2022年 年頭所感(一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会 廣末 紀之代表理事)…イノベーションを取り戻す一年に



一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会は、1月4日、年頭所感を公開した。


■イノベーションを取り戻す一年に

新年明けましておめでとうございます。

旧年は、一昨年に続き世界中がコロナウィルスに翻弄され、米国の1.8兆ドルの追加景気対策を筆頭に世界各国における財政政策を実施した結果、過剰流動性、インフレ懸念を背景に、資産価格の上昇が顕著に現れました。

暗号資産においては、従来の個人投資家に加えて、前述インフレ懸念を背景に、世界に冠たる機関投資家や事業会社が、暗号資産をデジタル時代の新アセットクラスとしての認識を深め意欲的に参入するなど、その信任は日に日に高まり、また、これら金融領域だけでなく非金融領域においても、NFT、ゲームなどに加え、web3.0、メタバースへの応用など、その技術の応用によるユースケースの拡大が着実に広がった1年でもありました。

一方、我が国においては、暗号資産の有用性の認識は依然追いついておらず、2018年の暗号資産流出事故を契機とした当局による規制強化も加えて、この数年間で、世界の潮流からは相当遅れをとってしまったと感じております。

その代表的な例が税制ですが、昨今の報道でもある通り、国家成長の牽引を行う起業家、技術が海外に流出するという看過できない現象を引き起こしており、また、ステーブルコインやDeFiなどの新領域についても、現時点では、これら税制や規制の足枷から事業を行うことが困難であり、我が国発でイノベーションが起きにくい環境であると言わざるをえないと思います。

暗号資産及びその技術はインターネット登場以来の重要な技術であると言われている通り、暗号資産業界の発展は将来の国家の発展そのものであると思いますが、暗号資産産業の爆発的な発展を目前に控えている今こそ、民間がより一体となって声を上げることで産業の競争力を取り戻していく必要があろうと思います。

今年の干支「壬寅」は、厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となる、という意味があるそうです。

私共JCBAは、現在加盟会員数約107社と国内最大規模の民間業界団体でありますが、本年も、引き続き税制改正要望、NFT、DeFiなど新領域の課題整理や提言、機関投資家参入推進など、国内最大規模の加盟会員の知見集約機能、提言機能を発揮し、加盟会員同士連携協力のもと、イノベーションを取り戻すべく、精力的に活動して参る所存でございます。

本年一年、皆様にとって昨年以上に良いお年となりますことを心より祈念しております。

2022年1月4日
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会

代表理事 廣末 紀之