【決算レポート】アピリッツ、第3四半期は減益着地も足元は改善進む 『けもフレ3』は移管費用なくなり収益貢献、Webソリューションも原価低減が奏功

木村英彦 編集長
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アピリッツ<4174>の第3四半期累計(2月~10月)の決算は、売上高34億9300万円(前年同期比21.3%増)、営業利益1億2200万円(同18.3%減)、経常利益1億0800万円(同27.4%減)、最終利益5100万円(同40.5%減)だった。第2四半期(21年5~7月)に一時的に費用が増えて営業損失を計上したため、減益で着地となったものの、四半期単位での数字で見ると、第3四半期(8月~10月)において外注費を中心に原価低減を行い、営業利益が大きく改善した。

・売上高:34億9300万円(同21.3%増)
・営業利益:1億2200万円(同18.3%減)
・経常利益:1億0800万円(同27.4%減)
・最終利益:5100万円(同40.5%減)

  

■Webソリューション事業
・売上高:15億7300万円(同17.6%増)
・営業利益:3億9000万円(同1.3%減)

増収減益となった。主にEC事業者から「医療系モール型EC」「小売系統サブスクリプションサービス」「デジタルチケット販売」「アパレル系EC」を受注しており、既存顧客と新規顧客からの受注は順調に推移し、売上高は好調だった。増加する新規顧客の受注を優先したことに伴い、外注費が増加したため、売上原価が増加し、セグメント利益に響いた。なお、第4四半期に大型の納品が控えているとのこと。

 

■オンラインゲーム事業
・売上高:19億1900万円(同24.6%増)
・営業利益:1億3100万円(同3%増)

パートナーゲーム開発は、「けものフレンズ3」が大きく寄与し、第2四半期から売上が大きく伸びた。『けものフレンズ3』の運営移管コストは、第3四半期でなくなったことに加えて、運営体制の適正化で第3四半期では外注費を大きく減らした。

自社ゲーム開発は、新作『式姫Project』を開発する一方、売上規模に応じた運営体制を見直し、『アンノウンブライド』『オーバーエクリプス』を終了することで経営資源の集中と再分配を行い、外注費を抑制した。既存タイトル『ゴエティアクロス』の3周年イベントで売上を伸ばした。

クリエイター派遣は、オンラインゲーム事業内において『けものフレンズ3』の運営へ人員を増加させた一方で、需要の増加に対応するため、登録型派遣を再開するなど売上の維持に努めた。

 

■2022年1月通期の見通し
続く2022年1月通期の業績については、売上高47億5400万円(前期比22.2%増)、営業利益8600万円(同62.5%減)、経常利益7300万円(同68.1%減)、最終利益2500万円(同80.1%減)を見込む。

・売上高:47億5400万円(同22.2%増)
・営業利益:8600万円(同62.5%減)
・経常利益:7300万円(同68.1%減)
・最終利益:2500万円(同80.1%減) 

計画に対する進捗率は、売上高73.5%、営業利益141.9%、経常利益147.9%、最終利益204.0%となっている。通期予想を上回っているが、オンラインゲームの第4四半期の売上と利益推移で確度の高い見積もりが難しいため、現時点では据え置いたとのこと。

・売上高:73.5%
・営業利益:141.9%
・経常利益:147.9%
・最終利益:204.0%

株式会社アピリッツ
https://appirits.com/

会社情報

会社名
株式会社アピリッツ
設立
2000年7月
代表者
代表取締役社長 執行役員CEO 和田 順児
決算期
1月
直近業績
売上高84億2700万円、営業利益5億9900万円、経常利益5億9600万円、最終利益3億8600万円(2024年1月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4174
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