【決算レポート】coly、第3四半期は先行投資負担で2ケタ減益 ゲームやMD伸長で2ケタ増収も新作開発費や採用費が発生 1月通期予想も下方修正

木村英彦 編集長
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coly<4175>の2022年1月期の第3四半期累計(2021年2月~10月)の決算は、売上高45億5000万円(前年同期比12.6%増)、営業利益10億6600万円(同11.9%減)、経常利益10億3400万円(同14.4%減)、最終利益6億6700万円(同15.7%減)と増収・減益となった。ゲームやMD(マーチャンダイジング)の売上が伸びたものの、新作開発費など先行投資を負担したことが響いたとのこと。

・売上高:45億5000万円(同12.6%増)
・営業利益:10億6600万円(同11.9%減)
・経常利益:10億3400万円(同14.4%減)
・最終利益:6億6700万円(同15.7%減)

まず、売上高を見ていくと、モバイルオンラインゲームが13.7%増の37億2000万円だった。『スタンドマイヒーローズ』の5周年施策が過去の周年イベントで過去最高のDAU(日次アクティブユーザー数)を記録したほか、『魔法使いの約束』が堅調だった。ただ『スタンドマイヒーローズ』は経年の売上低下、『オンエア!』が終了したことがマイナス要因となった。

他方、MDについては8.5%増の8億2900万円だった。オフラインイベントを再開したが、新型コロナの影響で大規模開催が行えなかったものの、自社ECサイトを用いたオンライン販売売上が好調だった。また、『魔法使いの約束』の提供コンテンツ量増加に伴い、グッズ売上高も大きく増加したという。

 費用面では、売上に連動するアプリストアなどへの支払手数料が増えたほか、販売管理費が大きく伸びた。販売管理費は、前年同期比で58.0%増の12億2300万円となった。販管費の増加だけでゲームの増収による増益効果をほぼ相殺する結果となった。販売管理費については、研究開発費が伸びたほか、広告宣伝費、採用活動の活発化に伴う採用費が増えた。

  

■通期業績予想を下方修正
第3四半期までの決算を受けて、2022年1月通期の業績予想を下方修正を行い、売上高65億1600万円(前回予想76億8900万円)、営業利益15億6200万円(同22億0300万円)、経常利益15億3000万円(同21億7400万円)、最終利益9億9500万円(同13億7300万円)とした。

・売上高:65億1600万円(前回予想76億8900万円)
・営業利益:15億6200万円(同22億0300万円)
・経常利益:15億3000万円(同21億7400万円)
・最終利益:9億9500万円(同13億7300万円)

従来予想からの修正率は、売上高15.2%減、営業利益29.0%減、経常利益29.6%減、最終利益27.5%減となっている。

・売上高:15.2%減
・営業利益:29.0%減
・経常利益:29.6%減
・最終利益:27.5%減

 同社では、当初計画では期中を予定していた新規ゲーム作品のリリースが来期以降にずれこむ見込みとなり、当初予算比で減収となった。また、「魔法使いの約束」と MDの売上成長があったものの、運営中ゲーム作品全体として売上予算を下回る見通しとしている。開発ライン増強に伴うコストの増加と売上未達により、営業利益も当初予想を下回る見込み。

 

株式会社coly(コリー)
https://colyinc.com/

会社情報

会社名
株式会社coly(コリー)
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
決算期
1月
直近業績
売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4175
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