【インタビュー】「グループ内連携を強化しIP軸戦略を推し進めること」 バンダイナムコネクサス手塚社長が語るバンダイナムコグループ内での本当のミッションとは

木村英彦 編集長
/

バンダイナムコネクサスは、今年3月、BXDから現在の社名に変更した。社名変更を知らせるプレスリリースで以下のように述べた。

「IPを軸に様々なサービスや商品を繋ぎまたIPの創り手とファンの懸け橋となるべくその変わらぬ想いに共鳴する『Nexus(ネクサス)』という言葉を社名に掲げました」

ブラウザゲームプラットフォーム「enza」運営会社として認知されている同社だが、「Nexus」と「enza」はどういった関係にあるのか。そして、手塚晃司氏がなぜ代表取締役社長に復帰したのか。そもそもこの会社、「enza」以外にも何やら事業をやっているようなのだが、一体何をやっているのか?

そんな尽きない疑問を解消すべく、手塚社長にインタビュー取材を申し込み、社名変更と「enza」の関係、事業内容、そして今後の事業展開、そしてなにより社長復帰の経緯について話を聞いた。

 

――:よろしくお願いいたします。バンダイナムコネクサスに社名が変わりましたが、あらためて事業内容を教えていただけますか。

 よろしくお願いします。まず、社名変更からお話しておきますと、バンダイナムコグループはここ10年ほど「IP(知的財産)軸戦略」を推し進めており、それを実現する会社として2017年に当社は設立されました。今回の社名変更は、今後も継続的にこの戦略を推し進めていくという意思を内外に示すものでした。

IP軸戦略は、IPを好きなお客様と向き合って、ひとつのエンターテインメントだけでなく、ゲームや映像、玩具など様々な形で価値提供を行っていく考え方です。バンダイナムコグループ内の各社がそれぞれ独自に取り組んできましたが、当社が間に入ってより連携してお客様と向き合えるように進化しようとしています。

▲バンダイナムコグループのIP軸戦略(企業サイトより)

これまでもそれぞれの会社は、他のグループ企業ともっと連携したいと考えていましたが、多様な出口を持つ企業グループですので、個々の努力ではどうしても限界があります。そこで連携を専門的に担う当社を作ることで発展的なつながりを作っていくことにしました。そういった大きな戦略の中で当社はバンダイナムコグループ内に必要な様々な技術やノウハウを提供しています。

当社の取り扱っているIPとしては、ドラゴンボールやONE PIECE、アイドルマスターなどがあります。お客様は好きなIPのグッズもゲームも楽しんでいるはずです。しかしバンダイナムコグループでは、玩具事業とゲーム事業が別々に動いていると、共通のお客様に向き合っていても気づけないという課題がありました。

まず、お客様の重なりを見つけることからはじめました。「enza」をつくったのもそれがきっかけです。玩具事業とゲーム事業の連携を深めることが狙いでした。例えば、玩具で遊んでいるお客様とゲームで遊んでいるお客様がいたとして、玩具に付けているシリアルコードをゲームで読み取っていただく仕組みがあったら、お客様の重なりがわかりますよね。当社は、こうしたシステムをグループ各社向けに提供しています。

 

――:「enza」はそういう狙いだったんですね。最初の発表会でもそういったお話はされていましたね。

 バンダイナムコグループがIP軸戦略を進めていく上で、当社は「お客様にこういう体験を提供したら良いのでは」というコンサル提案を行っていますし、システム提供やサイトの運営なども手掛けています。そういった仕掛けのひとつとしてゲームがあるという位置づけです。

他にも、最近、3Dアバターを使ったメタバースが非常に注目されていますが、バンダイナムコグループ内でも興味を持っている会社が多いです。ただ、それぞれが個別に開発してしまうと同じようなシステムが5個も6個もできてしまう可能性があります。そういった重複を防ぐため、共通のオンラインロビーモジュールを当社が開発して提供しています。各IPで使うメタバースで必要とされているシステムは似ているので、同じ基本システムを使ったほうが効率的なんです。

同様に、動画やマンガを配信するシステム、オフィシャルサイトなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)モジュールも提供しています。そしてお客様の利用状況を分析してグループ会社にフィードバックやアドバイスを行っています。


――:以前のインタビューで、データ分析の方が多いとお話されていましたが、事業のポイントだったんですね。新型コロナの感染拡大を経て何か変わったところはありましたか。

 
新型コロナの感染拡大でお客様が自宅で過ごす時間が増えて、いままでリアルで体験していたことをWEBで体験するようになってきました。Eコマースや動画配信などデジタル化が進んだことで、お客様の求めていることがデータを通じてワンストップで見えるようになってきました。

 
――:なるほど。想像も付きませんでした。

最近よく、「何をやっているの?」と聞かれます(笑) 「enza」だけをやっていたほうがわかりやすいかもしれませんが、これは当社としての最終形ではありません。大事なことは、グループ内でのつながりを増やして、様々な事業がうまく動けるようにするために整えていくことです。

 
――:もうひとつ、お聞きしたいこととしては、手塚さんが取締役から代表取締役社長に復帰されました。どういう経緯があったんでしょうか。

IP軸戦略をバンダイナムコグループ総力で進めるにあたり、バンダイナムコエンターテインメントは2020年に、アプリを作るネットワークエンターテインメント部門と家庭用ゲームソフト部門を統合しました。つまり、一つの部門でアプリも家庭用ゲームも作るという組織に変えたわけです。

そのタイミングでアプリと家庭用ゲームの両方の経験を持っている私に声がかかりました。大きな変革だったため、バンダイナムコエンターテインメントに戻って、ゲーム制作側の立場からもお客様の体験を統合したIP軸戦略を推し進めることになりました。


一方、社長を引き継いで1年後の今年4月になって後任のバンダイナムコネクサス社長の大谷が、今度はマーケティングの面でIP軸戦略を推し進めるためにバンダイナムコエンターテインメントに戻ることになりました。チャレンジングな仕事ですので、そちらをメインでやってもらう必要があります。

幸い、私の方で担当していたゲーム制作の仕事は無事に統合が進み軌道に乗ってきましたので、そちらは引き続き見つつも、再びバンダイナムコネクサスの社長に兼任で復帰してゲーム制作と分析・システム開発の両面からIP軸戦略を進めることにしました。

 
――:事業だけを見ていると分かりづらかったのですが、お話を聞くと、筋が通った異動だったんですね。


そうです。バンダイナムコエンターテインメントでIP軸戦略を進めるために、欠けていた様々な機能を作るためにバンダイナムコネクサスをつくりました。バンダイナムコネクサスが軌道に乗ってきたので、私と大谷が入れ替わりでバンダイナムコエンターテインメントに戻って各方面からIP軸戦略を進めている、という形です。

2人とも仕事としては変わったという意識はないと思います。あくまでIP軸戦略としてお客様と向き合うための仕事をやっています。肩書や組織は変わりましたが、仕事の本質はあまり変わっていません

 
――:バンダイナムコグループとして課題としてきたことが一気に解決してきたんですね。

 
そうですね。グループ全体で取り組んで大きく進んでいます。例えば、玩具とゲームを管轄するユニットが、以前ですと別々に戦略を立てていましたが、いまでは一緒にやっています。人事交流も積極的に行って、融合させようとしています。

当社は、その後ろ側を担当しています。「ネクサス」には、「つながり」という意味のほかに、「中核」という意味も込められています。IP軸戦略を進めるためのコアな部分に様々な提案を発信していきたいと思っています。

 
――:それぞれの会社の規模は大きいですし、文化もかなり違うわけですよね。いうほど簡単ではないですよね。

 
文化やスピード感の違いは確かに大きいですね。玩具は旬なものをタイムリーに出していくことが求められるのに対して、ゲームは数年後を見越してしっかり作っていくことが求められます。

ただ、こうした違いはわかっていたことですし、お客様ときちんと向き合いたいというところでは共通していますので、IP軸戦略を進めるうえで大きな問題とはなりません。

私たちの取り組みは、ファン(FAN)とエンゲージメント(ENGAGEMENT)していくという意味の「ファンエンゲージメント(FAN ENGAGEMENT)」、略して「ファンゲージ(FANGAGE)」という単語を作って、グループ各社には「ファンゲージ」プロジェクトとして説明しています。ファンベースマーケティングというものがあるように、お客様同士の口コミや、お客様と企業が対等な関係でIPや商品を盛り上げていくような取り組みです。

グループ会社の仲間も後押ししてくれていますので、仕事は順調に進んでいます。後ろ側では着々と進んでいますし、表に出ているものもいくつかあります。私としては自分たちが表に出るより、事業を担当している各社がお客様に良い商品やサービスを提供できれば良いと思っています。

 
――:「enza」や関連サービスをやっていたのは、グループ内向けに事例を示すという意味合いもあったのですか。

 
はい。「enza」で提供している『アイドルマスター シャイニーカラーズ』は大変好調ですが、ゲームを介して、リアルのライブやオンラインライブ、グッズ、CDなどの様々な商材・サービスをつなげてお客様にひとつの体験を提供できていると思います。私ももともとこのような連携をやりたいと思っていましたが、いきなり分析やコンサルと言ってもわかりづらいですから、「enza」を通じて様々な関係者を巻き込む形を取っています。

 
――:前期の御社の業績は、新型コロナ禍の中でも大きく成長されたように見えます。どういった部分が伸びたのでしょうか。

一番大きいのはゲームの収益になりますが、昨年は、グループ会社から請け負うシステム開発や分析の収益も伸びています。グループ会社向けサービスの比率はこれから上がっていくだろうと思います。

ただ、裏側だけをやっていれば良いかというと、そうではないと考えています。やはり「enza」を通じてお客様と向き合うことをやっていかないと、お客様の姿が見えなくなってしまいます。感覚としてわからなくなってきます。事業側と一緒にお客様と向き合うことが多いので、特にそうした部分は大切なんです。

また、分析やシステムを納入してそれで終わりというわけではありません。グループ会社が我々の提供したプロダクトを通じて、お客様に良い製品やサービスを提供できるようになり、結果として売上や利益が上がる状況になることをもっとも重視していますし、そこに責任をもっています。それができて初めて成功したといえます。


――:データ分析を担当する方と事業側の関係性はどういった形になるんでしょうか。

 「ここを直したいから分析してよ」と言われて請け負うのではなく、まず、何が課題であるかを一緒にディスカッションすることから始めています。そして分析だけでなく、数字の裏付けをもって施策を考えるところまで踏み込んで提案しています。同じグループ会社ですので、分析部隊は事業側と一緒にプロデュースするという気持ちで取り組んでいます。

 
――:バンダイナムコネクサスに社名変更のリリースで、「IPを軸に様々なサービスや商品を繋ぎ、またIPの創り手とファンの懸け橋となるべくその変わらぬ想いに共鳴する「ネクサス」を社名に掲げた」とおっしゃっています。今後の成長のためにどういった戦略、展望をお持ちですか。

グループ全体として足りないのは、データドリブンな考え方だと思います。だいぶ浸透してきましたが、まだまだこれからですね。コンテンツを扱っている会社ですので、クリエイティブな感性や発想は大事にしなければなりませんが、今後もサイエンスの面白さを取り入れていくことでもっと良くなっていくはずです。

施策がお客様に満足して頂けたかどうかは常にデータで検証する必要があります。たとえうまくいかなかったとしてもその原因を分析して次につなげていくという文化を根付かせていきたいですね。ノウハウを蓄積することをゲーム事業内だけでなくグループ全体でやっていきたいです。これが我々のミッションと考えています。

そしてお客様の欲しいものがわかってきたとき、バンダイナムコグループででしかできないような、新しいつながりをもったエンターテインメントをつくっていきたいです。お客様の好きなIPで日常生活すべてが染まっていく、というような体験づくりを行いたいです。


好きなものに囲まれて生きていきたいというファンの想いを叶えることです。ゲーム事業だけをやっていたら実現できません。朝起きたらまず飾られているフィギュアを目にするとか、見ている映像や、食べるもの、移動中など色々なところに接点があると思っています。「アソビきれない毎日を。」というフレーズを実現したいですね。


――:それはバンダイナムコエンターテインメントのキャッチコピーですか。

はい。ファンの日常を楽しくプロデュースする、ということです。それはお客様への理解を深めないとできないことです。

グループ会社の商材の火の付き方を見ていくと、一定の法則性もあるようなんです。例えば、Webコミックやプライズの商品として人気が出て、他の商品に火がついて、アニメやゲームとして一気に盛り上がっていく、といったような形です。IPとしての盛り上がりの経験則の「見える化」も行っていきたいですね。

先ほどお話したように、ゲームを作るのは3年、4年はかかります。発売時点でどのIPがどれほど人気になっているのかをあらかじめ予想しておかなくてはなりません。早い段階でIPに人気の火がついていることを確認できれば、アニメ制作やゲーム開発でも思い切って踏み込むことができますよね。


――:それはすごい話ですね。

 まさにこれはバンダイナムコグループでないとできないことだと思います。

こうしたことは、国内だけでなく、海外でもやっています。海外の場合は、国内と異なり、ゲームのほうが先行しています。リアルの商材は流通などが大変なんです。逆にゲームのファンがいることがわかっていれば、IPとしてはゲームを経由してフィギュアやトレーディングカードを提供することができるようになります。

 
――:すごく面白いですが、大変そうではありますね。

いえ、話こそ大きくて大変そうに思うかもしれませんが、そうでもないですよ。バンダイナムコグループは、それぞれの企業がプロとしてこだわりと誇りをもって仕事をしています。われわれは、その仕組みとつながりを作るだけで十分に達成できると考えています。そしてグループ各社のIP関連事業の成功確率が上がり、グループ全体が盛り上がることが、我々にとっても、そしてお客様にとってもハッピーな状態といえますね。 

 

採用について

――:データ分析などの仕事に従事されている方が多いと伺ったことがありますが、現在、採用を強化している職種はありますか。

大きく2つあります。まず、データ分析に携わる職種に加えて、先ほど少しお話した「ファンゲージ」を担当する職種です。「ファンゲージ」に関しては、IPエンハンス部という部署が、お客様とのつながりの作り方や深め方、広げ方を考えて仕組みやシステムを企画・提案しています。グループ内の色々なサービスや製品をつなぎ合わせていくコンサルまたはプロマネ的な役割を持つ仕事です。

 

――:IPエンハンス部とはどういう部署なのでしょうか。

 その名の通り、IPを広げていく役割の部署です。もちろん分析部隊と協働していて、実績やデータの裏付けをもった、確度の高い情報をもって企画提案を作っていきます。

 
――:分析についてはデータアナリストが活躍していますか?

データ分析については、当社としての特徴があります。ゲームのデータ分析でUX改善を行う「データアナリスト」、事業やIPに関して予測モデルの構築や相互影響の分析を行ったりアナリストが使う新しい分析手法を開発したりする「データサイエンティスト」、そして、グループ全体のデータ戦略を考え実行する「データストラテジスト」を募集しています。おそらくデータサイエンティストとデータストラテジストを採用するゲーム会社はそれほど多くはないと思います。

 
――:世の中に少なそうな職種ですね。

なかなか採用市場にも出てこない職種ですね。いま社内で活躍している社員は、例えば、大学で宇宙物理の理論研究と人工衛星のデータ分析をしていた人や、物流の予測モデルを作っていた人など、全く違う業界からの転職者が多数います。違う業界にいたからこそ出てくる視点も大事です。もちろんゲーム業界出身者もいますので、半々くらいの割合ですね。とはいえ、他業種から入社してくれる人は、やはりゲームやアニメなど当社の扱うIPが好きで入ってくる人が多いですね。

 
――:どういった経験や素養を求めていますか。

 一貫して求めているのは「自走力」です。当社では、ゴールは全社で共通のものがありますが、そこにたどり着くためのルートややり方、スケジュール管理は個人に任せています。つまり、すべての指示を待って、そのとおりにこなす人よりは、プロセスを自分で考えて動けているような人が活躍できます。

 当社の仕事は、答えがない仕事がほとんどです。グループ全体でやったことのない事業ですので、誰かが教えてくれるわけではありません。「こういうことはやったことないけど、やったほうが良い結果が得られそうだ」と考えられることを重要視しています。


――:他業種から来た人向けの研修などはあるのでしょうか。

もちろん、他業種から来た人向けの教育プログラムを用意しています。基本的なスキルがあると言っても、全く違う業界から来たわけですから、すぐに「自走」するのは難しいのはわかっています。所定の研修を受けてしばらく慣れれば活躍できるようになります。

また、データ分析系の職種では、スキルの定義を明確にしており、効率的にスキルアップできるような研修プログラムを用意しています。実はデータ系のポジションは20人を超えています。業界ではトップクラスの人数だと思います。これを倍以上に増やしたいと考えています。

データ分析は、事業に直結するので成果が見やすくて、とてもやりがいがあります。ゲームでも分析をきちんとやっていくことで、売上が20倍に伸びたケースがいくつもあります。投資したら効果が出るのはわかっているので、環境整備には積極的に投資するようにしています。後から結果はついてくるので先行投資になっても構わないと話しています。分析環境については自由に作ってもらっています。

そしてゲームに限らず、アニメやグッズ、ライブなど、色々なデータが扱えるのがこの仕事の魅力です。最高に面白くてやりがいがあると思います。「こういうデータが欲しい」と事業側に提案して実装してもらうこともあります。グループ会社の中でデータ分析の重要性が認識され結果も出てきているので、とても協力的です。仕事するにも理想的な環境になっていると思います。

 
――:IPエンハンス部についてももう少し詳しく教えて下さい。

いままでは商品やタイトルごとにお客様のことを考えていたのが、最近ではIP全体としてお客様と向き合うようになっています。映像での体験からゲームや玩具、フィギュア、グッズなどを出していくタイミングを考えるなど、IP全体としての関わり方を重視しています。版元さんのいらっしゃるIPであれば、版元さんと一緒に考えているようになっています。

IPエンハンス部は、やはりゲーム業界出身の社員が多いです。ゲーム業界以外では、出版業界や印刷会社など、お客様と向き合う仕事をやっていた人が多いですね。そしてIPが好きというのが非常に大事です。ファンの気持ちに寄り添えることが重要です。主体性と協調性のバランスが取れる人が活躍していますね。


――:マインド面で大事にしていることはありますか。

「自走力」に関わっていることですが、世の中に対して新しい挑戦をしたいと思っている人が一番ほしいですね。出来上がっている産業ではありませんので、自分の頑張りで世の中が楽しくなったらいい、と外側に思考が向いているとなお良いです。

 
――:好きな作品に関わる仕事ができるって最高ですよね。

私も子供の頃に親しんだIPに関わる仕事をしていて、本当に夢のような仕事をやっていると思います。このことを少年時代の自分に教えたいですね(笑) 大変なときもありますが、この仕事を誇りに思っています。

ゲームや商品でお客様から怒られることはあるんですが、IPで怒られることはほとんどないんです。なぜなら皆、そのIPが好きだからです。僕らも好きな気持は同じですので、エンゲージメントを深めていって、私たちも受け手の気持ちへの理解を深めて、よりよいものづくり、サービスにつなげていきたいですね。バンダイナムコグループはそういう方向に向かっていますので、これからが一番楽しい時期に入ると思います。

あと、これは忘れずにお伝えしたいのですが、「enza」というプラットフォームはやめる気はありません。グループに提供する分析やモジュールなども含めた機能の一つという位置づけになっています。ここまでお話した内容からおわかりかと思いますが、「enza」単体の事業として広げていく、というわけではないんです。

 
――:IP軸戦略の追求ですね。

はい。ただ、「enza」という機能があるからとにかく使いますという考えは良くないと考えています。お客様がこういう体験をしたいから、そのときに適した機能を選ぶことが大事だと考えています。あくまでお客様の体験価値を優先する、ということです。お客様の体感価値を深めるために必要となれば、「enza」の機能を使っていくことになります。

 
――:機能があると、せっかく作ったのだからついつい使わないともったいないと考えがちですよね。ところで社名はどういう形で生まれたんでしょうか。

すごく良い社名になったと思います。これは実は社員が考えたんです。自分たちの未来は自分たちで考えたいということで、有志が考えて提案がありました。何度か会議を経て、「ぼくらが目指すのはネクサスなんです!」といわれて、「なるほどな~!」と感心しました。

本当にバッチリの社名になったと思います。「ネクサス」は、グループ会社との「つながり」はもちろんですが、お客様との「つながり」をもっと大事にしたいという思いが表現されていると思います。グループがより一体になっていけばもっと面白いことができますし、それを裏側から仕掛ける、そして支える。そんな存在でありたいですね。



――:ありがとうございました。








■バンダイナムコネクサスの採用職種一覧

・IPエンハンスプロデューサー
・データアナリスト
・データアナリスト(リーダー)
・データサイエンティスト
・データサイエンティスト(リーダー)
・データストラテジスト
・データストラテジスト(リーダー)
・データ基盤開発PM