【決算レポート】エイチーム、第1四半期は減収・赤字転落 新作『FFVII FS』開発費など先行投資負担で ブライダルと金融、ECも苦戦

木村英彦 編集長
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エイチーム<3662>の2022年7月期の第1四半期(21年8月~10月)の連結決算は、売上高73億3400万円(前年同期比2.1%減)、営業損失2億5200万円(前年同期は3億7800万円の利益)、経常損失2億4200万円(同3億9300万円の利益)、最終損失1億4500万円(同2億5800万円の利益)と減収・赤字転落となった。ライフスタイルサポート事業での減益に加え、エンターテインメント事業における新規ゲームの開発費用などが負担となり、赤字転落となった。

・売上高:73億3400万円(同2.1%減)
・営業損失:2億5200万円(同3億7800万円の利益)
・経常損失:2億4200万円(同3億9300万円の利益)
・最終損失:1億4500万円(同2億5800万円の利益)

 

■エンターテインメント事業
・売上高:14億7900万円(同17.1%減)
・営業損失:1億6000万円(同9300万円の利益)

 主要タイトルのダウントレンドが続き減収となったことに加えて、新作ゲームリ『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー、FFVII FS)』の開発投資を費用計上したことに伴い、営業損失が発生した。

気になる『FFVII FS』は、11月リリースであるため、第2四半期から売上が計上される。決算説明会では初動売上について質問が出ており、同社では、世界中で多くのユーザーが遊んでいるものの、「売上はそこまで振るわなかった」「初速は低調」と回答した。

 

既存ゲームのように有利にすすめるためのガチャを中心した品揃えではなく、固定で買ってもらえる商品を揃えたが、ニーズに合ったものが提供できていなかったという。今後、バトロワのファン層とFFファン層の双方からヒアリングを行いながらカスタマイズし、売上を伸ばしていく考え。

本作は、21年11月17日にリリースしたため、売上が計上されるのは第2四半期(21年11月~22年1月)となる。第2四半期も開発費などは減るものの、プロモーション投資を行うため、黒字化するかどうかは年末年始の売上次第になるとのことだった。

なお、コンソール機などのマルチデバイス展開については要望が多いものの、バグの修正とユーザーから寄せられた要望への対応を優先的に行っている。安定運用に移行してからスクウェア・エニックスと検討したいとした。両社とも要望が非常に多いと認識しているという。

 

■ライフスタイルサポート事業
・売上高:50億2100万円(同5.8%増)
・営業利益:1億9200万円(同56.9%減)

 引越し周辺のでんき・ガスサービス、車の査定・買取サイトの「ナビクル」が好調に推移したことで増収となったものの、結婚式場情報サイト「ハナユメ」が新型コロナの影響で減収が続いたほか、金融メディアもGoogleアルゴリズムの影響と市場環境の悪化の影響を受けたとのこと。

  

■EC事業
・売上高:8億3300万円(同13.5%減)
・営業損失:3400万円(同7400万円の利益)

 自転車通販の「cyma-サイマ-」においては、コロナ影響による自転車需要が一巡し、市場での一時的な供給過多が主な要因となり自転車の販売が鈍化したとのこと。8月・9月は苦戦したが、10月に入って再び回復軌道に入ったという。

なお、供給過多とは、昨年、コロナ禍で自転車の需要が大きく伸び、そのタイミングで生産の追いつかない状況だった。今年の夏に入って生産が追いついて市場に出せるようになったものの、需要が落ち着いて供給過多となり、価格競争が起こって粗利に影響が出るようになったそうだ。

株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
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