メディア工房<3815>は、2021年8月期の連結決算を発表し、売上高19億2900万円(前の期比7.2%増)、営業利益4700万円(前の期は900万円の損失)、経常利益3800万円(同1800万円の損失)、最終利益700万円(同1億4900万円の損失)と増収・黒字転換を達成した。
・売上高:19億2900万円(同7.2%増)
・営業利益:4700万円(同900万円の損失)
・経常利益:3800万円(同1800万円の損失)
・最終利益:700万円(同1億4900万円の損失)
既存事業の収益モデル再構築にあたり、占いコンテンツ事業とメディア事業を統合、新たにデジタルコンテンツ事業へとセグメントを変更し、既存コンテンツの運用強化による収益増及びヒットコンテンツを創出するための体制変更を進めてきた。ゲームコンテンツ事業からの実質撤退による減少要因はあったが、One to One 事業の安定成長に加え、著名占い師を起用した新規コンテンツのヒットと運用強化が奏功し、売上高は前年同期比で増加した。
利益面においては、新規ユーザー獲得に向けた積極的な広告宣伝と、XR/SNS 事業のシステム開発に係るソフトウェアの償却費負担の先行が利益を押下げる要因となったが、売上高の増加に伴う利益増により予測を上振れて着地した。
なお、前期においては、上海子会社の清算に伴う為替換算調整勘定の取崩しによる損失300万円、越境eコマースシステム及びXR/SNS事業に係るソフトウェア等の減損損失3400万円を特別損失として計上している。特別損失に関する詳細は、セグメントごとの経営成績で記載している。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおり。
① デジタルコンテンツ事業
著名かつ訴求力のある占い師の獲得を強化した結果、第3四半期以降、「霊視芸人・シークエンスはやとも」のコンテンツを筆頭にヒットコンテンツが生まれ、売上高は、同で増加した。また、自社Webサイトの運営においては、新型コロナウイルス感染症の長期化により広告出稿が減少する中、サイト内における課金コンテンツの充実や自社コンテンツへの送客に注力したことが奏功した。一方、営業利益においては、積極的な広告宣伝と、ポイントシステム等に係るシステムの減価償却が影響し、前年同期で減少している。
以上の結果、前期におけるデジタルコンテンツ事業の売上高は11億6600万円(同5.1%増)、営業利益3億8800万円(同2.0%減)となった。
② One to One 事業
ユーザーと占い師をはじめとするキャストを電話等で直接結び付ける、双方向のやり取りを特徴とした1対1向けのサービスを行っており、サービスの内容は「占い」と「非占い」の二つに分類されている。売上については、「占い」「非占い」ともに増加しており、特に占いサービスが安定的に成長した。非占いは新規ユーザー獲得のための広告宣伝が先行費用となり損失を計上しているが、事業全体の営業利益は継続して増加している。
以上の結果、前期におけるOne to One 事業の売上高は7億2800万円(同17.1%増)、営業利益8900万円(同41.8%増)となった。
③ XR/SNS 事業
XR/SNS 事業においては、リアルタイム実写立体動画撮影技術を活用したサービスの企画・制作並びに多機能コミュニケーションプラットフォームの開発・運営及びサービス支援を行っている。前期においては、多機能コミュニケーションプラットフォームのシステム利用料が主な収益となり、売上高は同で増加した。なお、利益面については、当該プラットフォームの改修及び追加開発等により、営業損失を計上している。
以上の結果、前期におけるXR/SNS 事業の売上高は2200万円(前年同期は売上高000万円)、営業損失9200万円(同営業損失3800万円)となった。
なお、新型コロナウイルス感染症の流行とその長期化によりリアルタイム実写立体動画撮影が困難となり、受託案件の獲得に影響が生じ、当該立体動画撮影システムによる収益寄与が当初計画に対し遅れている。そのため、当該システム及びこれに関連する特許、商標等に関する減損損失3000万円を特別損失として計上している。XR事業の推進に努める考えで、多角的な利益貢献は、来期以降を見込んでいる。
■2022年8月期の業績見通し
続く2022年8月期の業績は、売上高23億5000万円(前期比21.8%増)、営業利益9000万円(同89.1%増)、経常利益8000万円(同106.0%増)、最終利益5000万円(同595.8%増)を見込む。
・売上高:23億5000万円(同21.8%増)
・営業利益:9000万円(同89.1%増)
・経常利益:8000万円(同106.0%増)
・最終利益:5000万円(同595.8%増)
会社情報
- 会社名
- 株式会社メディア工房
- 設立
- 1997年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 長沢 一男
- 決算期
- 8月
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3815