CryptoGames、独自のブロックチェーン「TCG-verse」を公開 ゲーム特化のブロックチェーン「Oasys」のL2



CryptoGamesは、6月29日、ゲームに特化したパブリックブロックチェーンである「Oasys」に独自のブロックチェーンである「TCG-verse」の公開を発表した。

2022年6月21日より提供開始しているという。


■TCGVerseとは?
「TCG-Verse」はOasysのLayer2にあたる独自のブロックチェーンになる。

TCG-verse 上のNFTの移動に伴うトランザクションの手数料はCryptoGamesが負担するため、ユーザーはトランザクション手数料を支払う必要がない*2。

トランザクションは即時に承認される。加えて、データベースで管理されていたアセット情報(ゲーム内マーケットでのトレードなど)は、全てブロックチェーン上で参照可能となる。

*2:カードの「TCG-verse」以外のチェーンに関わる転送費用や「ギルドストック」の引き出し手数料などは従来通りユーザー負担になる。


■Oasysとは?
 「Oasys」はゲームに特化したEVM互換のパブリックブロックチェーンです。 EVM(Ethereum Virtual Machine)互換であることにより、ユーザー側では広く使われているウォレットである「MetaMask」を利用できる。

開発者側はイーサリアム上で動いているプログラムを応用できる利点がある。

「Oasys」はLayer 1(Hub-Layer)と Layer 2(Verse-Layer)*1 技術を組み合わせた設計になっており、環境面にも十分配慮されたPoS(Proof of Stake)をコンセンサスアルゴリズムに採用し、エコシステムの拡大と環境問題の双方に配慮された設計となっている。

Layer2の具体的な例としては、「クリプトスペルズ」が載る「TCG-verse」、ブロックチェーンゲーム「MyCryptoHeroes」が載る「MCH-verse」が存在する。

*1:Layer2とは2層目のブロックチェーンを指す。取引履歴の一部をLayer2のブロックチェーン(「TCG-Verse」)に記載することで、メインのブロックチェーン(「Oasys」)への負荷軽減や処理速度の向上が期待できる。


■クリプトスペルズのユーザー体験



「クリプトスペルズ」では「TCG-verse」を活用することで、素早い取引と手数料の無いユーザー体験を提供する。

具体的には「クリプトスペルズ」のゲーム内でのNFT(レアリティゴールド以上のカード)の取引の際にトランザクションが発生する。

その取引をブロックチェーンの情報を検索することができる「TCGVerse EXPLORER」を使用することで誰もが確認することができる。

「クリプトスペルズ」のユーザーはブロックチェーンを意識することなくゲームで遊べる。

※1:TCGVerse EXPLORER:http://explorer.tcgverse.xyz/


■独自チェーンである「TCG-verse」を作成した背景
「クリプトスペルズ」が「TCG-verse」を作成した背景には、ブロックチェーン上での「クリプトスペルズ」の存在感を再出させるという理由がある。

もともと「クリプトスペルズ」ではパブリックブロックチェーンであるイーサリアムを採用していた。

しかし過去にイーサリアムの極端に遅い取引や高い取引手数料などでゲーム体験が損なわれるという課題があり、ゲーム内の取引をブロックチェーン上ではなく自社のサーバ内で行うオフチェーンに移行した。

オフチェーンへの移行に伴い、ゲーム内のユーザーの活動が外部に伝わらなくなり、ブロックチェーン上での存在感を示すことができないという課題が生じた。

そのため独自のブロックチェーンである「TCG-verse」を作成し、再びゲーム内のアセットがブロックチェーンに載ることにより、ユーザーの活動をトランザクション数という形で世界に公開する。

イーサリアムを採用していた以前と異なり、「TCG-verse」を活用することで高速かつトランザクションの手数料無料のユーザー体験を提供する。


■TCG-verse 参画事業者の募集
TCG-verseを用いてブロックチェーンゲームを展開される事業者様を募集中。応募し、一緒に取り組むことになった事業者様にはCryptoGamesから下記の支援を行う。

・ブロックチェーンゲーム開発や運営、エコシステム設計に関する知見のご提供

・TCGCを用いた支援

・すべてのNFTにユーティリティを与えるサービス「NFTwars」との連携