ブシロード、第1四半期決算は営業益13億円と過去最高 「ヴァイスシュヴァルツ」中心にTCGとMD部門好調 通期予想を13億円から22億円に上方修正
ブシロード<7803>は、この日(11月12日)、2022年6月期の第1四半期の連結決算を発表し、売上高104億8400万円(前年同期比-)、営業利益13億2100万円(同-)、経常利益16億6900万円(同-)、最終利益11億3600万円(同-)だった(決算期変更に伴い前年同期との比較はなし)。デジタルIP事業におけるTCG部門とMD部門が好調に推移し、売上、利益ともに過去最高水準になったとのこと(関連記事→橋本社長インタビュー)。
・売上高:104億8400万円(同-)
・営業利益:13億2100万円(同-)
・経常利益:16億6900万円(同-)
・最終利益:11億3600万円(同-)
セグメント別の状況は以下のとおり。
1.デジタルIP事業
売上高80億3500万円、セグメント利益13億5300万円となった。TCG(トレーディングカードゲーム)部門、ゲーム部門、MD(マーチャンダイジング)部門、メディア部門の4部門が属している。なお、第1四半期より、MOG(モバイルオンラインゲーム)部門をゲーム部門に名称変更している。
①TCG部門
TCG部門は四半期として過去最高の売上となった。主力TCGである「ヴァイスシュヴァルツ」では「ホロライブプロダクション」がヴァイスシュヴァルツ史上最高の売上を記録し、他商品も好調に推移した。
「カードファイト!! ヴァンガード」は新シリーズ「カードファイト!! ヴァンガード overDress」が特に海外で好調な動きとなっている。「Reバース for you」は「新日本プロレスリング」を発売し、グループ内シナジーによりプロレスファンにもアプローチした。
②ゲーム部門
2021年9月16日に「バンドリ! ガールズバンドパーティ!for Nintendo Switch」を発売し、ブシロードとしてコンソールゲームへ本格参入した。また、モバイルオンラインゲーム市場が競争過熱の状態にあり、全体的に軟調に推移した。
③MD部門
同社は、第1四半期より、子会社のブシロードクリエイティブに同社のMD・EC事業を吸収分割の方法により承継した。これによりグループ内の機能・リソースを集約させ、MD部門のさらなる拡大を目指していく。カプセルや一般流通を中心に全体的に好調、また「原神」や「ホロライブプロダクション」など他社IPの催事やOEMによる売上も過去最高水準となり、MD部門は四半期として過去最高の売上となった。
④メディア部門
ブシロードムーブがチームジョイと共同で日本語吹替版の配給・制作を行った中米共同制作のフル3DCGアニメ映画『「白蛇:縁起」日本語吹替版』が2021年7月30日に公開され、公開初週には興業通信社集計の全国映画動員ランキングで10位にランクインした。また、舞台「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#3Growth」の公演が2021年7月27日より開始されその委員会収入などにより、メディア部門は四半期として過去最高の売上となった。
2.ライブIP事業
ライブIP事業は、音楽部門、スポーツ部門の2部門が属している。売上高24億4900万円、セグメント損失4000万円となった。
①音楽部門
ブシロードミュージックでは富士急ハイランド・コニファーフォレストで大規模ライブとなるBanG Dream!9th☆LIVE「The Beginning」「Mythology」を開催したほか、音楽・映像ソフトも全体的に好調、また、劇団飛行船でも公演の動員が回復傾向にあり、四半期として過去最高の売上となった。
②スポーツ部門
「新日本プロレス」は東京ドーム・メットライフドームで大規模興行「カードファイト!! ヴァンガードoverDress Presents WRESTLE GRAND SLAM in MetLife Dome」を開催するも緊急事態宣言延長により動員が制限され、興行・グッズの売上が伸び悩んだ。動画配信サービス「新日本プロレスワールド」やアプリ「新日コレクション」等のコンテンツ売上は堅調に推移した。
「スターダム」は段階的により大きな規模の会場での興行を増加させており、ブシロードファイトとして四半期で過去最高の売上高となった。
■2022年6月通期の予想を上方修正
同時に2022年6月通期の業績予想の上方修正を行い、売上高387億円(前回予想367億円)、営業利益22億円(同13億円)、経常利益31億円(同13億円)、最終利益22億円(同7億円)と売上高を引き上げ各利益項目をそれぞれ引き上げた。
・売上高:387億円(前回予想367億円)
・営業利益:22億円(同13億円)
・経常利益:31億円(同13億円)
・最終利益:22億円(同7億円)
従来予想からの修正率は、売上高5.4%増、営業利益69.2%増、経常利益138.4%増、最終利益214.2%増となっている。
・売上高:5.4%増
・営業利益:69.2%増
・経常利益:138.4%増
・最終利益:214.2%増
海外を含む TCG 部門とMD部門が引き続き好調に推移することを見込んでおり、広告宣伝費等の販売管理費のコントロールについても継続をする。ライブ IP 事業では音楽部門・スポーツ部門ともに大型イベントを複数開催することでの動員の増加を見込んでいるが、依然として新型コロナウイルス感染症の収束に向けた見通しが不透明であるため、大型イベントの利益についてはいずれも保守的に見込んでいる、とした。
また、期初時点で獲得可否やその金額の予想が困難であったため予想には見込んでいなかった J-LODlive 等の助成金については、第1四半期の獲得実績に鑑み、採択残高の約8割にあたる6億円を営業外収益として見込むこととしたという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803