コーエーテクモ、『我が天下』『戦国布武』『三国炎血伝』運営会社に起こした著作権侵害訴訟で和解 裁判所の著作権侵害の事実認定と被告の謝罪を受けて
コーエーテクモゲームスは、この日(6月3日)、中国の杭州绝地科技股份有限公司(被告)に対して提起した著作権侵害の訴訟について、被告が著作権侵害を認めることを内容とする和解が成立したことを明らかにした。
杭州绝地科技股份有限公司は、"Bekko.com"のブランド名で『我が天下』や『戦国布武~我が天下戦国編~』『三国炎血伝』などのスマートフォン向けゲームアプリを配信・運営を行っている。
同社のゲームシリーズである「真・三國無双」、「信長の野望」、「三國志」及び「太閤立志伝」の音楽やゲーム画像が同社の許諾なしに被告のゲームアプリの広告に継続的に利用されていた。同社はこの行為が著作権侵害等に該当すると判断し、訴訟を提起した。
裁判所は、「我が天下」と「戦国布武」及び「三国炎血伝」に関する広告画像13種と広告動画1種について、同社の著作権、著作隣接権、及び著作者人格権を侵害するもので、その態様も悪質といわざるを得ないと判断すると述べた上で、概要以下の条件による和解を勧告した。
(1)被告は、同社に対し、被告画像及び被告動画の利用が、同社の著作権、著作隣接権及び著作者人格権を侵害することを認め、当該利用について謝罪する。
(2)被告は、同社に対し、解決金として金500万円を支払う。
(3)被告は、和解成立日時点で、被告画像及び被告動画のデータが被告の保有するすべての記録媒体から抹消されていることを誓約する。
(4)被告は、被告画像の公衆送信及び被告動画の送信可能化(インターネット上にアップロードすること等)を行わない。
なお、被告からは侵害を認めた上で和解の申し入れがあったが、同社は、これを受け入れることなく同社の著作権等を侵害している旨の判決を求めてきた。これは、他人の著作物を無断で利用しても、それを指摘した際に和解金を支払いさえすれば解決できるという安易な認識を排除するためとした。
同社著作物の無断利用は、ユーザーに対し、当該ゲームが同社のものであるとの誤認を与え得る行為となる。このような行為は、ユーザーにも不利益を与えるものであることから、同社としては、権利侵害に対して毅然とした対応を行うこととしているそうだ。
一方で、今回裁判所から示した和解勧告では、侵害の事実が認められ、その態様についても悪質であると判断した。被告においても侵害を認め、上記条件を受け入れた上で同社に謝罪している。よって、同社としては、今回の条件による和解であれば、同社の知的財産権保護針に沿うものであると判断し、和解を受け入れることにしたという。
同社グループでは、今後も、国内・海外を問わず、著作権等の知的財産権の侵害行為に対して引き続き厳格に対応すると同時に、多くのユーザーに満足できるゲームを開発及び提供したい、としている。
侵害事例は以下のとおり。
被告画像①
コーエーテクモ著作物①(『三國志Ⅵ』)
被告画像②
コーエーテクモ著作物②(『三國志Ⅵ』)
被告画像③
コーエーテクモ著作物③(『信長の野望・創造 with パワーアップキット』)
会社情報
- 会社名
- 株式会社コーエーテクモゲームス
- 設立
- 1978年7月
- 代表者
- 代表取締役会長(CEO) 襟川 陽一/代表取締役社長(COO) 鯉沼 久史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高681億700万円、経常利益341億6600万円、最終利益268億5200万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 非上場
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635