IGポート、22年5月期決算は最終益99%減の500万円 出版好調も「SPY×FAMILY」や「王様ランキング」など手掛けたアニメ制作は制作費高騰で赤字拡大 税負担も増加

IGポート<3791>は、7月14日、2022年5月通期(21年6月~22年5月)の連結決算を発表し、売上高118億7200万円(前の期比19.6%増)、営業利益5億7300万円(同17.0%減)、経常利益5億7400万円(同22.7%減)、最終利益500万円(同99.2%減)だった(「「収益認識に関する会計基準」を適用したため、売上高については参考値)。

・売上高:118億7200万円(同19.6%増)
・営業利益:5億7300万円(同17.0%減)
・経常利益:5億7400万円(同22.7%減)
・最終利益:500万円(同99.2%減)

最終利益が大幅な減益となったが、映像マスター及びコンテンツ資産の減価償却費の一部については税務上の損金計上が翌期以降に繰延べられるため法人税額が大幅に増加した一方、繰延税金資産の回収可能性を保守的に検討した結果、当該一時差異に対する繰延税金資産の計上を見送ったたため。

セグメントの経営成績は次のとおり。

(映像制作事業)
売上高は59億5600万円、営業損失は4億0200万円(前の期は1億2700万円の営業損失)となった。

TVアニメ「SPY × FAMILY」「アオアシ」「王様ランキング」「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」「プラチナエンド」等、配信アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」SEASON2、「ULTRAMAN」Season2、劇場アニメ「バブル BUBBLE」「サイダーのように言葉が湧き上がる」「DEEMO サクラノオト-あなたが奏でた音が、今も響く-」、配信実写ドラマ「湯あがりスケッチ」、その他プロモーションビデオ・CM・ゲーム・遊技機のアニメーションを納品した。

物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰しており、制作期間の長期化により厳しい状況が続いている。新規受注や納品した一部の作品について改善がみられたが、受注損失引当金を計上する作品もあった。


(出版事業)
売上高は26億4600万円(同22.5%増)、営業利益は5億4100万円(同31.9%増)となった。

コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行した。書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)は「魔法使いの嫁」「転生貴族の異世界冒険録」「魔道具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~」の最新刊等、125点を刊行した。書店向け出版売上はほぼ前年並みとなったが、電子書籍売上は従来のオリジナル作品に加え、市場のトレンドに合った作品(なろう系、異世界転生モノ、悪役令嬢モノ等)を適切なタイミングでコミカライズした結果、前年対比40%増を超える成長率となり好調に推移した。


(版権事業)
売上高は29億3200万円(同37.6%増)、営業利益は5億9000万円(同19.2%増)となった。「攻殻機動隊」「海賊王女」「ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン」「進撃の巨人」「ハイキュー!!」「GREAT PRETENDER」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。映像マスターとコンテンツ資産の減価償却費は、前期に比べ6億4600万円増加した。


(その他事業)
雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売等により、売上高は3億3600万円(同15.3%増)となり、営業損失は4300万円(前の期は3500万円の営業利益)となった。


■2023年5月期の業績見通し
2023年5月期の業績は、売上高116億1300万円(前期比2.2%減)、営業利益4億2500万円(同25.8%減)、経常利益4億7900万円(同16.5%減)、最終利益3億5600万円(同7020.0%増)を見込む。

・売上高:116億1300万円(同2.2%減)
・営業利益:4億2500万円(同25.8%減)
・経常利益:4億7900万円(同16.5%減)
・最終利益:3億5600万円(同7020.0%増)

株式会社IGポート
https://www.igport.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社IGポート
設立
1987年12月
代表者
代表取締役社長 石川 光久
決算期
5月
直近業績
売上高118億4100万円、営業利益12億2500万円、経常利益13億8000万円、最終利益11億5800万円(2024年5月期)
上場区分
東証
証券コード
3791
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