフィナンシエが、その領域に力を入れていると酒井氏が紹介した。

安宅氏によれば、アメリカでは、プロバスケットNBAを題材にしたトレーディングカード「NBA Top Shot」があるという。コロナ禍でなかなかイベントや試合ができない、デジタル上でなんとかできないのか。そんな状況もNFTとはまったとのことだ。

「NBA Top Shot」は、NFTのそもそもの概念、技術を生み出したDapper Labsと共同で行っている。そんな「NBA Top Shot」も金額としては3ヶ月で400億円、今年で見ればすでに800億円を越えた額が動いているという。「NBA Top Shot」は一気にその規模のビジネスまで成長したと例を挙げた。



続いての話題は安宅氏のYoutubeチャンネルについて。というのも、同士のチャンネルではNFTに関連した内容を配信しているからだ。安宅氏よれば、もともとブロックチェーンのカテゴリー内で言うと、DeFI(分散型金融)が2020年に流行し、その後にNFTがきたという。そのため検索では「Defi x NFT」での流入があるようだ。関連の動画では、登録者以上の再生数になることもままあるほど人気となっているという。

そんな安宅氏は、NFTそのものをどう見ているのか。同氏によれば「NFTは電気のようなものでインフラ技術」と定義しているそうだ。あらゆる物理的なグッズがデジタルグッズに置き換わるときにNFTが必ず必要になる、というのがその理由だ。またNFTはデジタルだけど在庫を設定できるため、膨大な数のグッズが生まれる。

NFTは応用範囲も広く語れることが多くあるため、アート一点モノのような作品や商品は、実は極一部なのではないかというのがその見解だ。(安宅氏)

続いてはオタクコイン協会のNFTの取り組みについて。

安宅氏によれば、3年ほど前、NFTの概念ができたその直後くらいから取り組んでいるそうだ。グッズをデジタル化できるため、アニメやゲームとかけあわせたらどうなるかを研究するためプロジェクトを始めたという。今年(2021年)に入ってNFTを持ってみたいという欲やニーズが見えてきており、以前よりオタクコインという活動をやってきた流れで、そのロゴデザインを利用し、様々なファングッズファンアイテムを作ったところ好評だったそうだ。

そんな中で「手応えのあったプロジェクト」はどういうものだろうか。

世界に100枚しか無い、その中で自分が何番を持っている。シリアル番号の何番を持ちたいといったコレクション性のあるものに手応えがあったそうだ。(安宅氏)



また「東北ずん子」のプロジェクトにも言及。同キャラクターはコミュニティの活性化のために2次創作に対して寛容な姿勢で展開しているという。そこで公募で2次創作を募集し、権利を許諾し、2次創作のオークション販売を行ったところ、1作品あたり1万5千円、高いもので25万円もの値がついたと実例を挙げていた。

今までのデジタルアートはコピーし放題のため、壁紙を少額で買うくらいの事例だった。「NFTの登場によってリアルな物のにように販売でき、しかも世界で売れる状況には可能性を感じた」と安宅氏は話す。

酒井氏は「2次創作の例はすごく面白い」と共感しつつ、「NFTの影響によってメタバースなど様々な展開が広がっていく様子はすごく未来」と語った。

それを受けて安宅氏は「ソードアートオンラインのような世界が来るだろうなと思われていた。ただし難しかったのはその中の通貨作ること、デジタルに価値をもたせるというところだった。データのコピーがやりたい放題だったこともあり、実現できなかった背景がある。それがブロックチェーン技術で、ファンジブルトークン、ノンファンジブルトークンでユニークになり、一気に変化するポイントだったのでは」とし、ブロックチェーンによってこれまで困難だった状況に変化が訪れたことを語った。

お題はそんな近い未来の話から、現実的なビジネスの話へ。「ぶっちゃけ儲かったのか?」という内容だ。

特に今年2〜3月は、ちょっと過剰なくらい熱量が上がったため価格にプレミアがついていたそうだ。「今ここで参加しないと、お得なところを逃すのではないか、そういうバブルチックな加熱があった」と安宅氏は振り返り、そのタイミングで売却したNFTは、想定以上の価値であったのではと推測した。

そういう意味では前半は儲かった。後半は落ちついてき、そのIPに応じた売上になっているのではいうのが答えだそうだ。ただしNFTについては、現在の価格だけでは推し量れない価値を秘めていることがあるとしている。


▲「クリプトパンクス」

例えば今年ピクセルアートとして話題になっている「クリプトパンクス」は、1万種類ほどのキャラクターの絵で、製作にも恐らくそこまでコストが掛かっていない。ただしNFTやブロックチェーンの世界で見れば、3年ほどたった歴史のあるもので似たようなものはなかった。今はその一枚100〜200万円程になっている状況を説明。

製作コストという点で見ればそこまで価値があるのかと見えてしまうが、その歴史的な背景や意義を組み合わせたときに価値が変わってくると安宅氏はいう。

75億円でNFTアートが落札されたビープルも「物理世界からデジタルへの切り替えができたよという証明。その歴史的な転換の記念碑で見れば安いのでは」というのが安宅氏の見立てだ。儲かったという視点では、たしかにNFTバブルで儲かったが、将来から考えるとその価格は安すぎたかもという視点に変わる可能性もあるという。

その裏付けとして安宅氏は「野球のチャリティなどのオークションで、スパイクが5億で売れたりする。それはその人達レジェントが生み出した、試合に関わったところの価値」とし、そういった観点からコレクション的なもの限定感のある、歴史的な価値という見方をした際の価格は、これからどうなるかわからないと今後への期待を語っていた。(安宅氏)

続いての質問は「NFTはNFTコレクターしか購入していないでは」という内容。酒井氏からオタクコインプロジェクトの購入層についての質問がされた。

安宅氏は「オタクコインの例で言えば、当時仮想通貨(暗号資産)ファンの日本人がオタクコインのNFTを買っていたのではないか」とのこと。ブロックチェーンではアドレスをたどれば、どういうNFTを所有しているか分かるため、その属性が推測できたそうだ。また購入者には海外の人も相応の数がいたようで、安宅氏いわく「海外ユーザーが利用するNFTマーケットプレイス「Rarible」を利用し、ある意味狙ったとおり」でもあったという。

その一方で安宅氏は「そのため一般のコンテンツを楽しんでるファンは2〜3割ほどで、どうすれば裾野を広げられるか」と現在の課題を明らかにした。

酒井氏もこれには思うところがあったようで「NFTを利用する際には、メタマスク(暗号資産などを取り扱うウォレット)の設定が必要で、普通に生活している人からしたら、これは相当ハードルが高い。」と同意した。

実際ブロックチェーンおいては、ウォレットというこれまでになかった概念が出てくる。加えて秘密鍵などこれまでとは異なる管理になり、そこでまたもう1段ハードルが上がってしまう。ブロックチェーンの仕組み上、運用者がいないため、秘密鍵を失ったら二度と取り戻せないといった理解も必要になってくる。安宅氏は「そういった点において、一生理解できる時期が来ないのではないかとさえ思った。」とその複雑な状況を説明した。

次のお題はそんな複雑な内容をベースにしたブロックチェーン・NFTを初めての人に販売する際にどうすればいいのかというもの。そこで必要なのは「UI/UX」だろうと安宅氏は説明した。

例えば高級車を買ってその場で手に入ることはまれであり後日納品一般的。それと同じようにNFTを交換できる引換券を最初に買ってもらって、クレカやコンビニで決済してもらうというやり方だ。購入後に手続きとしてメタマスクを入れてくれないと受け取れない。そうすれば、ハードルを乗り越えてくれてるという。受け取る必要があるので動画を見ながら、やってもらうのが結構うまくいってえると、安宅氏は実例を紹介した。

続いてはマーケティング面の話。オタクコインの販売の際には、ツイッター上で度々トレンド入りをはてしていた。盛り上がり月曜となるが、その秘訣についてだ。

オタクコインの手法としては、ヤフートピックやワイドショーなどでNFTが取り上げられた際に、キャンペーンやマーケティングを仕掛けられたかという点だそうだ。

NFTを触ってみたいものの多くの人が未経験の状況。そんな中で簡単に触れるようにしたキャンペーンを行ったことが功を奏したのではという。参加者が無償キャンペーンで無料配布したことに価値をを感じて、RTしてくれたのでバズったとのこと。そのため盛り上げのために、どんな価値を感じてもらうのが大事とした。

ではコンテンツと盛り上がりの相関に関連はあるのだろうか。そんな疑問が次のお題となる。結局IP次第で、鬼滅の刃や呪術廻戦がNFTになったら売れる。そういう印象持ってる人が多いと思うと酒井氏は疑問を呈した。

これに対して安宅氏は「NBA Top Shot」のように、もともとIPやコミュニティが強力、ブランド力が高いところのNFTが売れるのは間違いないと言う。一方でこれからの育つブランドやIPでもNFTの特性をうまく活用すれるとブランドやIPが生まれたりするので、両方にとってもチャンスはあるというのがその主張だ。

わかりやすいところでいくとスーパーファミコンが発売になった際に、キャラクターやがIPが強くなった経緯がある。スマートフォンが出たときに強くなったIPもある。つまりデバイスやプラットフォームが変わるたびに、強いIPが生み出されてる状況というわけだ。「クリプトパンクス」もブロックチェーンの世界で親和性のあるIPで、始めた時期も最適で人気になった経緯がある。

日本でのわかりやすい事例はまだ出てきていらず、新しいチャンスが有るのではと、安宅氏は今後の展開に期待していた。

そんな話の流れから「チャンスを掴むため、NFT時代に欠かせない要素とはなんだろう」という酒井氏の質問に対して、安宅氏は次のように述べた。

「NFTは特性的にいうと人に見せられる、自分がこれを持ってるって証明でき、交換できるもの。ネットの世界で見せあえるものがマストだという。一人で持ってるならブロックチェーン使う必要がないためだ。そういうアイテムを使ったコミュニケーションができるかが大事。特にグローバルで非言語で対応できるようなキャラクターはすごく強くて相性がいい」という。

その中でも安宅氏は「Hashmasks」というプロジェクトを成功例してあげていた。「Hashmasks」は、それ1枚1枚がアートになっているキャラクターがおり、仮面のようなものを被っているそうだ。発行数としては1万7千枚ほどになる。


▲「Hashmasks」

製作には70名程の無名のクリエイターが関わっており、2年ほどかけて販売したという。その全てが即完売して10億円くらいになったとのことだ。

「Hashmasks」がうまい点として、1万7千枚のなかで1枚1枚がストーリーを持っており、特定のアートを組み合わせることで、謎が解ける仕組みになっている。これがコミュニティを盛り上げて、コミュニケーションのきっかけになっているそうだ。

ベースとして絵の力も持っているけれど、それ以上にコミュニケーションを促進させる種が盛り込まれているの重要と強調、「良い事例で新しいIPの目指し方の一歩」と安宅氏は語った。

プロ野球カードであれば選手には背景があり、そこにストーリーが生まれていく。アートワークであってもピカソやゴッホのように、劇的な人生を歩みそれ自体が作品になっているものもあるが、一般的なはない話だ。そういった意味で「ハッシュマスク」はコレクション全体の設計としてヒントになるのではないかと続けた。

そういった背景を持たせるという意味ではゲームも最適だという。その理由として、ゲームはニーズを世界観の中で生み出せるため、企画次第でその物語・背景を成立させられるという。

このことから安宅氏は競馬のNFTカードがこれからブームになるかもしれないと予想しているようだ。安宅氏自身が『ダービースタリオン』をやり込んでいたそうで、その経験から馬が一体一体NFTになっており、生まれた子供もNFT、成長のために良い人参のNFT、馬同士の交換も可能と非常に相性が良いと持論を語った。

これらも踏まえて「メタバースではやオンラインゲームでは、自分が冒険しているようになると、自身の服を気にしだしたりするので、そこからNFTが始まるのは間違いない」と安宅氏は強調した。

オタクコイン協会の体制についてだ。実際にNFT事業に取り組むとして、どういう体制で取り組んでいるのか。安宅氏がその内情を語ってくれた。

同士によると『自分たちは企画やプロデュース側のためNFTの開発、ウォレットや暗号資産の取扱いは業務委託契約でパートナーに任せている」という。

エンジニアは全くいないわけではないが、レビューや監修を行うといった業務にとどめているのだとか。ブロックチェーンは専門性が高いことに加えて、開発、法、税務などができたての技術なのため、コロコロ変わり、普通のやり方をするとついていけないとのことだ。そのため今は専門的な会社と組むというのがフェーズとして良いのでは。

オタクコイン協会でのケースにおいても、こうすれば大丈夫という確定的なものはない状態だという。直近ではトラベルルールによってマネーロンダリングやテロ対策の観点からNFTもKYC(本人確認)を厳格にする必要があるのではとの議論が出てきているそうだ。

法的な面での懸念を持つ企業は多いのではと酒井さんに対して、ブロックチェーンに強い弁護士がいるので、ネットで検索するのが良い。加えて、どのあたりがNFTを扱うにあたっての論点になるかも情報が出ているのでそれを調べた上で、どういう企画サービスをやっていくか整理するのが良いとした。

続いては新たにNFTビジネスを始めようとする際での課題に関して。

ブロックチェーンはこれまでなかった概念を伝えていく啓蒙に近い活動になるという。例えば社内で上司の説得、実際に動いて貰う人の理解、特に暗号資産に近い領域だとみんな怖がったり、怪しいイメージもある。そこを突破するコミュニケーションが難しいと安宅氏は推測。

ただしNFTに関しては、好きじゃないとか怖いと思っていても波がきている。パソコンからスマートフォンになってモバイル対応をしていった経緯がインターネットにはあり、NFTも避けられない波だろうというのが安宅氏の予測だ。早めに取り組んで、実際にサービスやモノを出さなくてもいいから、研究はしなくてはいけないフェーズではないかと続けた。

そのためにまず社内だけで使えるマイクロなサービスでお礼のトークンNFTをやってみるなどがいいのではと提案した。そうすればウォレットが不便などが肌でわかってくる。人間触れない者に対して懐疑的になりやすいため、キャラやカードを持っていたら嬉しい。そういうこういうことかと分かると安心できると提案した。(安宅氏)


話も終盤に向かい、次のお題はここ数年のNFTの予想に関して。

ブロックチェーンゲームやメタバースが間違いなく3〜5年の間にかならず来るだろうと安宅氏は予測。またその中でキーとなるのは、イーサリアムだという。NFTという概念はそもそもイーサリアムであるが、これまでNFT生成時や移転の際のガス代(手数料)ががすごく高い状況だった。一回鋳造するのに3〜4千円ほどかかっていたが、最近は1千円くらいまで減少したがまだ高い状態だった。ポリゴンなどのレイヤー2と呼ばれる技術が出てきたことや、イーサリアムも2.0へとアップデートがあった。

このことから、ガス代が1円以下の世界でNFTを発行できるようになれば、カンブリア爆発のようなことがNFTで起こるのではというのがその見解だ。ゲーム上で常にブロックチェーンに刻まれるゲームが出てくる。そうなるとスマートフォンゲームもブロックチェーンの仕組みに置き換わってくのではと語った。

またゲームの視点でいうと、NFTは資産性を帯びるためガチャが賭博法に抵触する可能性が高いという面がある。しかしその点においても、日本のゲーム業界団体で、ガチャをできるのではいうガイドラインを提示しており、そこに則った形でできるようになったら、市場が一気に作られるのではないかと今後を見据えていた。(安宅氏)

ではNFTの市場として国の違いはあるのか。安宅氏によれば強いIPを持っているにも関わらず「日本は出遅れてる」状況だという。「ストリートファイター2」のNFTなどアメリカで販売後一瞬で何億円にもなったという。日本であればもっと流行ると予測するも、少し法的に怪しいから出来ないといった話になり、日本本来のポテンシャルが発揮できていない状態になっているそうだ。

安宅氏は、「NFTに限らず新しい技術ができたときに流行りだから使うというのは本質的ではなく、それを使うことのメリットのが大きいところのほうが意義があり、残っていくもの」と強調、「ブロックチェーンを使わないとできないサービスは多くある。例えばNFTとDeFiといったかけあわせは従来のグッズではできなかったこと。こういった組み合わせに+アルファするものや、メタバースの掛け合わせはおもしろいと思うし、そこに本当の将来がある。そこに向けたサービスが出したい。またYoutubeでもNFTについて語っているので見てほしい」と今後の展望を語り講演を締めくくった。