オルトプラス<3672>は、5月12日、2022年9月期第2四半期の決算を発表、それと共に事業ドメインの再定義し新興市場への参入と、 その関連案件を中心とする開発事業の強化による収益拡大を目指すと発表した。
ゲーム関連事業の規模拡大の継続はもちろんのこと、新作ブロックチェーンゲームを含む複数の新規タイトル等 のリリースと、それらの投資回収フェーズへの移行を実施する。
その背景には
・ゲームコンテンツのハイクオリティ化によるゲーム開発費用の高騰や開発期間の長期化が進 展し、競争環境が日を追うごとに難化。
・長期安定運営を得意とする同社のタイトルには10年を超えるものもあるが、それらについて も採算は徐々に退転しており、今後、一部クローズ等の収支調整が必要な状況。
がある。
そこでゲーム周辺新興市場の成長拡大傾向にあるWeb3などの新領域に着目し推進していく。なお同社では
・Web3等の新興領域では、ゲームとゲーム以外の領域の融合が進展し、ゲームテクノロジー の応用分野が更に拡大傾向。
・当該領域では、前述のゲーム事業環境の難化傾向に左右されず、且つ当社の豊富な実績のあ る企画開発力を活かして参入することで、安定的な収益の確保が可能
と見立て、関連する各施策を進行期より展開し、来期中の拡大完了を目指すとしている。
なお一部先行投資が発生し、今後の一部タイトルのクローズ等とあわせると短期的に収支バランス が崩れるものの、その後の収支は改善する見込みとのこと。
気になる開発状況とラインナップはこちら。
『Jリーグ トレーディングサッカー』は、日本初Jリーグオフィシャルライセンスを許諾したブロックチェーンゲームになる。日本初のFree to Play and Earn(無料ではじめて、楽しみながら稼ぐ)として提供する。Play to Earn(プレイして稼ぐ)タイトルでは初期投資に高額な費用がかかるタイトルが多々あるが、こちらは無料で開始できるのが特徴となる。
NFTにはLINEの独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」を採用予定。 ゲーム内で育成した選手をNFT化(※)することで従来のソーシャルゲーム では実現できなかったユーザー間での売買ができる。
またプロスポーツを題材にしたNFTサービスも開発しており、複数のスポーツ団体と競技を行っている。スポーツxNFTの組み合わせではトレカがすぐに思い浮かぶが、ただのトレカだけにとどまらず、集めて楽しむ新しい仕組みをNFTの機能として追加する計画だ。
トレカといえば社電通、アクセルマーク株式会社の3社共同で、アニメなどの映像作 品IPの動画をNFTトレーディングカードとして発行するサービスの企画、開発を引き続き推進している。
続いてはライブゲーミングに関して。ゲーム配信サービス『Mirrativ (ミラティブ)』のライブゲームの先行開発パートナーとして、今後、 『Mirrativ(ミラティブ)』上で展開されるライブゲームの開発を推進する。
「ライブゲーミング」とは、配信中のゲームに視聴者が介入できる、ゲー ムとライブ配信が融合した次世代のゲーム体験で、その視聴者は、従来の ライブ配信のようにコメントやギフトアイテムを贈るだけでなく、実際に 配信者といっしょにゲームをプレイする「参加型ライブゲーム」や、ギフトアイテムを通じてゲームに対して影響を与える「介入型ライブゲーム」 など、まさに今までのゲームやライブ配信が融合した新たな体験が可能になる。こちらに関してはまだ具体的な内容は明らかにしていない。
なお、2022年9月期第2四半期(1月〜3月)の決算は売上高16億3000万円(前四半期比8.45%増)、営業損失1億8200万円(前四半期は2億2800万円の営業赤字)、経常損失1億6000万円(前四半期は1億9400億円の経常赤字)、最終損失1億8000万円(前四半期は1億9300万円の最終赤字)となった。
・売上高16億3000万円(前四半期比8.45%増)
・営業損失1億8200万円(前四半期は2億2800万円の営業赤字)
・経常損失1億6000万円(前四半期は1億9400億円の経常赤字)
・最終損失1億8000万円(前四半期は1億9300万円の最終赤字)
なお、業績予想は非開示。主な事業領域であるソーシャルゲーム業界を取り巻く環境の変化が大きく、同社グループの業績が 短期間で大きく変動する可能性があり、将来的な業績予測を合理的に算出することが困難となっているため、としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社オルトプラス
- 設立
- 2010年5月
- 代表者
- 代表取締役CEO 石井 武
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高43億8700万円、営業損益5億5600万円の赤字、経常損益5億2200万円の赤字、最終損益4億2000万円の赤字(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3672