【決算レポート】BOI、21年9月通期は営業損失8億円と赤字幅拡大 新作RPGの開発費や広告宣伝など先行投資で 『恋庭』と『メメントモリ』が業績回復のカギ
バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>の2021年9月通期の連結決算は、売上高21億2900万円(前の期比30.4%減)、営業損失8億0700万円(前の期は6000万円)、経常損失8億0100万円(同7000万円)、最終損失5億4100万円(同7400万円)と大幅減収・赤字幅拡大となった。新作開発費や新サービスの広告宣伝など、今後の成長に向けた先行投資を行っていた年だった。
・売上高:21億2900万円(同30.4%減)
・営業損失:8億0700万円(同6000万円)
・経常損失:8億0100万円(同7000万円)
・最終損失:5億4100万円(同7400万円)
同社では、既存タイトルの売上が低下したことに加えて、『恋庭』の広告宣伝費、『メメントモリ』など大型新作RPGの開発費などの先行投資を行ったため、としている。
ゲーム事業の売上高は同36.1%減の19億5000万円だった。『幻獣契約クリプトラクト』と『ミトラスフィア』の運営を行ったが、イベントなどを実施したものの、経年による売上低下があった。
また、『恋庭』については、広告宣伝費として1億9000万円を計上した。DAU(日次アクティブユーザー数)が増加しており、売上高も1億7000万円を計上した。11月以降も継続的に改善を行うとともに、広告の強化、月額料金プランの導入などでユーザー数を増やすとともに売上拡大を図っていく、としている。
新作タイトルとしては、大型RPG『メメントモリ』と大型RPG(タイトル非公開)の開発を進めている。開発費については資産計上せず、売上原価に計上したとのこと。この期では6億3000万円を計上したそうだ。
なお、『メメントモリ』と大型RPGについては、2022年9月期中にリリースする予定だ。初動は大きく売上を出し、安定推移フェーズに入ったあとは最低1年以上、月額課金額5億円以上の規模で推移させるという想定で開発を進めているという。
このほか、『メタバース』プロジェクトの組織化を進めたことも明かした。こちらはまだ試作段階であり、本開発に入っていないという。リリースについてはもう少し先となりそうだ。
なお、2022年9月期の業績見通しは非開示。新作大型RPG『メメントモリ』の配信開始と、『恋庭』の拡大に伴い、下半期には黒字に転換し、通期で連結営業利益を計上することを見込んでいるという。先行投資を行っている『メメントモリ』と『恋庭』が浮沈のカギを握る。
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
- 設立
- 2006年1月
- 代表者
- 代表取締役社長 樋口 智裕
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高213億3300万円、営業利益49億円、経常利益49億2000万円、最終利益32億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4393