メディアドゥ<3678>は、この日(10月13日)、2022年2月期の8月中間の連結決算を発表し、売上高552億3300万円(前年同期比32.3%増)、営業利益16億8800万円(同10.3%増)、経常利益16億8300万円(同6.3%増)、最終利益8億3600万円(同8.1%減)と最終減益となった。
・売上高:552億3300万円(同32.3%増)
・営業利益:16億8800万円(同10.3%増)
・経常利益:16億8300万円(同6.3%増)
・最終利益:8億3600万円(同8.1%減)
主力の電子書籍流通事業で一部電子書店による販促キャンペーンの実施継続を流通シェア拡大の好機と捉え、戦略的にトップライン伸長施策に注力したことで増収となった。またブロックチェーン技術を用いた新たなデジタルコンテンツの開発や、M&Aによって新たに獲得した子会社への投資など事業拡大に向けた布石を打つことができた、としている。
なお、連結子会社Nagisaに関する特別損失(減損損失)3億9400万円を計上した。これは、同社の主力事業であるマンガアプリ事業において、ネット広告に関するデジタルプラットフォーマーの規制対応といった外部環境の変化を踏まえ、当初計画における収益等の進捗状況を精査し、のれんの回収可能性について検討した結果、減損処理を行った。
■セグメント別の状況
(電子書籍流通事業)
売上高は528億8100万円(同28.3%増)、セグメント利益は15億3000万円(同6.0%増)となった。
トーハンとの資本業務提携で企図した新たな出版文化の創造や流通エコシステムの構築に向けて、連携強化を加速させている。加えて、出版業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進への貢献を図るべく、電子出版のみならず紙出版も含めた売上・印税管理に対応する出版ERPへの発展を目指して開発を進める電子書籍の売上印税管理システム「PUBNAVI(パブナビ)」の開発にも継続して注力した。
「Legacyを創りに行く」においては、電子書籍市場の更なる拡大を促すために、電子と紙の本それぞれの利点を生かした「安心・便利」を感じられる仕組みの提供を目指すとともに、新たなデジタルコンテンツの配信モデル、アセットモデルとして同社グループが提唱する「Digital Content Asset(DCA)」の実現に向けて、ブロックチェーン技術を用いた新流通プラットフォームの研究開発を推し進めている。
書店を訪れて本を購入した読者などに、NFT(Non-fungible Token:非代替性トークン)を活用したデジタル特典を付与するサービスについては、10月にもサービスインを予定している。また、トーハンとの協働による電子書籍やデジタルコンテンツを紙書籍と同様にフィジカルの書店で販売、購入できるモデルの実証も並行して進めている。
(その他事業)
売上高は23億5200万円(同345.1%増)となり、セグメント損失は2300万円(前年同期はセグメント損失9700万円)となった。
ビジネス書の要約配信サービス「フライヤー」は、法人向けSaaS事業を成長の主軸に据えた事業拡大を推進しており、テレビCM等、プロモーションや購入導線の改良施策の実施による会員数の増加を図った。
電子コミックのカラーリング、コミックの作画支援サービスを提供するアルトラエンタテイメントは8月にオフィスの移転・増床を完了させ、増加する縦読み需要やモーションマンガといった新たなデジタルコンテンツ制作への対応等を進めた。
また、連結子会社として同社グループに加わったFirebrandグループ(Quality Solutions, Inc.及びNetGalley,LLC並びにその子会社)及び日本文芸社の収益貢献が、第2四半期より始まっている。いずれの事業もWith/Afterコロナによるトレンド変化や出版業界の発展に資する事業展開を進めている。
■2022年2月通期の見通し
続く2022年2月通期の業績については、売上高1000億円(前期比19.7%増)、営業利益30億円(同12.6%増)、経常利益28億2000万円(同3.7%増)、最終利益16億円(同5.3%増)を見込む。
・売上高:1000億円(同19.7%増)
・営業利益:30億円(同12.6%増)
・経常利益:28億2000万円(同3.7%増)
・最終利益:16億円(同5.3%増)
計画に対する進捗率は、売上高55.2%、営業利益56.3%、経常利益59.7%、最終利益52.3%となっている。
・売上高:55.2%
・営業利益:56.3%
・経常利益:59.7%
・最終利益:52.3%
