サイバーエージェント<4751>は、動画広告に特化した研究機関であるオンラインビデオ総研でデジタルインファクトと共同で、国内動画広告の市場動向調査を行い、2021年の動画広告市場は、昨年対比142.3%となる4205億円に達する見通しと発表した。今後の見通しについては、2022年には5497億円、2025年には1兆465億円に達する見込みとした。
<以下、プレスリリースより>
2021年 動画広告市場の背景
新型コロナウイルス感染症拡大は継続する環境にあるも、国内経済は2020年後半以降回復基調がみられており、広告市場もまた昨年の落ち込みから反転し、堅調に推移しました。またコロナ禍を機に進んだユーザー消費行動の変化や行政サービス、あらゆる産業におけるデジタル化、DXの流れを受け、インターネット広告市場は高い水準の成長を遂げました。
インターネット広告市場において、広告主とユーザーとのコミュニケーションの起点となる広告フォーマットは、テキストや画像よりも情報量が多く表現力が豊かな動画へと移行が進んでおります。
コロナ禍で定着した、世代を問わないユーザーの動画コンテンツ視聴の増加とともに、大手動画広告媒体のユーザー数も大きく伸長し、広告主企業にとって動画媒体の魅力がますます高まりました。
広告主企業は、広告予算全体におけるデジタルシフトが引き続き加速しており、動画コミュニケーションに対する投資は引き続き積極的に進められました。
これらを背景に、2021年の動画広告市場は、昨年を大きく上回る高い水準で成長を遂げました。
動画広告市場推計・予測 (広告商品別)2020年-2025年
2021年の動画広告市場は、昨年対比142.3%となる4,205億円に達する見通し。
2022年には5,497億円、2025年には1兆465億円に達する見込み。
2021年の動画広告市場では、大手動画配信サービスにおけるインストリーム動画広告を中心に需要が大きく増加しました。音楽、スポーツ、芸能などのエンターテインメントをはじめ、様々な魅力的なコンテンツの間に、業種や規模の大小を問わず多くの広告主やブランドが、大手動画配信サービスに動画広告を出稿する動きがみられました。
放送局系列の動画配信サイトにおいては、テレビ放送番組との同時配信も開始されるなど、コンテンツの拡充やユーザーにとって利便性向上につながる取り組みが進みつつあります。
また、ソーシャルメディアにおいては、動画から商品購買までに対応する機能の強化が進められており、これに対応した魅力的なフォーマットの開発が進められている動画広告がもつ役割はますます重視されていくことが見込まれます。
ユーザーにとって、スマートフォン、PC、コネクテッドテレビを通したシームレスな動画視聴が当たり前の行動として定着しており、広告主企業においても、これらに対応するとともに、動画広告の活用の幅をさらに広げる傾向が見られております。
これらを背景に、2021年の動画広告市場規模は、昨年対比142.3%となる4,205億円と高い成長を遂げたことが推測されます。
動画広告市場は今後もインターネット広告市場全体の水準を上回る高い成長率で推移することが予想され、2022年には5,497億円、2025年には1兆465億円に達すると予想されます。
動画広告市場の課題・今後
動画広告媒体をはじめ、ユーザーが動画広告に接する端末や場所、場面も多種多様になり、広告主はそれぞれに合った広告表現によるコミュニケーションがますます求められるようになっております。
洗練された動画広告クリエイティブの開発・提供が進み、ユーザーのプライバシー配慮を前提に、個人、場所、場面に応じた適切なコミュニケーションが実現することにより、動画広告市場は引き続き高い水準の成長を継続することが予想されます。
当社は今後も動画広告市場の発展に寄与すべく、企業のプロモーションにおける問題解決や広告効果の向上に努めてまいります。
※1 オンラインビデオ総研:
動画広告市場の発展に寄与することを目的に、その関連する調査を行う当社の専門組織です。
※2 本調査は動画広告業界関連事業者へのヒアリング調査ならびに公開情報、調査主体およびデジタルインファクトが保有するデータ等を参考に実施しています。また、広告主が支出する広告費を対象に市場規模を算出しております。
なお、本調査における動画広告の定義および、商品区分の定義は下記の通りです。
・動画広告:音声や映像を組み合わせて提供されている広告商品。動画の入稿ファイル形式は、MP4、MOV のものとする。
・インストリーム広告:動画コンテンツの間に挿入されて表示される広告。
・インフィード広告:サイトやアプリのコンテンツの途中に設置された広告枠を、ユーザーが視聴したタイミングで表示される広告。音声はデフォルトでオンになっているものや、オフになっているものなど、提供事業者によりさまざまである。
・インバナー広告:メディアのバナー広告、ピクチャー広告枠を基軸に表示される広告。広告枠内で自動再生されるものや、ユーザーがクリックをして再生されるもの、あるいはバナー(ピクチャー)広告をクリック後、動画プレイヤーが起動し、再生されるものなど、提供事業者によりさまざまである。
・その他:モバイルアプリ・サイトのページ最上部などで拡大表示されるエキスパンド型広告とよばれるもの、コンテンツ内にアーカイブ化され、ユーザーが視聴選択をして表示されるもの、検索結果に表示された動画コンテンツの一部として表示されるもの、ゲームなどコンテンツの中に組み込まれ、ユーザーの視聴に対してインセンティブを提供する仕組みを持つものなどがある。
■ 調査概要
調査主体:株式会社サイバーエージェント
調査時期:2021年10月から 2021年12月
調査方法:動画広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:動画広告市場
調査機関:株式会社 デジタルインファクト
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751