【決算まとめ②】ゲーム関連企業34社の4-6月…営業赤字企業は7社に減少 ボルテージは6月通期も黒字化 モバイルゲーム苦戦のgumiは新作攻勢で逆襲なるか!?

  • 主要モバイルゲーム企業の2021年4~6月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。

    この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の34社中、7社となった。前四半期は10社でやや改善した状況で、特にそれぞれ一時的な費用を計上し、数十億円単位の営業赤字を計上していたディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>とセガサミーHD<6460>、コナミHD<9766>が大幅な黒字に転換していることがその大きな要因と言えるだろう。

    上記の3社以外で黒字転換を果たしたのは、ボルテージ<3639>とエイチーム<3662>の2社だ。ボルテージは、新作『幕末維新 天翔ける恋』の寄与もあり、日本語女性向けのゲームが好調だったことに加え、Nintendo Switch向けや電子書籍など新分野も成長し、2021年6月期は通期ベースでも黒字転換を果たした。このまま安定した利益体質を継続していけるのか、続く2022年6月期も注目されるところだ。

    一方、エイチームは、ライフサポート事業での広告投下に加え、エンターテインメント事業でも『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』など新作の開発費用が先行している状況下での黒字転換ということで、その見た目の数字以上に足元の状況は良かったと言えそうだ。そうした中で、グループの再編、持株会社体制への移行も進められており、2022年7月期の展望をどう描くのかにも関心が募る。

    半面、前四半期の黒字から赤字となったのは、2ヵ月の変則四半期決算のブシロード<7803>と、gumi<3903>の2社となる。gumiは、主力タイトルの配信長期化や新規タイトルの配信遅延などもあって、主力のモバイルオンラインゲーム事業が赤字計上となったことが響いた。ただ、足元は新作『乃木坂的フラクタル』がリリースされ、ストアランキングトップ30圏に入るなど、状況に改善傾向が出ているものと思われる。さらに『ラグナドール』や『ブレイブ フロンティア レゾナ』のリリースも控えており、新作攻勢で逆襲となるのか注目される

    その一方で、大きな衝撃があったのが、XR事業やブロックチェーン事業など新規事業で、これまでこれらの事業をけん引してきた創業者の國光宏尚氏が取締役を退任し、同社の経営から離れることとなった。引き続きこれら新事業を新たな収益の柱として育成していくことができるのか、2022年4月期はそれを占う第一歩となってきそうだ。

株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
企業データを見る
株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
企業データを見る
株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
企業データを見る